パロマ (企業)
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 愛知県名古屋市瑞穂区桃園町6-23 |
設立 | 創業1911年 |
業種 | 金属製品 |
事業内容 | ガス器具・エアーコンディショナーの製造・販売 |
代表者 | 代表取締役社長 小林弘明 |
資本金 | 単体8637万円、グループ全体775億円(2005年) |
売上高 | 連結2413億円(2005年度) |
主要子会社 | パロマ工業株式会社(製造部門) Rheem Manufacturing Company(アメリカ) |
関係する人物 | 小林由三郎(創業者) |
外部リンク | http://www.paloma.co.jp/ |
株式会社パロマ(Paloma, Ltd.)は主にガスコンロ、湯沸器、ガス暖房装置などを製造する金属製品メーカー。本社は名古屋市瑞穂区で、正式名称はパロマコンソリデーテッド(Paloma-Consolidated)という。
目次 |
[編集] 企業概要
- 1911年2月に名古屋市にて設立された小林瓦斯電気器具製作所(後に株式會社小林製作所と改称)を母体とする。当初はガス器具の生産を中心にしていたが、戦後はストーブ・レンジといった民生品にも製品を拡大、1952年に「パロマ」という商標を採用し全国展開した。1964年に製造部門のパロマ工業株式会社、販売部門の株式会社パロマを分離独立させている。水を使わないでグリルが使える「こんがり亭」など独創的な商品がある。ガラストップコンロもある。
- なお、パロマ(Paloma)はスペイン語で鳩という意味であり、平和の象徴としても知られ、平和な豊かな暮らしを願った社名でもある。
- リンナイ、ハーマンと共に大手の一角であり、ガス給湯器の国内シェアは、リンナイの4割に次ぎ2割を占める。また、1973年に北米に進出し、1988年には、全米第1位の給湯器メーカー・リーム社を買収した。現在、全米シェアは5割、セグメント別連結売上の8割は海外で占め、世界的なガス給湯器メーカーである。
[編集] 国内グループ企業
以下の会社はすべて登記上本店を愛知県名古屋市瑞穂区桃園町6-23に置いている。
- 株式会社パロマ(親会社)
[編集] パロマの完全子会社
- パロマ工業株式会社
- 株式会社小林製作所
- パロマ近畿テック株式会社
- 株式会社パロマ工業直方工場
[編集] パロマ工業の完全子会社
- 株式会社パロマ工業北海道工場
- 大江興産株式会社
- パロマ精機株式会社
[編集] その他
- 株式会社大江製作所(資本構成は不明)
- 株式会社パロマ工業恵那工場(大江製作所の完全子会社)
[編集] 製造・販売器具
- テーブルコンロ
- ビルトインコンロ
- ガスオーブン
- ガス高速オーブン
- コンビネーションレンジ
- コンベックオーブン
- ガス炊飯器(炊飯専用・ジャー付・ジャータイマー付)
- ガス小型瞬間湯沸器(元止式・先止式)
- 給湯単機能型給湯器
- 追焚付給湯器(ふろ給湯器)
- 給湯暖房機
- TES機器(温水式床暖房・温水式浴室暖房乾燥機)
- ガス暖房機器(ガスストーブ・ガスファンヒーター)
- 業務用調理機器 :マクドナルドなどで使用されている
[編集] 企業風土
- 現在も株式の過半数を創業家である小林一族が保有する典型的な非上場・同族経営企業である。
- ガス給湯器製造というマイナー分野で、非上場かつ地方に本社を置く企業のためか、これまでマスコミの注目を集めたことは無く、帝国データバンク・日本経済新聞がそれぞれ発行する企業年鑑には、会社概要の記載は無い。唯一、東洋経済新報社が発行するものに、他社比1/3程度の情報が記載されるのみであり、パロマ自身もディスクロージャーには消極的であった。
- また、同じ名古屋に本社を置く同業他社リンナイと異なり、経済団体等の財界活動や愛知万博等の地域活動には、積極的ではなかった。
- しかし、後述するパロマ湯沸器死亡事故をきっかけに、否応無く世間の関心を集めることになり、その企業風土に関する、様々な情報が飛び交うことになった。
- 元役職員ら複数の関係者からは、「パロマの体質は、未上場で株主のチェックがなく、親子4代続くワンマン経営なため、会社法で決められた取締役会もまともに開かれず、社員らが異議を唱えるとクビを切る。誰も逆らうことができない恐怖政治で、年間に社員が1割減った年もある。また、収益の7割を訴訟社会の米国で稼ぐため誤りを認めない。こういった同族経営体質がパロマ湯沸器死亡事故が起きた原因ともいえる。」との発言が週刊誌等によって出されている。発言の信憑性はさておき、非上場・同族企業にありがちな独裁的なコーポレートガバナンスの問題が、一連の事故の遠因であるとの意見は根強い。
- 日刊ゲンダイ2006年8月1日号
- 日刊ゲンダイ2006年8月2日号
[編集] パロマ湯沸器死亡事故
[編集] 事故の概要
- パロマ工業が1980年4月から1989年7月にかけ製造した屋内設置型のFE式瞬間湯沸器について、同排気ファンの動作不良を原因とする一酸化炭素中毒事故が、1985年1月より20年間で全国で27件(死亡20人・重軽症19人※2006年7月18日現在)発生した。
- 一連の事故について、パロマは当初、事故をごく一部しか把握していないとしたが、実際には全ての事故は発生直後より本社担当部門が把握し、遅くとも1992年には当時パロマ社長であった小林敏宏パロマ会長(小林弘明パロマ現社長の実父で、パロマ工業現社長)も報告を受けていた。その後、社内やサービス業者向けに注意を呼びかける措置をとったものの、消費者に対する告知は一切なされなかった。また、事故情報は発生都度、パロマより当時の通商産業省に口頭で報告されていたが、同省も一連の事故を関連付ける認識をせず、必要な行政処置や消費者に対する告知を行うことはなかった。
