Microsoft Windows Server 2003
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Windows Server 2003(ウィンドウズ サーバー にせんさん)はマイクロソフトの小規模~大規模サーバー用のオペレーティングシステムである。2003年4月24日に発売。
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[編集] 概要
元々はWindows 2000同様にクライアント版とサーバー版が同時に登場する予定であったが、当時セキュリティ問題が大きくクローズアップされたこともあり、多少開発に遅れが見られていたサーバー版はこれを機会にセキュリティ強化も行うこととして発売が見送られ[要出典]、2003年4月になってようやく発売された。内部バージョンはWindows NT 5.2。
開発時には.NET戦略の一環との位置付けから、当初はWindows .NET Serverの名称が用意されていたが、マーケティング上の理由から直前の2003年1月に名称が変更され、表題の通りの正式名称となった。
Windows 2000 Serverシリーズの後継となる。それまでの新機能付加をOSのバージョンアップの目玉としてきたマイクロソフトは、このOSからは、安定性やセキュリティの向上を主たる目的と方針を転換しているのが特徴で[要出典]、これらに関するサービスはWindows 2000 Serverではデフォルトで駆動状態で在るのに対しWindows Server 2003では停止状態であるものが多い。また、Windows XPで使われているユーザーインターフェイスも導入されるなどの視覚面での改良もなされている。
前バージョンであるWindows 2000 ServerではActive Directoryの導入がOSシステムへの劇的な変更点であったが、このOSでの新たな導入技術は .NETである。
なお、マイクロソフトはこのバージョンにおける新しいツールや特徴・機能を「フューチャーパック(Feature Packs)」という形で無償ダウンロード提供をおこなっている。その主な内容は以下の通りである。
- Active Directory Application Mode
- Automated Deployment Services (ADS)
- Directory Services Markup Language(DSML) Services for Windows
- Identity Integration Feature Pack
- Servive for Natware 5.0
- Scalable Networking Pack
- Virtual Server 2005 R2
- Windows Service for UNIX
- Windows SharePoint Services
- Windows Rights Management サービス(及びクライアント)
- Windows システム リソース マネージャ
- Windows Server Update Services (通称ダブルサス)
- グループポリシー管理コンソール
- シャドウコピークライアント
[編集] Windows Server 2003 R2
Windows Server 2003 Service Pack 1をベースに開発されたもの。R2では新機能がセットの別CDにて提供されている。R2の幾つかの要素はR2以外でも利用できるようリリースされている(MMC 3.0等)。
[編集] サービスパックに関して
[編集] Service Pack 1
2005年4月19日にリリースされた。Windows XP Service Pack 2に搭載された幾つかの機能(但し、セキュリティーセンター等は無い)や「セキュリティ構成ウィザード」などの新しい機能が搭載され、さまざまなバグ修正も提供している。
[編集] Service Pack 2
2007年にリリース予定で現在開発中のService Packである。Service Pack 1程の大きな変更は無いとしている。
[編集] エディションの違い
[編集] Web Edition
主にWebサービスを目的としたフロントエンド用途である。プロセッサ数の上限は2個(ソケット単位)、メモリ上限は2GBまで。ソフトウェア単体では販売されておらず、Webサーバーファーム用のハードとともにOEM提供となっている。
[編集] Standard Edition
ファイルサーバーを目的とした小規模サーバー用途である。プロセッサ数の上限は4個(ソケット単位)、メモリ上限は4GBまで。x64 Editionではメモリ上限は32GBまで。
[編集] Enterprise Edition
SQL Serverの使用やeコマースを目的としたバックエンドサーバー用途である。プロセッサ数の上限は8個(ソケット単位)、メモリ上限は32GB。64bit(Itanium)バージョンが存在する(このバージョンにおけるメモリ上限は64GBとなる)。 x64 Editionではメモリ上限は1TBまで。また8ノードまでのクラスタリングをサポートしている。
[編集] Datacenter Edition
プロセッサ数の上限は32、x64/Itanium両エディションで64。メモリ上限は32bitでは128GB、x64/Itaniumでは1TB。x64/ItaniumのSP2で2TBサポートが予定されている。 ソフトウェア単体では販売されておらず、データセンター用のハードとともにOEM提供となっている。
[編集] Compute Cluster Server
スーパーコンピュータなどの高性能数値演算クラスタ(HPC)を必要とするアプリケーションを想定して設計されたもの。x64版のみとなる。
[編集] Small Business Server
Exchange ServerやISA Server等がセットになっているSOHO等の小規模なビジネス環境のもの。
[編集] Storage Server Edition
Windows Powered Network Attached Storage(WindowsPowerdNAS)の後継製品に当たるOSで、 Windows Server 2003をベースにしたストレージ機器向けのOSである。 プロセッサ・メモリの上限は明記されておらず、ハードとともにOEM提供(プリインストール)となっている。