Opera
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
開発元: | Opera Software ASA |
---|---|
最新版: | 9.10 / 2006年12月18日 |
対応OS: | Windows / Mac OS / Mac OS X / Linux他 |
プラットフォーム: | クロスプラットフォーム |
種別: | インターネットスイート |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | www.jp.opera.com |
Opera(オペラ)は、ノルウェーのソフトウェア開発会社、オペラソフトウェア(Opera Software ASA) によって製作されたWebブラウザである。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 名称の由来
社名でもあるOperaという名称は、短く世界に通用しやすい、マルチメディア機能を備えているなどの理由から付けられている。またこの言葉はOperationなど"Opera"と付くほかの言葉の意味なども込められており苦労を伴う開発作業を意味することともなる。[1]
[編集] デスクトップ版
対応OSはBeOS、Linux、FreeBSD、Solaris、Mac OS X(Intel Mac)と、16ビット及び32ビットのWindowsの各オペレーティングシステム。単一ウィンドウ上でタブ切り替えを行うことで複数のWebページを閲覧できるタブブラウザの草分け的存在でもあり、また、IEコンポーネントやGeckoとは異なる独自開発のHTMLレンダリングエンジン(Prestoエンジン)を搭載(このためInternet Explorer、Netscape/Mozillaに続く「第3のブラウザ」と呼ばれることがある)、Web表示の際の動作は軽快かつ拡大縮小表示が可能、Internet Explorerのセキュリティホールを心配せずに済むという面を持つ。10年前のパソコンでも動くことを目指し、プログラムコードをある程度小さくまとめることで高機能と高速化の両立を図っているため、スペックの低い機体でも比較的高速な動作を実現できるという点もある。[2]
歴史的な面において、前述の各ブラウザはNCSA Mosaicを受け継ぐ形で開発されてきたのに対し、OperaはMosaicの派生ではなく最初のリリースから独自で開発されてきた[3]。W3Cに多少準拠した製品ではあるが独自エンジンであるため他製品との互換性に配慮した部分が多く見られ、特にInternet Explorerへ機能を特化させたサイトにも一部対応できるようになっていることは大きな特徴である。また、Ver.9β版のWindows版Weekly buildでウェブスタンダードプロジェクトが作成したAcid2をクリアしている(2006年3月10日にクリア)。
ユーザビリティとしては、MDI方式により1つのウインドウ内で複数のページを閲覧できることや、テキストの拡大・縮小と同時に画像も滑らかに拡大・縮小するズーム機能、マウスの右ボタンのドラッグによって「戻る」「進む」「新しいウィンドウを開く」などといった操作を行えるマウスジェスチャーが実装されたブラウザとしても知られている。スキン機能(使用者が画面デザインを変更できる)にも対応しており、ショートカットキーやほぼ全てのメニュー内容、ツールバーのボタン、User JavaScriptによる機能の拡張など、カスタマイズ可能な項目も多い。Windows版のVer.8以降では専用のプラグインを導入する事で音声によるOperaの操作、Ver.9以降では設定エディタから詳細な設定を変更することも可能になっている。特に、「作成者モード変換機能」として、テキスト互換、白黒反転、ハイコントラストなど視覚障害対応が標準装備されており、ユニバーサルデザインのエミュレーターとしてWebデザイナーの間でも重宝されている。またVer.9.10からは米GeoTrust社との提携とPhishtankのデータベース参照を利用してリアルタイムでフィッシング詐欺対策を行う機能「Fraud Protection」を搭載している。
さらにメールクライアント「M2」が内蔵されており、OperaでWebを閲覧しながら瞬時にメール作成・閲覧・送受信が可能になっている。この他、IRCクライアント、ネットニュースリーダー、RSSフィードリーダーの各機能、また最新版であるVer.9にはBitTorrentクライアント機能やウィジェット機能も搭載されている。BitTorrentクライアント機能に関しては、米BitTorrent社との間で、商標の使用やBitTorrentサーチエンジンへのアクセスなどに関して提携が結ばれている。
またUSBメモリなどに導入して自分のパソコン以外にもOperaを利用できるように機能が一部改変や削除されているOpera@USBというソフトもリリースされている。しかしこれはOpera Softwareが提供しているものではなくopera.usb.comというサイトが非公式的に提供されているものであるためバージョンアップはOpera本体よりも幾分遅れる。
[編集] モバイル版/デバイス組み込み分野
OperaのPrestoエンジンは、スモールスクリーンレンダリング技術と呼ばれる、小型の画面にレイアウトを乱すことなく PC 向けの Web サイトを表示する独自の技術を備え、諸外国でスマートフォンやPDA等に採用されている。
日本では2004年5月に、DDIポケット(現ウィルコム)のAIR-EDGE PHONE端末・AH-K3001V(京セラ製)に、国内で発売される携帯電話・PHSとしては初めて搭載されたほか、同年12月にはau (KDDI) のCDMA 1X WIN端末・W21CAにPCサイトビューアーという名称で採用されており、以後日本の携帯電話・PHSにフルブラウザが搭載されるきっかけを作った。
また、フルブラウザ非搭載端末向けに、Java(J2ME)で開発された「Opera Mini」がリリースされており、日本国内でもSoftBank 3G・ウィルコムとau端末の一部で利用可能である。
