北宇智駅
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北宇智駅(きたうちえき)は、奈良県五條市にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)和歌山線の駅。
関西2府4県で唯一スイッチバックが現在も行われている旅客駅であるが、スイッチバックを廃止する工事が始まる予定である。
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[編集] 駅構造
相対式ホーム2面2線を有する地上駅。駅舎はごく簡素なもの。駅舎側ホームは和歌山方面行き、無蓋跨線橋を渡って反対側ホームは王寺方面行きである。便所は、男女共用の汲み取り式。
関西地方において唯一のスイッチバック構造が特筆される。最急勾配こそ20パーミル程度だが、開業時は蒸気機関車牽引列車ばかりだったため必須の設備であった。その後、蒸気機関車は廃止となり、やがて電化されたために現代ではスイッチバックの必要性は薄れていると思われるが、スイッチバックを解消するために駅の移設等を行う費用も捻出し難く、かつ当駅で列車交換のダイヤが組まれていることも関係すると推測される。当駅を通過する場合にはスイッチバックをする必要はなく、駅構内および引上げ線に入らずそのまま渡り線を通ることができるが、当駅通過列車は原則として存在しない。
なお、駅北方にある踏切道はスイッチバックによる入換作業中、つまり列車が接近してから入換作業を経て出発していくまで、遮断機が下りたままになる。そのため、閉鎖時間が長くなる旨書かれた看板が踏切脇にある。 2006年3月23日および27日に運転士のATSの入れ忘れ事故が続けて発生したため、事故防止策としてスイッチバックの廃止が決定した(後述)。
[編集] 利用状況
- 1日あたり200人程度の乗降がある。
[編集] 駅周辺
- 北宇智郵便局
- 五条警察署住川駐在所
- 五條市立北宇智小学校
- テクノパークなら(工業団地)
[編集] 歴史
- 1896年(明治29年)5月10日 - 南和鉄道の駅として開業。
- 1904年(明治37年)12月9日 - 関西鉄道に買収され、同鉄道の駅となる。
- 1907年(明治40年)10月1日 - 関西鉄道が国有化され、国鉄の駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となる。
[編集] その他
- 以前は、スイッチバックをする際、運転士は運転席の移動をせずに上半身を運転席から外に乗り出して推進運転をしていたが、2006年3月18日のダイヤ改正以後、運転席を移動するようになった。前述のATS入れ忘れ事故は、運転士が運転席移動時にATSのスイッチを投入を失念したまま発進し、そのまま走行したものであった。
- 第2回近畿の駅百選に選定されている。