和光市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
|
和光市(わこうし)は、埼玉県南部の市。
戦後、急速に東京のベッドタウンとして人口が増え、本田技研工業の工場建設(現在は工場は廃止)によって工業都市として発展。株式会社本田技術研究所の和光研究所、独立行政法人理化学研究所のほか、近年では、税務大学校、司法研修所、裁判所職員総合研修所などの国や民間の研究・研修施設の立地が進んでいる。 人口増加率は、1995年から2005年までの10年間で、21パーセントであり、埼玉県の市町村では1位である。全国ではトップ10に入っている。また生産年齢人口の割合も75パーセントに上り、全国トップ10に入っている。
目次 |
[編集] 地理
- 埼玉県の南側、東京都と接する位置にある。
- 地形的には武蔵野台地上にあり、市の東端は白子川が、市の北端には荒川・新河岸川が流れている。市の中央部を東西に通る東武東上線を境にして、その南部は台地であり、北部は低地になっている。
- 東上線を境に南側は大規模に開発されており、国・民間の研究機関・本社や団地が立ち並び、近年急速に商業集積が進んだ。北側は小規模開発の住宅地と畑が混在しており、区画整理が実施されている地域もあるが、北口駅前はまだ開発が進展していない。
- 江戸時代には白子地区が川越街道の宿場町として栄えていた。当時の街並みはほとんど残っていないが、江戸時代の川越街道(旧254から大坂通りを通り笹目通りを抜けて浅久保通り)の周辺には、古民家がわずかであるが残っている。又、その周辺には現在でも井戸があるなど、川越街道旧道沿いの富沢病院駐車場では今も湧水が豊富であるが、病院側(地主)が駐車場整備のため一部閉鎖してしまった。しかし敷地には柵もないため道路から確認できるし、付近の鮮魚店が湧水を営業上使用しており排水量もまた多い。
[編集] 隣接する自治体
[編集] 歴史
- 白子川沿いの台地には縄文期の遺跡が発見されている。隣接する成増地区にも同様に遺跡があり、台地上に集落が築かれていたと思われる。現在、その集落跡には寺社が建てられているケースが多い。
- 古墳時代から奈良時代にかけて、渡来人の移住があったとされる。その理由として白子(シラコ)は新羅(シラギ)の転化とする説や、百済王子の住んだとされる牛房城伝説があるが、考古学的には実証されていない。ただ志木市や新座市にも同様の渡来人伝説があることから、単なる伝説ではないと考えられている。
- いずれにせよ、かなり古い時代から白子台地には集落が築かれており、現に寺社も多く、その中心地は現在バス停に名をとどめているだけだが「市場」辺りだったらしい。
- 戦国期には白子台地上で上杉勢と北条勢の争い「白子の戦い」があった。
- 江戸期には川越街道の宿場として白子宿が栄えた。その中心地は熊野神社であり、現在もなお周辺には旧家が多い。中でも花火を稼業とした富沢家は中心的役割を占めており、現在も地主・病院・薬局・料理屋・郵便局など、地元の産業を担っている。
- 鉄道が敷かれ、川越街道のルートが変更されると、白子宿は寂れた。豊富な清水を利用して魚の養殖、水車営業も行われたが、衰退に歯止めはかからず、市の中心地は駅周辺に移って行った。
- 1884年4月1日 - 連合戸長制施行により、上新倉村・下新倉村・白子村を設置。
- 1889年4月1日 - 町村制施行に伴い、新座郡新倉村(旧上新倉村)・白子村(旧下新倉村・白子村が合併)が発足。
- 1891年6月15日 - 新倉村大字長久保を東京府に移管(北豊島郡大泉村、現在の東京都練馬区大泉学園町の一部)。
- 1896年3月29日 - 新座郡が北足立郡に編入され、新倉村・白子村が北足立郡に所属する。
- 1943年4月1日 - 新倉村と白子村が合併し、北足立郡大和町となる。
- 1970年10月31日 - 大和町が市制施行に伴い名称変更、和光市になる。
[編集] 市名の由来
- 町制施行時に、町名に関してもめた為、「大いなる和」で一つになると言う意味から「大和町」と名付けられた。
- 市制施行時に、神奈川県大和市やほぼ同時期に市制施行する東京都東大和市と区別する為に一般公募され、「和光市」と名付けられた。大和の光から来ており、平和、栄光、前進を象徴する名前。いわゆる瑞祥地名である。
- 一般公募の際、現在の和光市内に住む「和光」さんが応募して、市の名称として採用されたものである。
[編集] 合併の状況
長らく関係の深い朝霞市・志木市・新座市との4市合併を目指し、2001年4月に「朝霞市・志木市・和光市・新座市合併協議会」が設置された。しかし、2003年4月13日に4市で実施された、合併の是非を決める住民投票が実施された際、和光市では投票の77%が反対という圧倒的な結果で合併は否決され(朝霞市、志木市は賛成多数、新座市はわずかに賛成多数)、合併は取りやめとなった。これには、地方交付税不交付団体である和光市と他3市との財政力の差や、東京都に隣接しているという地理的な影響があったものと思われる。しかし、将来的に市町村合併を迫られた場合、荒川を挟んだ戸田市との交流があまりないので、やはり朝霞市などとの合併しか選択肢がないのが現状である。
