京阪2600系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京阪2600系電車(けいはん2600けいでんしゃ)は、1978年に登場した京阪電気鉄道の通勤形電車。
0番台と30番台があり、0番台は普通や区間急行を中心に運用されており、交野線直通列車のK特急「おりひめ」や準急「ひこぼし」にも使用される。また、30番台は特急・K特急を除く本線の列車に使用される。
目次 |
[編集] 概要
書類上では登場は「1978年」となっているが、元は「スーパーカー」の愛称で親しまれた2000系である。同系列では架線電圧の600Vから1,500Vへの昇圧に対応ができなかった。その代替として同系列から車体や台車を改修すると共に冷房化などが施されて登場したのが本系列である。
1978年(昭和53年)に2601(2601-2701-2801)編成が登場した。これを皮切りに1982年までに103両の全車を更新し、2600系として京阪の主力を担う事となった。これが0番台である。
また、昇圧後に8両編成の運用も決定した事から7両編成が不足する事が予想されたため、1981年から新たに7連4編成が新造された。これが30番台である。よって、計131両の大所帯となった。
現在は廃車も始まり、既に23両が廃車し、計108両となっているが、今でも大所帯を誇っている。本系列は2000系時代から今まで普通列車運用主体となっている。
最高時速は110km/h、起動加速度は2.5km/h/sである。
1ユニット2両又は4両とし、0番台については2連(実際の運用では最短4連)から8連まで編成を組む事が可能である。そのため編成が頻繁に変化しており、運転台が先頭に出て来たり中間に入ったりという様な編成替えの動きが頻繁にある。鴨東線開業前に出町柳駅から叡山電鉄線への直通運転が検討されていた時期もあった事から叡電の輸送需要に合わせて最短2連運用も可能な仕様になっているが、2006年現在に至るまで直通運転構想は実現しておらず、その仕様は活かされていない。
また、2200系と連結されている車両や冷風冷房方式の試作編成などの異端車が存在する他、製造時期の違いによる台車や窓配列の相違、運転台撤去の簡易作業済み車の端面が異なるなど、形態が多種多様化している。これには2000系のバリエーションが既にかなり変更を繰り返していたという経緯がある。それがそのまま本系列に受け継がれ、その上改良・改善を繰り返したために本系列には無数の派生バリエーションが存在する事となった。場合によっては4連で1両毎に台車が違っていたり、4両すべてにパンタグラフが取り付けられていたりと実に多様である。正に雑多とも呼べる状態である。
2003年9月の改正頃まで6両編成の車両が存在したが、4両又は5両に組み替えられて廃止された。
[編集] 分類
- 0番台…車体や台車は2000系からの流用品であり、その経年は2006年の時点で45年を経過しており、京阪の中でも最古参格の車両である。4両編成又は5両編成で運用されており、4両は通常宇治線と交野線で運用されており、本線は回送のみとなっている。また5両は交野線と区間急行に運用されている。内装は2200系と同様で、化粧板はすべて緑色となっており、一部の車両には転落防止外幌が設置されている。また、2006年7月頃から当分の間7両編成が組成されている車両が存在する(公式サイトの編成表にも掲載)。
- 30番台…0番台とほぼ同じ設計で新たに製造された。基本的に7両編成で運用されている。内装は0番台と大差ないが、ドアの内張りに補強バーがないのが特徴である。また、前照灯は当初からシールドビームであり、尾灯・標識灯も3000系と同じスタイルとなっている。以前は正面に貫通幌が装着されていた(0番台とは異なり3000系や5000系で採用された成田式リコ型と呼ばれるタイプ)が、現在は撤去されている。なお、0番台との併結運転も可能であり、保守検査などの際に混結編成も見られる。2003年までは正規の編成でも両番台が併結されているものが存在した。
[編集] 2600系の現状と将来
0番台は新造車の扱いとなっているが、その前身の2000系が登場から既に40年以上を経過しているため老朽化が進んでいる。バブル崩壊後の京阪の経営事情の厳しさから長らく2600系の置き換えが進まなかったが、2001年に1900系と同時に廃車が始まり、2002年には後継車10000系の登場により計23両が廃車されているが、依然として多数残存し、中之島線の開業も控えて必要車両数が増える事もあって、全面置き換えにはまだまだ時間が掛かるものと見られる。
30番台に関しては2006年現在で車齢が25年程度であり、京阪の車両の寿命が一般的に40~50年前後である事から、今後0番台とは別に更新工事を受ける可能性もあるが、今のところ会社側からの公式発表はない。
また、2003年のダイヤ改正時から交野線・私市駅と大阪方面・淀屋橋駅を結ぶ直通列車が設定されている。「おりひめ」という愛称を与えられたこのK特急は朝ラッシュ時に運行され、交野線内では各駅に停車する。この「おりひめ」にはイベント時などを除き本系列5連が充当されている。但し種別幕に「K特急」幕を持っていないため、黒地に赤文字の「特急」幕を表示し、「おりひめ」のヘッドマークを掲げる。
[編集] その他
2004年2月にスルッとKANSAIグッズの「Bトレインショーティー」として8000系と共に製品化されている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
京阪電気鉄道の車両 |
---|
現用車両 |
京阪線 特急車:8000系,3000系 通勤車:10000系,9000系,7200系,7000系,6000系,5000系,2600系,2400系,2200系,1900系,1000系(3代) 鋼索線1・2号(2代) 京津線・石山坂本線:800系(2代),700形(3代),600形(3代) |
過去の車両 |
京阪線:1形,16号(貴賓車),100形,200形,300形(初代、初代1000形),500形(初代、旧1500形),600形(初代、旧1550形),700形(初代、旧1580形),1000系(2代),250形,1300系,1700系,1800系(初代、元特急用),1810系(元特急用),1650形,2000系(スーパーカー),600系(2代),700系(2代),1800系(2代),1・2号(初代) 鋼索線:1・2号(初代) 京津線・石山坂本線:20形,30形,50形,60形(びわこ号),70形,80形,800形(初代),260形,300形(2代),350形,500形(2代) |
京阪特急(1950年運行開始)・K特急(2003年運行開始)歴代使用車両 |
---|
特急車 |
☆印=現在京阪特急・K特急で運用されている車両。 |
定期特急・K特急に恒常的に充当された車両のみを記載(代走・臨時は除く)。 |
カテゴリ: 鉄道関連のスタブ項目 | 鉄道車両 | 京阪電気鉄道