チャールストン (ウェストバージニア州)
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チャールストン(Charleston)は、アメリカ合衆国ウェストバージニア州の州都。同州の最大都市である。同市はアパラチア山脈の西縁、カナワ川とエルク川の合流点に位置する(カナワ川はオハイオ川に合流する)。人口は2000年の国勢調査で53,421人。初めは製塩業(岩塩)や天然ガスが市の産業を支えていた。のちに石炭が見つかり、市および周辺の主要産業となった。市の歴史は古く、1788年に創設、1794年に正式な町となった。
また、チャールストン市はNFLのスーパースター、ランディ・モスの出身地としても知られる。ヒューストン生まれの女優ジェニファー・ガーナーはチャールストン育ちである。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 開拓時代
チャールストンの歴史は古く、200年前にさかのぼることができる。1774年にカナワ川とエルク川の合流点付近の土地1,250エーカーがブリット家に譲渡され、1786年にジョージ・クレンドニン大佐に転売。1788年にクレンドニン大佐がバージニア・レンジャーズ開拓者集団を率いてこの地にリー砦を建設し、この地を大佐の父の名である「チャールズ」にちなんで「チャールズ・タウン」と名付けた。チャールズ・タウンは2つあったため、混同しないよう、こちらは後に「チャールストン」と短縮された(もう1つのチャールズ・タウンは現在もその名のままで州内に残っている)。1794年にチャールストンは正式に町となった。40エーカーの土地に7軒の家が立ち、人口は35人であった。
[編集] 初期の産業
1800年代初頭、カナワ川の河岸で岩塩が発見され、1806年に採掘が開始された。製塩業は周辺一帯に経済成長をもたらした。1808年までには1日1,250トンの塩が生産されるようになった。チャールストンに隣接するカナワ・サリーンズ(現マルデン)は世界一の製塩地帯となった。1818年には、カナワ製塩会社が営業を開始した。
1815年、現在ウェストバージニア州会議事堂がある位置の近くでジェームス・ウィルソン大尉が岩塩の掘削中に天然ガスを発掘した。1817年には石炭が見つかり、製塩業を支える燃料として使われるようになっていった。
[編集] ウェストバージニアの州昇格
1861年の南北戦争開戦まで町は成長を続けた。バージニア州が連邦から脱退し、チャールストンは連邦側と南部連合側に分かれた。1862年9月13日にチャールストンの戦いが勃発。南軍が勝利を収めたが、その占領は長くは続かず、わずか6週間で北軍が戻り、終戦までチャールストンを占領した。終戦までには、カナワ川の製塩業は事実上無くなってしまっていた。
バージニア州は連邦から脱退して南部連合側であったにもかかわらず、連邦側がチャールストン、および州西部を占領していたため、州分割の機運が高まった。1863年6月20日に大統領エイブラハム・リンカーンはバージニア州北西部を連邦に戻すと宣言、連邦35番目の州としてウェストバージニア州が誕生した。
[編集] 市が州都に決定
州はできたものの、州都はなかなか決まらなかった。しばらくの間は、州都はチャールストンとホイーリングとの間を絶えず行き来した。州都を決めるため、1877年に州民による最終投票が行われた。1885年についにチャールストンが州都に選ばれ、州会議事堂が建立された。
1921年の火事の後突貫工事で建て直された庁舎は1927年に再び焼失した。しかし、1921年の州法で設置された州庁舎建設委員会により、現在の庁舎を建てることが認められた。建築家カス・ギルバートがデザイン、1000万米ドルの巨費を投じた新しい庁舎は、1932年6月20日についに開かれた。
[編集] 20世紀前半
チャールストンはウェストバージニア州の州都となった。天然ガスや石炭といった豊富な天然資源と鉄道の延伸により、市は化学工業・ガラス・木材・鉄鋼業などの工業都市として発展を遂げた。ダウンタウンは建設ラッシュになった。現在においても、当時立てられた教会やオフィスビルのいくつかはダウンタウンの中心に建っている。
[編集] 20世紀中盤
第二次世界大戦中、全米最大の合成ゴム会社がチャールストン近郊で操業を開始し、軍需産業においてもチャールストンは重要な市になった。1947年にはカナワ空港(現イェーガー空港)が開港。この360エーカーの空港を建設するにあたって山を3座切り開き、900万立方ヤードの土を動かすなど、当時としては技術の粋を集めた建設であった。1960年代に入ると州間高速道路が建設され、チャールストンは3本の州間高速道路が交わる要所となった(後述)。
[編集] 1980・90年代
1980年代に入ると、市の再開発が始まった。1983年に開店した3階建てのチャールストン・タウン・センター・モールはその1つで、ミシシッピ川以東では最大の市街地型ショッピングセンターである。1990年代には新しい連邦ビルやリバーフロント・パーク、キャピトル・マーケットなどが建設され、ダウンタウンの再成長を促した。また、チャールストンは州でも一級の医療施設を揃える都市としても知られている。
[編集] 地理
チャールストンは北緯38度20分58秒西経81度37分60秒(38.349497, -81.633294)1に位置し、日本の仙台市(宮城県)や山形市(山形県)とほぼ同緯度である。
