イタリア系アメリカ人
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イタリア系アメリカ人(イタリアけいアメリカじん、英: Italian American )とは、イタリア出身者かその子孫で、アメリカ合衆国の国籍を持つ者のこと。
イタリア人のアメリカへの移住は1880年代から始まり、そのピークは1900年頃から第一次世界大戦の1914年頃までといわれる。1978年には約530万のイタリア系移民が合衆国に居住していた。彼らの1/3はアメリカで稼いだ後祖国イタリアに帰省するつもりであったが、第一次・二次大戦の影響などでその多くが結局米国に留まることになった。他の白人移民;イギリス系・アイルランド系・ドイツ系に比べイタリア系移民は少数であり、現在合衆国の人口全体の約5.6%の1500万人ほどである。
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[編集] 歴史
(既に15世紀にアメリカ大陸に渡っていたイタリア人もいたが)、多くは1880年代からの移民である。彼らの多くがイタリア南部地方やシチリア島の農民の出身であった。彼らは渡米後ニューヨーク、ニュージャージー州などに定住し、現在でも多くが都市部ニューヨーク(マンハッタン・ブルックリン・クイーンズ・ブロンクスなど)に居住する。
イタリア系アメリカ人は自己の文化を保ちながら仕事・生活に従事する為、同郷者同士での結束を大切にした。その結果リトル・イタリーと呼ばれる街が随所に出来上がったが、他の白人(特にドイツ系・イギリス系・フランス系など)移民に比べ仕事・収入が限られていたことなどもあり、大抵はスラム化していた。過密気味のスラム街は、騒々しく不衛生で病気が蔓延していた。当初イタリア系アメリカ人たちは、貧乏・怠け者・汚らしい・無学という固定観念で見られがちだった。
1891年ニューオーリンズで警察署長殺害に関与したマフィアという嫌疑をかけられ、11人のイタリアン・アメリカンがリンチを受けた。映画「ゴッド・ファーザー」には、イタリアン・アメリカンに向けられるこういった負イメージが描かれているといわれる。
1990年代イタリアン・アメリカンの2/3がホワイトカラーであり、マフィア構成員は数千人程度まで減少したとされる。異人種間結婚も交え移民4・5世まで誕生している現在の彼らは、アメリカ社会の主流(mainstream)への同化が進んでいる。
[編集] 著名なイタリア系アメリカ人
[編集] 政治
[編集] 映画
- ジャニーン・ガラファロ:女優・コメディアン
- フランク・キャプラ:映画監督
- ヴィンセント・ギャロ:俳優・映画監督
- ニコラス・ケイジ:俳優
- フランシス・フォード・コッポラ:映画監督
- ビル・コンティ:映画音楽作曲家
- マーティン・スコセッシ:映画監督
- クエンティン・タランティーノ:映画監督
- マイケル・チミノ:映画監督
- ダニー・デヴィート:俳優
- スタンリー・トゥッチ:俳優
- ロバート・デ・ニーロ:俳優
- アル・パチーノ:俳優
- フランク・ボーセイジ:映画監督
- ヴィンセント・ミネリ:映画監督
- アリッサ・ミラノ:女優
- マット・ルブランク:俳優
- レネ・ルッソ:女優
[編集] 音楽
- フランク・ザッパ:ミュージシャン
- フランク・シナトラ:歌手・俳優
- ジョン・ボン・ジョヴィ:ロック・シンガー
- アラン・シルヴェストリ:作曲家
- グウェン・ステファニー:歌手
- スティーヴン・タイラー:ミュージシャン
- ボビー・ダーリン:歌手
- アンジェロ・バタラメンティ:作曲家
- トニー・ベネット:歌手
- ローラ・ニーロ:シンガーソングライター
- ディーン・マーティン:歌手・俳優
- ヘンリー・マンシーニ:作曲家
- ジャン・カルロ・メノッティ:作曲家
- シンディ・ローパー:ミュージシャン
[編集] 学者
- リカルド・ジャコーニ:宇宙物理学者
- エミリオ・セグレ:物理学者
- エンリコ・フェルミ:物理学者
- フランコ・モディリアーニ:経済学者
- リータ・レーヴィ=モンタルチーニ:神経学者
[編集] スポーツ
- ジェニファー・カプリアティ:テニス選手
- ジェイソン・ジアンビ:メジャーリーガー
- マット・ビオンディ:競泳選手
- ヨギ・ベラ:メジャーリーガー
- ブライアン・ボイタノ:フィギュアスケート選手
- フィル・ミケルソン:ゴルファー
- ロッキー・マルシアノ:プロボクサー
- トニー・ラルーサ:メジャーリーガー
[編集] 文学
[編集] 芸術
- ジョージア・オキーフ:画家
- フランク・ステラ:画家
- フランク・フラゼッタ:画家
- ジョセフ・バーベラ:アニメーター
[編集] その他
- アル・カポネ:マフィア
- ラッキー・ルチアーノ:マフィア