決まり字
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決まり字(きまりじ)とは、百人一首で札の取り合いをする際に、そこまで読まれればその札だと確定できるという部分のことを指す。特に札を取るスピードを求められる競技かるたにおいて、決まり字の把握は必要不可欠である。
例えば、競技かるたで用いる小倉百人一首には、「い」で始まる首として、次の3つがある。
- いにしへの
- いまはただ
- いまこむと
そのため、決まり字はそれぞれ、「いに」「いまは」「いまこ」となる。
しかし、競技が進むにつれて、多くの札が読まれるので、この決まり字が変化する。
もし「いまこ」が読まれると、「いまは」の決まり字が「いま」に変化する。そして、さらに「いに」が読まれると、「いま」は「い」が決まり字となる。
さらに、競技かるたのルールとして、取るべき札と同じ陣にある札に触れてもお手つきにならないというルールがあるので、自陣もしくは敵陣に「いに」「いまは」「いまこ」の3枚ともがある場合には、その全てを「い」で取ることができる。
同様に、例えば「きみがためは」と「きみがためお」が同じ陣にあれば「きみ」で取ることができる。
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[編集] 決まり字一覧
[編集] 1枚札
上の句の冒頭の1文字だけで1首に決まる札。「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」と覚える。
- む - むらさめの:寂蓮法師
- す - すみのえの:藤原敏行朝臣
- め - めぐりあひて:紫式部
- ふ - ふくからに:文屋康秀
- さ - さびしさに:良暹法師
- ほ - ほととぎす:後徳大寺左大臣
- せ - せをはやみ:崇徳院
[編集] 2枚札
冒頭の1文字で2首まで限定できる札。「う・つ・し・も・ゆ」と覚える。
- う
- うら
- うか
- つ
- つく
- つき
- し
- しら
- しの
- も
- もろ
- もも
- ゆ
- ゆら
- ゆふ
[編集] 3枚札
- い
- いに
- いまこ
- いまは
- ち
- ちは
- ちぎりき
- ちぎりお
- ひ
- ひさ
- ひとは
- ひとも
- き
- きり
- きみがためは
- きみがためを
[編集] 4枚札
- は
- はるす
- はるの
- はなの
- はなさ
- や
- やへ
- やす
- やまざ
- やまが
- よ
- よを
- よも
- よのなかよ
- よのなかは
- か
- かさ
- かく
- かぜを
- かぜそ
[編集] 5枚以上
- み(5枚)
- みち
- みせ
- みよ
- みかき
- みかの
- た(6枚)
- たか
- たき
- たご
- たま
- たち
- たれ
- こ(6枚)
- これ
- こひ
- この
- こぬ
- こころあ
- こころに
- わ(7枚)
- わび
- わがい
- わがそ
- わすら
- わすれ
- わたのはらや
- わたのはらこ
- お(7枚)
- おと
- おも
- おく
- をぐ
- おおえ
- あふこ
- おほけ
- な(8枚)
- なつ
- ながか
- ながら
- なげき
- なげけ
- なにし
- なにはが
- なにはえ
- あ(16枚)2字目は「は・ら・き・ま・り・さ・し・ひ・け」と覚える。
- あはれ
- あはぢ
- あらざ
- あらし
- あきの
- あきか
- あまの
- あまつ
- ありあ
- ありま
- あさぢ
- あさぼらけあ
- あさぼらけう
- あし
- あひ
- あけ