Microsoft Windows Millennium Edition
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Windows Millennium Edition(ウィンドウズ ミレニアム エディション, 略称はWindows Me(ウィンドウズ ミー)は2000年9月22日(日本語版)にマイクロソフトがWindows 98 Second Editionの後継として発表したWindows 9x系のオペレーティングシステムである。
Windowsの内部バージョンは4.9。コードネームはMillennium。「Me」の呼称は、「ミー」がマイクロソフトによる公式な愛称だが、日本では専門家も含め「エムイー」と呼ぶ方が一般的である。WinMeやMeなどと略される。なお、利用率の減少から、Windows MeはPC-9800シリーズには対応していない。
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[編集] 概要
Windows Meの発売の経緯は、Windows 9x系(32/16bit混在)からWindows NT系(32bit)への統合が計画されていたものの、Windows NTの2000年版(当初の仮称バージョン5.0)にあたるWindows 2000がまだ一般のユーザーには扱い切れるものではないとの判断から、急遽、Windows 98 Second Editionの次世代版としてWindows Meとしてリリースされた。そのため「Windows 98 Third Edition(サード エディション)」と呼ばれることがある。
Windows 98 SEと比較して、オペレーティングシステムの根本部分にあたるカーネル等への大きな変更はほとんど無く、基本部分はWindows 98 SEと大きな違いはない。そのため、Windows Meは、見た目の一新と多機能化、そしてマルチメディア機能を全面に押し出したOSとなった。
しかし、Windows MeはWindows 98 SEと同様、Windows9x系に属しており、16bit版のWindowsにつきまとう制約が依然として残されている。16bit版Windowsは、システムリソースと呼ばれる小さなメモリ領域を利用する必要があるが、Windows Meは、上記の様に多機能性が求められた結果、OS自身がシステムリソースを多く占有するという欠点をかかえることとなった。このため、9x系Windowsの最終バージョンでありながら最も不安定という不名誉な評価を受けることになった。
32bitと16bitが混在したWindows 9x系は、このWindows Meが最後のバージョンとなった。後継バージョンはWindows NTをベースにしたバージョン5.1にあたるWindows XPである。
Windows MeにはUSBメモリのようなUSBデバイスやチップセットのドライバが特に充実しているので、Windows 98のように別途ドライバのインストールが必要のない簡便さがある。また、起動ディスクが1枚に集約された上、98にあったFDISKのバグも解消されているので起動ディスクの評価が高い。
2006年以後、Windows Meに対応する製品はアダルトゲームや性的表現を含まない一部のゲームを除いて減少傾向にあり、段階的にWindows XPなどのWindows NT系に移行が進んでいる。
Windows XPへの移行が順調に進んでいると判断したマイクロソフトは、2006年7月11日をもってセキュリティホール対策モジュール提供などのサポートが打ち切った。今後はセキュリティホールが発見されても対応されないことになる。また、オンラインセルフヘルプサポートも2007年7月11日以降に終了が予定されている[1]。
サポートが終了した後は、Windows NT系の後継製品(Windows XP、Windows Vista)への乗り換えをマイクロソフトは推奨している。
[編集] 搭載されている機能
- Internet Explorer 5.5
- Windows Media Player 7 …マルチメディア系機能の充実化
- Windows Movie Maker …簡易動画編集ソフト
- MSN Messenger
- NetMeeting 3.1
- ホームネットワーク ウィザード等を標準で搭載
- DirectX7.1
- インターネット ゲームの追加
- ヘルプシステムの改良による初心者への配慮
- システムの復元機能
- WIA(Windows Image Acquisition) …デジタルカメラやスキャナなどから直接画像を読み込む機能の追加
- 圧縮ファイル(zipファイル)作成機能及び展開機能の追加
- リアルモードの廃止に伴うMS-DOSの一部排除
- 不正終了時のスキャンディスクをデスクトップ画面で処理(リアルモード廃止に伴うもの)
- 起動ディスクの簡略化(Windows 98では起動ディスクが2枚必要だったが、1枚で起動できるようになった)
その他、2000年以降発売のためMTU値等が1.5M程度の広帯域接続(ブロードバンド)に最適化され通信速度が向上、Windows Explorerの操作性もWindows 2000同様となり、デフラグツールの高速化なども施されている。
これらの改良が加えられ簡便性が向上した。99年以前の9x系に存在したシャットダウンやIEEE1394のバグが修正されるなど一部機能はWindows 98の機能を拡張・強化したものもある。逆に、Windows 2000以前でもIE5.5やWMP7など一部の新機能はWindows Updateで導入できた。これらの改良点の多くはWindows XPにも引き継がれている。
[編集] 関連項目
[編集] 出典
- ↑ Windows 98、Windows 98 SE および Windows Me のサポートが 2006 年 7 月 11 日に終了します, マイクロソフト、2006年3月26日。