上島町
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上島町（かみじまちょう）は、愛媛県にある町。2004年10月1日に越智郡弓削町・生名村・岩城村・魚島村が合併して誕生。瀬戸内海に浮かぶ18の島々から成り、海上で広島県尾道市に接している。
目次 |
[編集] 地理
[編集] 位置
上島町は、瀬戸内海のほぼ中央、愛媛と広島の間に点在する芸予諸島の中でも、愛媛県側で最も東に位置している。広島県尾道市因島に近く、最も近い生名島の場合、その間はわずか300メートルであり、生活圏としては因島に属している。合併前の4つの町村のうち、魚島村の2つの島（有人島）はやや離れているが、その他の島々はより沿うように点在している。
[編集] 隣接している自治体
（全て海上により隣接）
[編集] 地形
小島からなり、突出して大きく人口も集積している島はない。
瀬戸内の他の多くの小島同様、平地は乏しく、少ない平地に人家や公共施設が密集している。農地も少ない。
[編集] 町名の由来
「かみじま」とは古くからの当地域一帯の名称である。
藩政期には、大三島及び今日の上島諸島のうち、生名島、岩城島は伊予国松山藩の領地であった。松山藩では三津が浜を境として、それより上の地域、岩城、生名を上島、下を下島と呼んだ。これに由来するとするのが一説である。ただ、大三島で上島と呼ばれることは今日ではない。
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- 上浦町教育委員会（編）『上浦のこみち』（第三版、2004年3月）ほかによる
[編集] 歴史
江戸時代には、松山藩と今治藩に分かれて統治されていた（温泉郡中島町等にもそうした例はみられる）。東西の瀬戸内航路の要衝であり、西国の諸大名の参勤交代路にもなり、商業や廻船業で大いににぎわった。
古くは、農業・水産業を主産業としてきたが、近くの因島（広島県）はじめとして造船業が盛んになると、造船所へと通勤する人が増えた。日立造船の造船所があり、この地域の造船業の中心地であった因島（現在は尾道市の一部）との結び付きを強め、ベッドタウン的な傾向を持っていた。しかしながら、石油危機とそれに続く造船・海運業の不況により、離職者が相次ぎ、地域経済に深刻なダメージを与えた。当時、「島が沈む」とまで表現されるほどであった。
そうしたなか、上島町を構成していた旧自治体はそれぞれの道を模索してきた。例えば、弓削町は上島諸島の中で最大の町であるが、上島架橋構想の一つである弓削大橋の建設など、交通条件の改善に、生名村では「スポーツ合宿村」を核とする基本構想を策定し、村民が一体となり観光・スポーツ立村実現に向け積極的に取り組んできた。また、旧岩城村においては、柑橘を中心とした農業、水産業、造船業等の産業振興、観光振興に力を入れてきた。魚島村では漁業振興のほか生活環境の整備に努めてきた。
ただ、過疎化高齢化は著しく、瀬戸内しまなみ海道からも外れており、今日では落ち着いた静かな島である。
[編集] 行政
- 町長：上村俊之（2004年から）
元旧弓削町議会議員の初代上島町である。選挙時に対立候補がおらず、無投票での当選となった。
[編集] 平成の合併
離島の集合体であるこの地域の場合、合併の相手方として、選択肢は
- 4町村の合併（今日の姿）
- 他の島しょ部を含む越智郡全体で今治市と大合併
- 越智郡島しょ部のみでの合併
といった選択肢が考えられたが、因島の生活圏に属するという共通項や大合併では規模が違いすぎて地域の個性が埋没するという懸念などから、結果的に離島4町村のみでの合併という全国的に見ても特殊な合併形態に落ち着いた。
合併協議過程では、離島ゆえ、その作業には特有の困難もあったが、庁舎の位置、新自治体の名称、議員定数の扱いなどについて、当初合併に対する関心そのものの低さから格別の対立意見は表面化しなかった。しかし現在では各方面から色々と各島において不公平が是正されていないなどの声が出ており、その緩和が急務となっている。
[編集] 主な行政機関
- 上島町役場総合庁舎
- 上島町役場生名総合支所
- 上島町役場岩城総合支所
