出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
第21回NHK紅白歌合戦は、1970年12月31日に東京宝塚劇場で行われた、通算21回目のNHK紅白歌合戦。21時から23時45分にNHKで生放送された。
[編集] 概要
- 橋幸夫は当初、「俺たちの花」を歌う予定だったが、白組司会の宮田輝アナウンサーが本番中に曲目を「いつでも夢を」に変更し、歌うことを持ちかけた。橋は着物姿であったため、「いつでも夢を」のイメージに合わず戸惑っていたが、宮田は「着物だってなんだっていいって、中身がよけりゃ」といって橋を説得した。結局、「いつでも夢を」が歌われることになった。このように当時の紅白は、現在の紅白ではありえない演出やアドリブがごく当たり前のように行われていた。
- この年もカラー放送（ビデオ映像）だったが、現存する映像はカラーフィルムで記録されたものである。このフィルムは当時、海外在住の日本人・日系人向けに紅白歌合戦を見てもらうためのものであり、この回のフィルムが偶然にもアルゼンチン大使館で発見されたと、後年の紅白30回記念番組で紹介されている。そのためか、保存状態が大変悪く、傷や劣化部分が多い。また、現存しているカラーフィルムは全165分中の約137分間であり、由紀さおりが出演する部分など、一部の映像が欠落している。しかし、和田アキ子・日吉ミミ・森山加代子・いしだあゆみ・布施明・にしきのあきら・弘田三枝子・ザ・ピーナッツ・島倉千代子・橋幸夫達や応援ゲストの小沢昭一のシーンは近年でも紹介されている。また、紅組司会であった美空ひばりが大トリで「人生将棋」を歌うシーンも紹介されているが、1番と2番の間奏部分の一部が欠落している。ちあきなおみも紹介されたが2番のみの紹介で、1番が現存するかどうかは不明である。和田アキ子はカラーフィルム版だけでなく、時々、モノクロ版（視聴者から提供されたもの）の現存映像で紹介されている時もある。しかし、カラーフィルム版と共に、モノクロ版の方も『思い出の紅白歌合戦』（NHKBS－2）で再放映されないことから不完全版である可能性が高いと云われている。ちなみに、リハーサルの模様も現存しているが、こちらは保存状態が良い。
- 現在、NHKのデータベースに公式に登録されている映像はカラー版であり、モノクロ版はNHKの外部に保管されているものと思われる。
- また、午後9時までは日本レコード大賞（TBS）も行われているが、レコード大賞の方は鮮明なカラーのビデオ映像の完全版VTRが現存している。紹介されているこの年のレコード大賞の映像と記念本「紅白50回」のこの年のオープニング写真（カラー。小さめだが、両組の出場歌手が舞台中央から舞台袖に左右別々に50音順で並んでいる）を見ると、レコード大賞から紅白移動組の紅組の佐良直美（レコード大賞では司会）、藤圭子、辺見マリ（全身、緑色の衣裳）、和田アキ子（膝までの長い青色の上着と、白のズボン）がレコード大賞の衣装のままである。
- この年の紅組出場歌手で最年長は司会も務めた美空ひばりの33歳。この33歳は2006年の第57回までの全紅白歌合戦の歴史の中で一番若い紅組最年長である。
[編集] 司会者
- 紅組司会:美空ひばり
- 白組司会:宮田輝アナウンサー
- 総合司会:北出清五郎アナウンサー
[編集] 審査員
[編集] 出場歌手
[編集] 外部リンク