さらに、Operaの技術をベースに、既存のWeb関連技術やAjaxなどを利用して、モバイル環境のネイティブなソフトウェアとオンラインコンテンツを統合可能にする、「Opera Platform」というアプリケーションプラットフォームの提供をはじめている。
モバイル向け分野のほかにセットトップボックスやカーナビゲーションシステムなどの各種デバイス組み込み分野でもOperaの開発が行われている。中でも任天堂の携帯ゲーム機「Nintendo DS」向けに、Operaをベースとして独自の改良を加えた「Nintendo DS Browser」が2006年7月より発売されており、同じく任天堂の次世代ゲーム機「Wii」向けにもOperaがダウンロード販売される事になっている。ただし、2007年6月までは無償でダウンロード可能の予定とのこと。
[編集] ライセンス
もともとは、他の一般的なブラウザとは異なりフリーソフトではないが、画面内への広告表示を条件に無期限・無料で使用できた。この広告表示を消すためにはライセンス登録が必要になっていたが、2005年9月20日から配布が開始されたVer.8.50からは広告表示が無くなり、ライセンス登録も不要となり更には一部Opera購入者に対して返金することとなった(その代わりに年額を払う事で提供される有償サポートが始まった。また携帯電話版のOperaは無料化から除外)。
日本では、まだ日本語版が存在しなかったころ、一部の熱狂的な日本の利用者が画面表示の日本語化を試み、その結果が反映されて現在の公式日本語版ができた。その後、株式会社トランスウエアが代理店となり有償使用ライセンスの販売・サポートを開始、2004年5月には株式会社ライブドアが日本国内におけるデスクトップ版ソフトウェアの独占販売権を取得した。これに関してはトランスウエアが販売権移譲において不法行為があったとしてライブドア・Opera Software両社を提訴している。また2005年にはOpera Software ASAが日本オフィスを開設、無料化以降はサポート体制がライブドアから同日本オフィスに移管されている。
[編集] 無料ライセンス
ライセンスが有償であった時代に、何度かライセンスが無料で提供されている。ひとつはOpera Affiliates(オペラアフィリエイト)。登録ユーザーが自身のウェブサイトやブログでバナー広告によるOperaの宣伝を行い、250のリファラーを得れば無償でライセンスが付与されるというもの。また、Opera10周年記念パーティーをインターネット上で開催した際にも、ユーザーへ無償でライセンスが提供されていた。無償で取得したライセンスは有償版と同等の意味を持ち、ブラウザ画面の広告も消去されるようになっていた。
[編集] Weekly Build
2006年2月13日以降、毎週金曜日にリリースされている評価版。機能の改善などを目的にテストリリースされている。何よりも最新のプログラムコードで書かれたバージョンである反面、バグなどのチェックは全く行われていないベータ版未満の評価版に当たるため、オペレーティングシステムに悪影響を及ぼす可能性もあり、一般ユーザーは使用すべきでない。
[編集] 最新の安定版
注記: 版は、言語によりわずかに異なる場合がある。
[編集] for Desktop
- Microsoft Windows: 9.10 (Windows 95 以降)、 3.62 (Windows 3.x)
- Mac OS: 9.10 (Mac OS X)、 6.03 (Mac OS)
- GNU/Linux: 9.10 (i386)、 9.10 (SPARC)、 9.10 (PowerPC)
- FreeBSD: 9.10 (i386)
- Solaris: 9.10 (SPARC)、9.10 (Intel)
- QNX 6.01
- OS/2: 5.12
- BeOS: 3.62
[編集] for Mobile/Devices
- Opera Mini:3.0
- for BREW
- CASIO
- TOSHIBA
- HITACHI
- Sony Ericsson
- SANYO
- KYOCERA
- W43K/W44K:8.50
- SHARP
- W41SH:8.00
- for UIQ
-
- Sony Ericsson P800/P900/P910:6.31
- Motorola M1000/A1000/A920/A925
- for ニンテンドーDS
-
- ニンテンドーDSブラウザー:8.50、オンラインの有料販売
- for Wii
-
- インターネットチャンネル:9.00、オンラインの有料販売(2007年6月末までは無償でダウンロード可能)
[編集] 脚注
- ↑ http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20088161-2,00.htm
- ↑ http://japan.cnet.com/interview/media/story/0,2000055959,20172007,00.htm
- ↑ http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/12/18/whocreate22.html
[編集] 関連記事
- ブラウザにウィキペディアの検索機能をつける - Opera
- NPRuntime
[編集] 外部リンク
- Opera Software ASA (英語・公式サイト)
- ウェブブラウザ Opera (日本語・公式サイト)
- Operash - バグ情報
- Desktip Team Blog - Weekly Buildを公開している
- MoonStone'S Labotary - カスタマイズ
- Idiot's Site For Opera - 仕様説明
- 君、Operaをつかいたまへ - 初心者向け解説
- Opera-PukiWikiPlus! - 非公式FAQ・カスタマイズなど
- Opera IRC+ - カスタマイズ情報、ボタンの配布
- OperaUSB - USBで持ち運べるOpera
カテゴリ: 電子メールソフト | Webブラウザ | 携帯電話ブラウジング | ソフトウェア会社 | ノルウェーの文化 | インターネットスイート