阪急5100系電車
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阪急5100系電車 | |
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大阪市北区の中津駅にて | |
両数 | 8両 |
起動加速度 | 2.8km/h/s |
営業最高速度 | 100km/h |
設計最高速度 | 100km/h |
減速度 | 4.5km/h/s(通常) 5.0km/h/s(非常) |
車両定員 | |
編成定員 | |
全長 | 19000mm |
全幅 | 2700mm |
全高 | 3605mm |
車両重量 | |
編成重量 | |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 直流1500V |
駆動装置 | カルダン駆動方式 |
モーター出力 | 140kW |
編成出力 | 140kW×12=1680kW |
歯車比 | 1:5.31 |
制御装置 | 抵抗制御 |
ブレーキ方式 | 電磁直通ブレーキ・発電ブレーキ |
保安装置 | ATS |
備考 |
阪急5100系電車(はんきゅう5100けいでんしゃ)は、冷房搭載の本格的増備車として1971年に登場した、阪急電鉄の通勤形電車である。
冷房車を各線均等に配置することを図るべく京都線、神戸線、宝塚線全線での運行に配慮した設計となっている。
[編集] 概要
1971年(昭和46年)から1974年(昭和49年)までに90両が建造された。
系列は6000系となる計画であったが、京都線での使用が予定されていたことから、京都線に乗り入れていた大阪市交通局60系との番号の重複を避けるために空いていた5100番台となった。このため「100番台は宝塚線用」という意味はここで終わり、後の系列は全て神戸・宝塚線共通となる。床下機器の配置も京都線と揃えた。また当初は、車両番号によって2両(先頭車の車番末尾2桁が40~45)・3両(末尾20~31)および4両編成(末尾00~19)が分けられており、それらを組み合わせて6~8両編成が組まれていたが、パンタグラフが2基搭載されるようになった5132Fより、そのルールは崩れた。
冷房車の均等配置という観点から、神戸・宝塚線のほか京都線にも7両編成3本が配置され、冷房改造中の2800系に代わって特急にも使用されたが、1972年(昭和47年)から京都線には5300系が建造されたため、同線からは撤退した。また神戸線に配置された車両は、1編成が連結解放運用に使用されていた他、7両編成で普通運用にも入っていたが、電動機出力は140kWで5000系の170kWより劣ることもあって、宝塚線への転出または今津線での運用が主となり、のちの一時期には全車が宝塚線に配置されていた。その後、6連で今津線で運用される列車が復活し、1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災後のダイヤ改正で誕生した、神戸線経由梅田発宝塚行き準急に充当されることもあり、2001年(平成13年)まで神戸線を走る姿を見ることができた。
1991年途中から奇数制御電動車(M'c)・偶数付随車(T)に1台ずつの割合で搭載されていたCLG326M形60kVA電動発電機(MG)が京都線並にCLG350P形120kVAMGが奇数制御電動車のみの1台に変更され、2005年に行われた5128Fの更新工事によって阪急線上から60kVAMGが消滅した。
1997年(平成9年)の宝塚線ダイヤ改正を前に、従来の電動車(M)4両、付随車4両の4M4Tから電動車比率を高くした6M2Tの編成が登場した。ブレーキ以外は同一機器の6000系とともに、電動機に通電させる電流量(限流値)の増強を行って速度向上に備えた編成もある。
一部の車両は神戸本線所属の5000系に組み込まれていた2000系列付随車の代わりに組み込まれている。5012Fは更新工事以前からC♯5662・C♯5663を組み込んでいたが、5000F・5002Fを除く5000系の編成も更新工事によりこれまでにC♯5660~5669・5681を5000系に編入し、更新工事によってそれぞれをC♯5580~5589・5591に改番した。
当初は表示幕を装備していなかったが、1993年に最後まで方向板で残っていた5132Fの方向幕設置が完了した。2000年から2度目の更新工事(リニューアル)が始まり、その最初の編成となった5136Fには本形式で初めて車内にLED案内装置が設置された。2004年~2005年に工事を受けた5146Fと5128Fは、内装が濃い化粧板になり、側扉開閉ランプの設置、冷房装置の変更なども行われた。なお、5128Fは5100系の中で唯一シングルアームパンタグラフを積んでおり、異彩を放っている。また、現在5128Fの6・7両目に組み込まれているC♯5779・C♯5770はそれぞれC♯5129・C♯5120を電装解除・付随車化のうえ組み込んだものである。C♯5120が積んでいたシングルアームパンタグラフはC♯5140に乗せ換えられた。
5100Fの6・7両目に組み込まれているC♯5761・C♯5794はこれもまたC♯5111・C♯5144を電装解除・付随車化したもので、こちらは前述のC♯5779・C♯5770とはちがい、制御運転台部分の名残をとどめている。車番変更のため改造前とは別車両として扱われていたため、当初は、車内にあるカードの「全般検査」部分が空欄になっていた。
かつては10両編成を組んで朝ラッシュ時に運用されたこともあったが、2001年1月に消滅した。起動加速度は登場以来、2.8km/h/sである。
本系式は5000系の更新工事と並行して組成変更が比較的頻繁に行われている。2006年現在、8両編成9本72両が宝塚線で運用されている。
箕面線専属の3100系(3157F、3158F、3160F)が検査などで運用を外れたときには、5132Fが4両ずつに切り離されてそれぞれ4両編成で箕面線内の折り返し運用に入ることがある。 5102Fは編成変更によって中間に表示幕装置の付いた制御電動車C♯5131・C♯5118が入ったが、どちらもスタフ切替機および電動方向幕が撤去されているため分割編成にはなりえない。
[編集] 関連項目
阪急電鉄の車両 |
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現用車両 |
神戸線・宝塚線:9000系・8200系・8000系・7000系・6000系・5100系・5000系・3000系・3100系・2000系 京都線:9300系・8300系・7300系・6300系・5300系・3300系・2300系 |
過去の車両 |
神戸線・宝塚線:5200系・2200系・2100系・2021系・1200系・1100系・1010系・1000形・810系・800系・610系 550形・920系・900形・600形・500形・380形・320形・300形・98形・96形・90形・51形・34形・1形 京都線:2800系・1300系・1600系・710系・210系・700系・200形・100形(P-6)・10形(P-4・P-5) |
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