ガイアガンダム
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ガイアガンダム(Gaia Gundam)は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:ZGMF-X88S)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 機体解説
ガイアガンダム | |
型式番号 | ZGMF-X88S(RGX-03) |
所属 | ザフト→ファントムペイン(地球連合軍)→エターナル |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 17.8m |
重量 | 69.85t |
主な搭乗者 | リーカ・シェダー ステラ・ルーシェ アンドリュー・バルトフェルド |
武装 | ・MMI-GAU25A 20mmCIWS×2 ・MA-BAR71XE 高エネルギービームライフル ・MA-M941「ヴァジュラ」ビームサーベル×2 ・MMI-RS1 機動防盾 ・MA-81R ビーム突撃砲×2 ・MR-Q17X「グリフォン2」ビームブレイド×2 ・MMI-GAU1717 12.5mmCIWS×4 |
装甲 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
ガイアはユニウス条約締結後、プラントで開発されたザフト軍の新型MS群「セカンドステージシリーズ」の1機である。
ガイア最大の特徴は、前大戦の地上戦で高い機動性を生かし活躍した陸戦型MS「バクゥ」を参考にした4足獣型のモビルアーマー(MA)形態への可変機構を備えている事であり、陸戦における機動力は純人型であるMSを遥かに凌駕する。又、MS形態は中近距離の高機動戦闘を得意とするスタンダードな機体であり、MS本来の機動性と特殊地形における機動性を併せ持った高機動MSである。
4足獣形態による陸上走行能力は人型のそれを凌駕するものの、大気圏内における行動範囲は飛行や潜水に大幅に劣っている。とりわけ足場の少ない海上における戦闘ではその機動力はほぼ完全に殺されてしまい、大気圏内戦闘に特化する形態としては些か物足りないものと言える。又、宇宙空間では四足獣形態に変形できるメリットはそれ程無く(せいぜい浮遊物を蹴って跳躍する程度)、ある意味セカンドステージシリーズ中最も使い勝手の悪い機体である。
しかし、MS形態と四足獣形態の両立と言うスタイルは、重力と無重力両方の環境を併せ持った、スペースコロニー(プラント)内部と言う限定空間内においては無類の戦闘能力を発揮する(1G重力下での飛行能力を持たないMSでも飛行でき、更に地上での機動力の高さも重要になってくる)。この事からガイアのMA形態は大気圏内での陸戦ではなく、敵国コロニーの制圧戦を想定したものである可能性もある。又、4足獣形態の元となったバクゥやラゴゥは陸上以外での運用性は皆無に等しい為、バクゥやラゴゥの役割も果たす汎用機としてはセカンドステージシリーズのコンセプトを充分に満たしている。
ちなみに本機はセカンドステージシリーズの類にもれず「デュートリオンビーム送電システム」に対応しているが、ミネルバで運用される機会がなかった為その機能が活かされる事はなかった。
[編集] 武装
- MMI-GAU25A 20mmCIWS
- 頭部に2門装備されているCIWS。MA形態時には使用できない。
- MA-BAR71XE 高エネルギービームライフル
- 中距離射撃用のビームライフル。威力や射程距離などの性能はその他のセカンドステージシリーズのものと変わらないが、ライフルの外装はガイア用に特化している。
- MA形態時は右肩に装着され、固定砲台として使用できる。
- MA-M941「ヴァジュラ」ビームサーベル
- 両腰部に装備されているビームサーベル。アビス以外のセカンドステージシリーズに装備されているものと同じもの。
- マニピュレーターが前足となるMA形態時には、当然ながら使用できない。
- MMI-RS1 機動防盾
- 対ビームコーティングされたガイア専用のシールド。MA形態時は腹部に装着され、下方からのビーム射撃に対応できる。
- MA-81R ビーム突撃砲