アメリカ合衆国統計局によると、チャールストン市は総面積84.7 km² (32.7 mi²) である。このうち81.8 km² (31.6 mi²) が陸地で2.8 km² (1.1 mi²) が水地域である。総面積の3.36%が水地域となっている。
[編集] 交通
市の玄関口となっているのはイェーガー空港である。
チャールストンのダウンタウンではI-64・I-77・I-79の3本の州間高速道路が交差する。I-64は西へはセントルイスやルイビルに、東へはアパラチア山脈を越えてバージニア州に入り、リッチモンドやノーフォークに通じている。I-77は南北に走る州間高速道路で、クリーブランドを起点とし、シャーロットやサウスカロライナ州の州都コロンビアへと通ずる。I-79はチャールストンを起点としてウェストバージニア州を縦貫し、ペンシルバニア州に入り、ピッツバーグを通ってエリー湖岸でI-90と合流する。これらの州間高速道路によって、チャールストンは山間部であるにもかかわらず中西部・東部・南部のいずれへも至便な交通事情を享受している。全米の人口の60%はチャールストンから車で24時間以内の範囲内に収まっている。
アムトラックの駅があり、ニューヨークとシカゴをシンシナティ経由で結ぶカーディナル号がチャールストンに停車する。
グレイハウンドのバスターミナルはダウンタウンにあり、オハイオ州を縦断してコロンバスを経由し、デトロイトに至るバス路線の起点になっている。また、シャーロットやクリーブランドへもバスの便がある。
[編集] 人口動静
チャールストン市 年代ごとの人口 [1] |
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1850年 | 1,050人 |
1860年 | 1,520人 |
1870年 | 3,162人 |
1880年 | 4,192人 |
1890年 | 6,742人 |
1900年 | 11,099人 |
1910年 | 22,996人 |
1920年 | 39,608人 |
1930年 | 60,408人 |
1940年 | 67,914人 |
1950年 | 73,501人 |
1960年 | 85,796人 |
1970年 | 71,505人 |
1980年 | 63,968人 |
1990年 | 57,287人 |
2000年 | 53,421人 |
2000年現在の国勢調査で、チャールストン市は人口53,421人、世帯数24,505、13,624家族が暮らしている。人口密度は652.7人/km² (1,690.4人/mi²) である。331.5軒/km² (858.5軒/mi²) の密度で27,131軒の住宅が建っている。
同市の人口構成を人種別に見ると白人80.63%、アフリカン・アメリカン15.07%、ネイティブ・アメリカン0.24%、アジア人1.83%、太平洋諸島系0.03%、その他の人種0.30%、及び混血1.91%である。人口の0.81%はヒスパニックまたはラテン系である。
同市の24,505世帯のうち、18歳未満の子供がいる世帯は23.7%、結婚・同居している世帯は38.9%、未婚・離婚女性が世帯主である世帯は13.5%、非家族世帯は44.4%である。単身世帯は38.9%、65歳以上の老人1人暮らしの世帯は14.5%である。世帯の平均構成人数は2.11人、家族の平均構成人数は2.82人である。
同市の人口構成を年齢別に見ると18歳未満20.7%、18-24歳8.4%、25-44歳27.9%、45-64歳25.3%、65歳以上17.6%となっている。年齢の中央値は41歳である。性比は女性100人あたり男性87.3人である。18歳以上では女性100人あたり男性は83.7人である。
同市の世帯の収入の中央値は34,009米ドルであり、家族の収入の中央値は47,975米ドルである。収入の中央値を性別で見ると男性38,257米ドルに対して女性は26,671米ドルである。同市の1人当たり収入 (per capita income) は26,017米ドルである。人口の16.7%及び家族の12.7% は貧困線以下である。18歳未満の24.5%及び65歳以上の11.3%は貧困線以下の生活を送っている。
[編集] 教育
チャールストンはウェストバージニア大学の医学部・歯学部の附属病院を抱えている。学生は本部キャンパスのあるモーガンタウンで授業を受けるが、実習はモーガンタウンかチャールストンのいずれかで行うことになる。また、市内には小規模な私立大学であるチャールストン大学もキャンパスを構える。また近郊にはウェストバージニア州立大学、マーシャル大学の大学院もある。
市は3つの高校を抱えている。
- キャピタル高校 - イェーガー空港近くの公立高校。
- ジョージ・ワシントン高校 - サウス・ヒルズ地区の公立高校。ジェニファー・ガーナーは同校の卒業生である。
- チャールストン・カトリック高校 - ダウンタウン東端のカトリック系私立高校。
[編集] 外部リンク
- City of Charleston, WV(英語版)
- Charleston Convention and Visitors Bureau(英語版)
- The Charleston Gazette(英語版)
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