携帯情報端末
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携帯情報端末(けいたいじょうほうたんまつ)とは、スケジュール、ToDo、住所録、メモなどの情報を携帯して扱うための小型機器。Personal Digital Assistant(Personal Data Assistanceと表現されることもある)を略してPDAと一般に呼ばれることが多い。PDAはアップルコンピュータのCEO兼ペプシコーラの社長だったジョン・スカリーによる造語である。個人情報端末と呼ぶ事もある。
近年のPDAは上に挙げた機能の他にも多くの機能を実装しつつある。
なお日本では、1999年11月から自動車・オートバイを運転しながらのPDA等の画面の注視が法律で禁止されたが、手に保持しないハンズフリー設置をした物については、単純な注視は2004年11月以降の法改正後も依然罰則対象にはなっていない(道路交通法第百二十条第一項第十一号)。しかし、PDA等の画面の注視により交通の危険を生じさせた場合は依然罰則対象となっているため、注意が必要である。
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[編集] 概要
ノートパソコンと比べると機能は限定されているが、手のひらサイズのため持ち歩きしやすく、ソフトウェアの動作も軽快で電池の持続時間も長いなどの特徴がある。 電子手帳と似ているが、PDAはソフトウェアのインストールやカスタマイズが可能で、電子手帳よりも自由な利用が可能。
なお、スマートフォンと言う概念も以前から存在している。これはPDAに電話としての音声通話機能などを付加した物(または、携帯電話・PHS端末が高機能化してPDA寄りになった物)で、日本国内では欧米ほど一般的ではなかったが、ウィルコムからW-ZERO3が販売されたことで、日本国内でも普及の兆しが見え始めている。
メーカーにより大小に違いがあるがおおむね手のひらサイズ。 液晶画面で情報を表示する。モノクロ・カラーがあるが、現在の端末はほとんどがカラー液晶を採用している。
ハードウェアキーボードについては内蔵型と非内蔵型にわかれる。 非内蔵型はタッチパネルを兼ねた画面上で、ペン(スタイラス)で画面上をなぞる事により操作や文字の入力を行う。 キーボードがない分コンパクトだが、文章入力には時間がかかる。 なお、キーボード内蔵型でも同様の入力方式を併用する機器が多い。内蔵型は文章入力の利便性が高いが、その分機器が大きくなり、携帯性に劣る。
電源は内蔵バッテリーを使用する。 乾電池を使用する機器もわずかに存在する。 バッテリーを内蔵している機器は家庭用電源による充電が可能。 持続時間は機器により差があるが、3時間から25時間程度。 高機能のものほど持続時間は短い。
多くのPDAはパソコンとのデータ連携機能を持つ。 シリアル接続、IrDA接続、USB接続によりパソコンと接続し、あらかじめインストールされた専用アプリケーションと同期する。 これにより入力したデータやアプリケーションの転送、更新、バックアップ等がおこなえる。 PDA同士の通信も可能。
アナログモデム、PHS・携帯電話モジュール、無線LANによりインターネットへ接続でき、ネットの閲覧、電子メールの送受信などができる。
しかし、最近では、ノートパソコンの小型化、携帯電話・PHSほか携帯端末の高機能化により、市場は縮小傾向にある。また、スマートフォンとも市場が重なるため、PDAとスマートフォンの境界が曖昧になり、市場として統合される可能性もある。
[編集] 主な機能
- PIM(Personal Information Management - 個人情報管理)機能
- スケジュール(予定)管理
- ToDo(予約)管理
- 住所録
- メモ
- 電子辞書
- 電卓
- カメラ
- ゲーム
- マルチメディア
- MP3などの演奏
- 静止画、動画の閲覧
- インターネットへの接続
- Webの閲覧
- 電子メールの送受信
[編集] PDAの種類
- Palmデバイス
- Handheld PC
- Pocket PC
- その他のPDA
- Zaurus (シャープ)
- PSION (英PSION Computers)
- Newton (アップルコンピュータ)
- スマートフォン
- W-ZERO3 (シャープ・ウィルコム・マイクロソフト)
- Vodafone 702NK/Nokia 6630(ボーダフォン(現・ソフトバンクモバイル)・ノキア)
- FOMA M1000 (NTTドコモ・モトローラ)
- X01HT (HTC・ソフトバンクモバイル・マイクロソフト)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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