アーカイブ
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アーカイブ(archive)とは、日本では一般的に書庫と訳されることが多いが、元来は公記録保管所、公文書、または公文書の保管所、履歴などを意味し、記録を保管しておく場所である。公文書館を参照のこと。
アーカイブの複数形としてアーカイブスがあり、文書保管を目的とした施設や仕組みを指す。
- 日本では過去に放送された番組や関係資料の所蔵・閲覧を目的とした映像拠点としてNHKアーカイブスが2003年に埼玉県川口市にオープンした。
- インターネットで公開されている情報をボットを用いて収集保管する Internet Archive があり、過去に公開されたコンテンツや更新履歴を取りまとめて閲覧ができ、消滅したサイトの情報の閲覧ができる。
国立国語研究所による「外来語」言い換え提案では、アーカイブは「保存記録」また「記録保存館」の言い換え語が提案されている。
[編集] コンピュータ用語のアーカイブ
コンピュータの用語としては、複数のファイルを一つのファイルに纏めたファイル、もしくはそれを作成する過程を指し、喩えれば複数の論文を取りまとめて1冊の書籍にすることを意味することもある。この意味でのアーカイブを行なうソフトウェアを総称してアーカイバ (file archiver) と呼び、アーカイバで作成したファイルはアーカイブファイルと呼ぶ。また、アーカイブすることを書庫化するという場合もある。逆に取り出す場合は抽出または展開という。
アーカイブはデータ圧縮の前工程として行われることが多いが、これは単一のファイルを個別に符号化するよりも、関連したファイルを一つのファイルと見なして符号化を行うことで、データ圧縮の効率を高めることが出来るためである。これをソリッド圧縮という。 しかしながら、圧縮したファイルを解凍する際に、関連ファイルの全体を解凍する必要が生じるため、zipのようにファイルを圧縮した後にアーカイブするフォーマットや、データ圧縮時に決まったサイズのブロックに分けて符号化することで、目的のファイル周辺のみを解凍して取得することが出来るフォーマットが多い。 圧縮効率と解凍に際しての利便性はトレードオフの関係にあるため、データ圧縮規格が乱立する要因ともなっている。
データ圧縮規格の成熟に伴ってデータ圧縮機能とアーカイブ機能を統合して同時に処理できるソフトウェアが増えてきたため、そういった統合型のソフトウェアのことをアーカイバと呼ぶことが多くなったが、本来の意味では圧縮機能を持っているとは限らない。