クリップボード
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クリップボード(Clipboard)は、
- 文具のひとつで、厚紙やプラスチックのボードに、用紙をクリップで留めて、室内や野外で作業台のない場所で立ったまま、情報やデータを書き留めたり、スケッチしたりするためのものである。スポーツの大会での記録や測量、農林業、土木作業の現場、文化人類学や民俗学のフィールドワーク、社会調査の現場でのデータの記載などに適している。
- 上記のものから派生して、コンピュータ上で、簡易的にデータを保存しておくメモリ領域のことも、この名で呼ぶ。
以下、コンピュータ上のクリップボードについて説明する。
XEROXのAltoで既にこうしたコンセプトが生まれていた。直感的には、コピー&ペーストにてデータを移動する際の一次保管所である。現在はクリップボードにデータが移される際、データの種類(テキスト、画像など)も同時に記憶しておくことができるが、アプリケーションによってデータの種類が異なるため、データが100%移せるかどうかはアプリケーションに依存する。例えば、ワープロソフトでコピーしたデータは、テキストエディタではフォントの大きさ、フォントの修飾(太字、斜体、下線)、画像などの情報が失われてしまう。
[編集] クリップボードを使用する際の注意点
クリップボードを使用する際は、新しくデータをコピーしたときに前回のデータが消えるという点、コンピュータの電源を切ると内容が失われてしまう点に注意する必要がある。
これらの欠点をカバーするためのツールソフトウェアは数多く存在する。その代表的なものとしてMacintoshではスクラップブックが、Windowsではクリップブックが挙げられる。いずれも、プログラムにペーストするとファイルに保存され、自分で削除するまで残しておける。同時に、複数のデータを保存することもできるようになっている。Mac OS Xには、標準ではそういったプログラムが存在しないため、取っておきたいデータはデスクトップにドロップしてクリッピングファイルを作成するか、サードパーティのプログラムを導入しなければならない。