アーカイブ (映画)
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アーカイブ (映画) (archives)は将来参照し使用できるように、映画(とそれに関連するスチール、ポスター、脚本などの資料)の収録と保存を行っている。アーカイヴとも表記することもある。
映画が集めたり保存したりする価値のあるものだと多くの人々が考えるようになったのには長い年月がかかった。
また、映画の場合、アーカイブに収録する際に特別な問題が起きる。かつてのほとんどの商業映画は、1951年頃まで非常に発火しやすいニトロ(ナイトレート)フィルムで公開されており、そのような資料を安全(セイフティ)フィルムに複写することは、骨の折れる仕事なのである。
近年では、イーストマン・カラーが製造したカラーフィルムは急速に色褪せするという問題が起きている。
アーカイヴはまた、保存の要求とアクセスの容易さとのバランスをうまく取ることに務めなければならない。アーカイヴの本来はデジタル化にあるかも知れないが、現存する資料をデジタル変換する作業には時間と費用が必要となるだろう。メジャー・スタジオと主要な放送局は、独自のアーカイブを持っている。古い映画の価値が今では明らかになったからである。いくつかの会社がアーカイブに所蔵する映画をテレビや製作会社に売却するということも起きている。
今日では、多くの国が自国や他国の映画遺産を保存するために国営のアーカイブを設けているし、国際フィルム・アーカイヴ連盟(FIAF)も重要な役割を果たしている。日本では東京国立近代美術館フィルムセンターと福岡市立総合図書館が加盟している。