- さらに、自社及び同製品に責任は無いとする姿勢を見せていたが、直後に、系列サービス業者による不正改造や製品自体の安全装置劣化を原因とする事故が相次ぎ判明、また後日、経済産業省から「欠陥商品」と言われる。
- 程なく一転して、パロマは謝罪に追い込まれ、小林会長は辞任を表明した。松下電器産業のFF式石油温風機の欠陥問題における対応と比べると、パロマの対応はあまりにも稚拙であり、消費者軽視という点では森永ヒ素ミルク事件や社長発言が問題となった雪印集団食中毒事件や2004年発覚の三菱ふそう第2次リコール隠蔽事件などに近いともいえる。(少なくとも、不祥事発生時に、経営他への影響を最小限にすべき危機管理という点でも劣っている。)
- 事故の影響で、2006年7月現在パロマは国内生産を3割減産。また、最終的に「国内販売が(事故前の)3-4割残れば良い方」(小林敏宏会長)として、従業員の人員削減を予定している。元々、売上の8割を海外で稼ぐために、国内販売にはそれほど熱心でないとの指摘もあり、一族経営の体質もこうした風土も事故に繋がった遠因とも言える。
[編集] 該当製品
屋内用のFE式瞬間湯沸かし器
- PH-81F
- PH-82F
- PH-101F
- PH-102F
- PH-131F
- PH-132F
- PH-161F
[編集] 事故の経緯
- 1985年~2005年にかけ、当社製瞬間湯沸器を原因とする一酸化炭素中毒事故が相次いで発生。
- 1985年1月 -北海道札幌市で2人死亡
- 1987年1月 -北海道苫小牧市で2人死亡
- 1989年4月 -北海道北見市で1人死亡
- 1990年12月-北海道帯広市で2人死亡
- 1991年9月 -長野県軽井沢町で1人死亡
- 1992年1月 -奈良県王寺町で2人死亡
- 1992年4月 -北海道札幌市で2人死亡
- 1992年12月-福岡県福岡市で1人死亡
- 1994年2月 -秋田県秋田市で2人死亡
- 1996年3月 -東京都港区で1人死亡
- 1997年8月 -大阪府大阪市で1人死亡
- 2001年1月 -東京都新宿区で2人死亡
- 2005年11月 -東京都港区で1人死亡
-
- ※死亡事故のみ記載。
- 2006年2月- 1996年に東京都港区で発生した一酸化炭素中毒死亡事故に関して、死亡原因に納得できない遺族は、警察に対し再捜査を要望。
- 同年3月- 東京都港区の事故に関して、遺族の要望に答える形で警視庁捜査一課が再捜査を実施し、死亡原因が当社製瞬間湯沸器の不具合による疑いが判明。
- 同年7月11日- 捜査結果が警視庁より、監督官庁である経済産業省に報告。
- 同年7月14日- 経済産業省が、パロマ工業製屋内設置型瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故について報道発表(事故件数17件・死亡者15人)。
- 同年7月14日- 小林弘明パロマ社長が記者会見。席上、一連の事故原因は、器具の延命等を目的に安全装置を解除したサービス業者による不正改造が原因として、「製品にはまったく問題ないという認識です」「(不正改造に)非常に憤りを感じる」と発言、犠牲者に対して「心からお悔やみを申し上げる」としたものの、一切、謝罪表明をしなかった。
- 同年7月18日- パロマが再び記者会見。経済産業省の調査とは別に、10件の事故が判明し事故件数27件・死亡者20人に。さらに、事故原因の一部が安全装置の劣化であることや、1992年当時、社長だった小林敏宏会長へ一連の事故報告がなされていたことを明らかにし、小林会長は辞任表明。また小林社長は、「経営者としての認識の甘さや社会的責任に関して、本当に申し訳なく思う。深くおわびしたい」と謝罪表明。
- 同年7月31日- 小林敏宏会長と弘明社長は経済産業省に調査報告書を提出した。その後7月31日の会見でも「事故の原因は製品の欠陥ではない。不正改造を指導、容認した事実はなく関与した社員もいない」と主張している。
- 同年8月7日- 7月31日に提出した調査報告書が経済産業省より内容が不十分として、再度報告を求められる。結果、「(一連の事故対策が)不十分だったと反省している」と見解を修正。
- 同年8月26日- 経済産業省は消費生活製品安全法に基づき、パロマの問題機種を回収命令を早ければ同年8月28日にも出す方針
- 同年8月28日- 経済産業省は消費生活製品安全法に基づき、パロマの問題機種を回収命令を発動
[編集] スポンサー提供番組
[編集] 現在
- 2006年7月の時点では、日本テレビの『ドラマ・コンプレックス』、TBSの『月曜ゴールデン』、テレビ朝日の『愛のエプロン』、『土曜ワイド劇場』のスポンサーを担当しているが、湯沸器死亡事故を受けて、番組内CMを同年7月15日以降、公共広告機構創立35周年CM(30秒バージョン)に差し替えた。その後、7月24日の『月曜ゴールデン』枠以降は「お詫びとお願い」のCM(30秒バージョン)に切り替えている。但し、60秒枠で提供していた番組では公共広告機構のCM(30秒バージョン)とのセットで放送されている。
- これ以外では、東海テレビと中京テレビのローカルCM枠と、テレビ東京系でのスポットCMがあったものの、いずれも事故の影響で「お詫びとお願い」のCMに差し替えている。
- その後「土曜ワイド劇場」枠分は9月30日分で降板した。
[編集] 過去
[編集] 外部リンク
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