税務大学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
税務大学校(ぜいむだいがっこう)とは、国税庁直轄の研修機関であり、税務署等で勤務する国税の職員の研修や税法等の研究などを行っている。
本校は事務室が東京都千代田区霞が関、校舎が埼玉県和光市にある。その他地方に12の地方研修所がある。
目次 |
[編集] 研修の種類
実施している研修は下記のとおりである。
- 普通科研修
- 初任者基礎研修
- 専門官基礎研修
- 専科研修
- 本科研修
- 研究科
- 国際租税セミナー
- 税務理論研修
- 短期研修
- 通信研修
- その他研修
なお、上記のうち、4の本科研修と、5専科研修と、10通信研修の一部、については税理士法に定める指定研修であり、各研修を修了すると、勤続年数などにより税理士の試験科目が免除される。
[編集] 専門官基礎研修
国税専門官試験合格者は採用後、税務大学校和光校舎で専門官基礎研修を受講することになる。基礎研修では所得税法、法人税法、相続税法及び消費税法など国税の一般的な税目を広く勉強する、また日商簿記2級をもってない者については、4月の入校から2ヵ月後の6月の検定で簿記2級に合格する事が強く求められているのが特徴である。
4月の入校から6月いっぱいまでの和光校舎でのひと通りの講義が終わると、個人事業者の所得税、消費税を扱う個人課税部門、法人税及び源泉所得税を扱う法人課税部門、相続税や贈与税を扱う資産課税部門及び国税の徴収を担う管理徴収部門のいずれかの事務系統が研修生に発表され、その後1ヶ月は各地の税務大学校に移り自分の事務系統の専門的な研修を受ける。
専門官基礎研修終了後は各地の税務署で2年間実務を経験する。その後再び税務大学校和光校舎で7ヶ月間の専科研修を受講する。
[編集] 普通科研修及び初任者研修
大卒程度の国税専門官試験合格者のほかには、高卒程度の国家III種税務職に合格した者を研修するのが普通科研修である。普通科研修は東京、関東信越、名古屋、及び大阪の税務大学校で行われる。
1年1カ月の研修は全寮制であり、厳格な規則が多く存在しており、起床時から寝るまで殆ど全ての時間が教育官及び教育官補によって厳しい軍隊式の研修を受けることになる。そのため研修を途中で中断し去っていく研修生も少なくない。そのためか普通科研修修了者は国税という組織への忠誠心が大卒の国税専門官試験合格者より高い。