- 上島町役場魚島総合支所
- 上島町消防署
- 弓削開発総合センター
- 生名開発総合センター
- 魚島開発総合センター
- リサイクルセンターいきな
- 岩城クリーンセンター
- 愛媛県立果樹試験場岩城分場
[編集] 経済
[編集] 産業
農林業、造船のほかにこれといった産業はない。
- 主な産業
- 農業 かんきつ類、岩城島は青いレモンの島としてアピールしている。
- 漁業 鯛など 魚島の周囲は鯛の好漁場として古くから知られている。弓削島は昔から海苔の養殖が盛んで、近年ではその一部の業者がそのノウハウを生かして定置網漁などにも進出している。
- 造船 岩城島に今治造船グループの岩城造船があるが、就業しているのは周辺他自治体である広島県尾道市の生口島、因島住民等が大半であり地元上島町民には敬遠されている。逆に上島町各島からは周辺因島等の造船所や造船関連工場等に通う人が多いという歪な状態となっている。
- 産業人口
[編集] 地域
[編集] 健康
- 平均年齢
[編集] 教育
- 小学校 5 ・・・ 弓削小学校、生名小学校、岩城小学校、高井神小学校、魚島小学校
- いずれも町立
- 中学校 同上
- 国立弓削商船高等専門学校
- 愛媛県立弓削高等学校
- 愛媛県立伯方高等学校岩城分校
- 弓削高校の通学補助
- 上島町教育委員会では、定員割れで存続が危ぶまれている、町内唯一の高校、愛媛県立弓削高等学校の生徒を確保し、地域活力を維持していくため、同校に通う生徒への通学費補助制度がある。島外から通学する生徒を対象にフェリーの定期代の半額を補助するほか、自転車購入費用として上限1万円（新入生に限る）を補助する。
- なお、近隣の島しょ部では定員割れから、愛媛県立大三島高等学校、愛媛県立大島高等学校がそれぞれ今治市内の県立高等学校の「分校」となっている。
[編集] 交通
- 離島のため、交通は海上交通に依存している。離島とはいえ、大きい島との距離は短く、また小さいとはいえシャトル運航されているフェリーもあり、これらが運航されている昼間に限れば極端な交通不便地ではないが、深夜早朝は完全な孤島と化す。（魚島を除く）
[編集] 道路
島内道路。
弓削島と佐島との間に県道事業で、弓削大橋が架かっている。将来的には、岩城島や生名島を経て、伯方島へと橋をつなげていく構想（上島架橋構想）がある。現時点では佐島-生名間の橋が着工されているものの、生名-岩城間は着工の目途も立っていない。瀬戸内しまなみ海道からもはずれ、広島県側の安芸灘架橋が着々と実現した（本町の所属する越智郡の関前村=合併し今治市の一部となる=の一番広島県側の島（岡村島）まで橋が架かっている）のに比べて、取り残された感を島民は抱いている。
[編集] 一般国道
- なし
[編集] 都道府県道
- なし
- 愛媛県道172号弓削島循環線
- 愛媛県道173号横浜生名港線
- 愛媛県道174号岩城環状線
- 愛媛県道338号岩城弓削線
[編集] 船舶
魚島を除き各島の港から、土生港（因島）、今治港などへの航路がある。
メイン航路は、今治～岩城～佐島～弓削の快速船航路（芸予観光フェリー、大島、伯方島へも寄航あり。フェリーもあるが４往復しかなく伯方島止まり）。このほか、生名島から因島への航路は二つの港から発着しておりメインの立石港からは町営フェリーが渡し舟感覚で土生との間を結んでいる。また、岩城島の北側・小漕港から対岸の生口島へのフェリー（三光汽船）があり、その朝夕一部の便は因島の金山まで乗り入れている。他に弓削島の上弓削地区からは因島の家老渡へ日中30分間隔でフェリー（家老渡フェリー汽船）が運航している。
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
※それぞれの島のページを参照のこと。 弓削島、佐島、岩城島、赤穂根島、津波島、生名島、魚島
[編集] 出身有名人
[編集] その他
- 市外局番 : 0897（町内全域）
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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