[編集] 産業
など。
和光市駅南口は近年、区画整理が完了したことに伴い、多くの商業ビル、銀行などが立ち並ぶようになった。 現在、北口地区の区画整理が計画されている。
[編集] 行政機関等
- 和光市役所
- 駅出張所
- 牛房出張所
- 吹上出張所
- 和光消防署
- 白子分署
- 警察は和光市全域を朝霞警察署が管轄している。
- 和光市駅前交番
- 和光交番(白子2丁目にある)
- 新倉駐在所
- 和光郵便局(集配局 担当地域:和光市全域)(風景印あり)
- 和光新倉郵便局(風景印あり)
- 西大和郵便局(風景印あり)
- 司法研修所内郵便局(風景印あり)
- 和光白子南郵便局(風景印あり)
- 和光白子郵便局(風景印あり)
- 和光市民文化センター サンアゼリア
- 独立行政法人国立病院機構 埼玉病院(旧国立埼玉病院)
- 理化学研究所和光本所
- 司法研修所
- 裁判所職員総合研修所
- 税務大学校和光校舎
- 国立保健医療科学院
- 陸上自衛隊朝霞駐屯地
- 県営和光樹林公園
[編集] 教育
[編集] 小学校
[編集] 中学校
[編集] 高等学校
[編集] 養護学校
[編集] 専門学校
- 朝霞地区看護専門学校
- 国立埼玉病院付属看護学校(2008年閉校予定)
[編集] 交通
[編集] 鉄道
和光市駅は昭和9年2月1日完成。1日の乗降人員は120,244人(平成16年度)で、東武東上線内では、池袋駅、朝霞台駅に次いで3位である。駅には、風月堂、文明堂、HOKUO(パン屋)、ケンタッキーフライドチキンなどの店舗がある。 平成20年には地下鉄13号線が開通予定で、開通すると渋谷まで直通運転となり、池袋~渋谷間はJR埼京線と競うかのように急行運転も予定されている。尚、将来的には、和光市~東急東横線に乗り入れをして横浜まで直通運転になる予定。
[編集] 道路
市内の道路は未整備な部分が多い。道路幅は狭く、アップダウンや蛇行している道ばかりで歩行者にとって危険である。市内の道路環境が改善の余地を大きく残している為、人口は増加しているのに商業施設が増加してない要因のひとつである。市の都市計画は大規模な国の施設を中心にしているともいえ、旧川越街道沿いの地域はそこから外れた様子である。しかし東京に隣接し白子川をわたるだけで近郊の風景が広がることは魅力的でもある。新川越街道沿いの市役所出張所(コミュニティセンター)では古い祭りの山車を展示しているなど民俗資料の保存に意欲的である。
[編集] 出身有名人
- 清水かつら-詩人
- フリーディア・ニムラ(旧芸名・こずえ鈴)-タレント
- 大石真-児童文学作家
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 海外
[編集] 国内
友好都市
- 長野県佐久市 - 1995年9月「災害時における相互応援協定」締結
- 栃木県那須烏山市 - 1996年9月「災害時における相互応援協定」締結
- 新潟県十日町市 - 2004年8月27日「災害時における相互応援協定」締結
[編集] その他
- 市外局番:048(市内全域)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 埼玉県の自治体等
-
さいたま市: 西区 | 北区 | 大宮区 | 見沼区 | 中央区 | 桜区 | 浦和区 | 南区 | 緑区 | 岩槻区 その他市部: 川越市 | 熊谷市 | 川口市 | 行田市 | 秩父市 | 所沢市 | 飯能市 | 加須市 | 本庄市 | 東松山市 | 春日部市 | 狭山市 | 羽生市 | 鴻巣市 | 深谷市 | 上尾市 | 草加市 | 越谷市 | 蕨市 | 戸田市 | 入間市 | 鳩ヶ谷市 | 朝霞市 | 志木市 | 和光市 | 新座市 | 桶川市 | 久喜市 | 北本市 | 八潮市 | 富士見市 | 三郷市 | 蓮田市 | 坂戸市 | 幸手市 | 鶴ヶ島市 | 日高市 | 吉川市 | ふじみ野市 北足立郡: 伊奈町 入間郡: 三芳町 | 毛呂山町 | 越生町 比企郡: 滑川町 | 嵐山町 | 小川町 | 川島町 | 吉見町 | 鳩山町 | ときがわ町 秩父郡: 横瀬町 | 皆野町 | 長瀞町 | 小鹿野町 | 東秩父村 児玉郡: 美里町 | 神川町 | 上里町 大里郡: 江南町 | 寄居町 北埼玉郡: 騎西町 | 北川辺町 | 大利根町 南埼玉郡: 宮代町 | 白岡町 | 菖蒲町 北葛飾郡: 栗橋町 | 鷲宮町 | 杉戸町 | 松伏町