カワサキ・ニンジャZX-9R
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カワサキ・ニンジャZX-9Rとは、川崎重工業が製造・販売していた輸出市場向け4ストローク直列4気筒899ccの大型自動二輪(オートバイ)である。スーパースポーツ(以下SS)モデルとしてはスペックはライバルの陰に隠れていたが、カワサキらしい豪快に吹け上がるエンジンなどにより今でも根強い人気がある。
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[編集] 概要
1980年代末期から1990年代初頭の900cc以上のクラスは、もっさりとしたハンドリングや重い重量(GPZ900Rで223㎏)などで、ツアラー的なモデルばかりあった。
そのような中で1992年、オートバイ業界に大きな衝撃が走った。ホンダから900ccながら下位モデルのような軽快なハンドリングを誇るCBR900RRファイアーブレードが発売された。
これに衝撃を受けたカワサキは打倒ファイアーブレードを目標に、当時のカワサキのレプリカモデルとしては最大の排気量を持つZXR750のエンジンのボア×ストロークを899ccまで拡大し、またZZR1100などに採用されていたカワサキお手芸のラムエアシステムで武装し、また、カワサキのスポーツモデルに与えられるサブネームNinjaを与えられ1994年にデビューした。ラムエアシステムを採用したことにより馬力ではファイアーブレードに勝った。しかし、大柄な車体や若干重い重量、グラブバーがあるなど、SSと見なされずにツアラーのような扱いを受けることもあった。
その後改良を行いながら2003年まで生産が続けられ、2004年に純粋にサーキット最速を全面に掲げて登場した後継車のZX-10Rにその座を譲り生産終了した。
尚、900ccであったのは
- 第3世代のZ1
- 新世代のニンジャとして、ニンジャのマジックナンバーである9(=900cc)を選択した
という理由がある。
[編集] 沿革
[編集] B型
- 1994年登場。初期型。
[編集] C型
- 1998年登場。
- 基本設計をZX-6Rベースにしたことにより約35kgもの軽量化に成功。
- ZXR750由来のエンジンから決別、新設計の水冷直列4気筒エンジンを採用する。
- 輸出国の排ガス規制に対応したキャタライザー装備のD型が存在するが、日本への納車は見られない。
[編集] E型
[編集] F型
- 2002年登場。最終型。
- グラブバーの撤去。
- Fブレーキキャリパーが6ポッドから4ポッドへ変更。
- スーパーバイク世界選手権出場車両譲りのデメションのニューフレームの採用するなど130ヶ所にも及ぶ改良。
[編集] 関連項目
- カワサキ・ニンジャZX-10R(事実上の後継車種。ただし中身は全く異なる)
- カワサキ・ZXR750(B型のみボア×ストロークを拡大したエンジンを使用している)
- カワサキ・Z1000(この車種のボア×ストロークを拡大したエンジンを使用している)