- 背部に2門装備されているビーム砲。サイズから、威力や射程距離はビームライフルと同程度と思われる。主にMA形態時の主砲として使用されるが、MS形態時も使用可能。
- カオスの特殊兵装「EQFU-5X 機動兵装ポッド」にも同型のビーム砲が装備されている。
- MR-Q17X「グリフォン2」ビームブレイド
- 背面に2枚装備されている、スラスター内蔵の翼型デバイス上に展開されるビーム刃。バクゥの口吻部に装備されていたビームサーベルの様に、すれ違いざまに敵機を切り裂く事を目的としている。MS、MAどちらの形態でも使用可能。
- MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
- MA形態時の頭部に4門装備されているCIWS。近接防御の他に、装甲車等への攻撃にも使用されるらしい。
[編集] 劇中での活躍
物語冒頭にザフトの軍事工廠アーモリーワンからカオス、アビスとともに地球連合軍の特殊部隊「ファントムペイン」によって強奪され、アーモリー・ワンの陸空を縦横無尽に駆け巡り、ザフトのMS部隊を相手に猛威を振るった。以降ガイアは強奪時のパイロットであったステラ・ルーシェの乗機となり、地球側の戦力として使用された。
第25話で単独出撃し、インパルスとセイバーと交戦により損傷、ミネルバに鹵獲され、パイロットのステラ・ルーシェも捕虜になる。その後、第27話にて本機はプラントに移送されたが、その途中で突如行方知れずとなった。
尚、地球連合は本機を元に、コピー機でもあるワイルドダガーを開発し、量産している。
[編集] ガイアガンダム(バルトフェルド機)
ガイアがミネルバによって奪還された後、プラントに移送中突如として行方不明となったが、クライン派の手引きにより密かにファクトリーに運ばれた後エターナルに搭載されていた。第39話において砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルドの乗機として再び戦場に姿を現し、エターナルを追撃してきたザフトのザク、グフと死闘を繰り広げている。なお、これ以降バルトフェルドはエターナルの艦長職に専念することや機体はバルトフェルド専用となるため、戦闘に使用されたのはこのときただ一度きりである。
バルトフェルドに合わせた調整が行われており、黒だったVPS装甲の色は朱色に変化している。シールドも塗装が変更されている事から、このカラーリングはバルトフェルドの趣味という説が有力である。そもそもこの機体を入手したのも、『砂漠の虎』と呼ばれたバルトフェルドが四足MSを好んで愛用していたからだと推測されている。その後プラモデルが発売された際に機体色の変化について触れられており、バルトフェルドの戦闘的趣向や義肢でも操縦できるように考慮してOSを設定し直し、その結果朱色となったとされている。なお、小説版ではバルトフェルドが自分好みの色に調整させたと書かれている。
これまでのバルトフェルドの乗機(バルトフェルド専用バクゥ、ラゴゥ、バルトフェルド専用ムラサメ等)のカラーリングに比べかなり赤みが強く、バルトフェルドのパーソナルカラーが黄色なのか赤なのか、その中間(オレンジ)なのか疑問である。ただし、それまでの乗機が塗装によって色を付けているのに対して、前述の通り本機はシールド以外はVPS装甲による色調変更で色を付けているため、従来のパーソナルカラーの様な色合いが表現できず赤みが強くなっている可能性はある。無論、パーソナルカラーに遵守すべき規定などは無いため、バルトフェルドの好みで「今回は赤にした」だけかもしれない。
なお、劇中登場当時はステラ機と同一機体であると明確に確認出来る資料が存在していなかったため、一部では設計図のみを入手してファクトリーで製作したデッドコピー機ではないかとの憶測も流れた。その後に発売された小説版にて、上記したクライン派による奪取の事実が確認され、またオフィシャルガイドブックにも同様の記述がなされていることから、ステラ機と同一の機体であることが確認された。
[編集] 参考
- TMF/A-802 バクゥ
- 前大戦時に開発されたMS。陸上での機動性を追求した結果、人型ではなく4足の獣の様な姿をしているのが大きな特徴で、ガイアのMA形態の元となった。バクゥの項目参照。
- GAT-X399/Q ワイルドダガー
- 連合軍が奪取したガイアを元に開発した機体。詳細はストライクダガーの項目を参照。