しおさい (列車)
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しおさいとは、東日本旅客鉄道が新宿駅・東京駅~佐倉駅・成東駅・銚子駅間を中央本線・総武本線経由で運行している特別急行列車。
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[編集] 運行概要
[編集] 使用車両
- 255系・・・5往復。グリーン車もあり。
- E257系500番台・・・3往復。「あやめ」と併結する列車もあり。
[編集] 運転本数
- 東京駅~銚子駅 下り7本(1~13号)・上り5本(6~14号) ※5・10号は成東駅~銚子駅間普通列車
- 銚子駅→新宿駅 上り1本(16号)
- 佐倉駅→東京駅 上り1本(4号) ※土曜・休日は運休
- 東京駅~成東駅 1往復(15号・2号) ※15号は佐倉駅まで「あやめ5号」を併結
なお、成東駅止まりの15号が併結する「あやめ5号」は、成田線経由の銚子駅行である。
[編集] 停車駅
- 東京駅 <新宿駅 - 秋葉原駅> - 錦糸町駅 -「船橋駅」 -「津田沼駅」-千葉駅 -(四街道駅)- 佐倉駅 - 八街駅 - 成東駅 - 横芝駅 - 八日市場駅 - 旭駅 - 《飯岡駅》 - 銚子駅
- <>内の駅は上り1本(16号)のみ運行。
- ()内の四街道駅は朝夕の成東・佐倉駅発着列車のみ停車。
- 《》内の飯岡駅は下りの1・9号と上りの14号は通過。
- 「」内は不定期で船橋・津田沼に停車する列車が1往復程度設定される場合がある。定期列車はこの2駅には停車しない。
[編集] 総武本線優等列車沿革
(成田線方面はあやめ (列車)・成田エクスプレス、房総線方面はさざなみ (列車)・わかしお (列車)を参照)
元々、総武本線の輸送は都市間連絡の役割が中心であり、観光輸送は房総線(内房線・外房線)方面へ戦前から力が入れられていた。そんな中で、千葉地区初の有料優等列車が総武本線に設定されたのは、同線が千葉地区唯一の「本線」であって同地区の路線を束ねる位置付けにあった事(こちらも参照)や、同地区に優等列車を設定するだけの需要があるかどうか試す目的があったからだとされる。
- 1894年(明治27年)7月20日 現在の総武本線にあたる中では初の区間となる市川駅~佐倉駅間開業。
- 1904年(明治37年)4月5日 両国橋駅(現在の両国駅)~銚子駅間全通。
- 1958年(昭和33年)7月10日 両国駅~銚子駅間に初の優等列車として準急列車「犬吠」を設定。車両は普通列車に使われているのと同じキハ25形を使用。
- 1958年(昭和33年)11月10日 両国駅~千葉駅間に於いて房総東線(現・外房線)経由安房鴨川駅行の車両と房総西線(現・内房線)経由館山駅行の車両を併結した3階建て列車となり、愛称を「房総」に改める。但し、誤乗を防ぐ観点から銚子駅方面の列車には「房総(犬吠)」の様に列車名の跡に括弧書きが入っていた。
- 1959年(昭和34年)7月1日 房総各線の優等列車を3往復に増発し、2往復が「房総」、1往復は「京葉」と名乗る。千葉駅までの併結運転はどれも変わらなかったため、「房総」と同じく「京葉(犬吠)」の様な括弧書きがなされた。
- 1960年(昭和35年)11月 「京葉」を1往復増発。しかし増発分に関しては併結運転を行うにも関わらずすべての方面へ向かう列車が、下りは「京葉1号」、上りは「京葉2号」と名乗った。
- 1961年(昭和36年)10月1日 「京葉」の括弧付け愛称を2往復共廃止し、発車順にすべての方面へ向かう列車が「京葉1号」「京葉2号」となる(上下それぞれに「京葉1号」が存在)。また「房総」から総武本線方面へ向かう列車を分離し、新宿駅・両国駅~銚子駅・佐原駅間(佐倉駅まで併結)間に準急「総武」新設。成田線初の優等列車でもあった。
- 1962年(昭和37年)10月1日 愛称の整理を行い、成東駅経由の総武本線準急はすべて「犬吠」とし、「犬吠」は4往復の体制となる。なお、成田線方面の準急「水郷」との併結は継続。
- 1966年(昭和41年)3月5日 走行距離が100kmを越す準急列車をすべて急行に格上げしたため、「犬吠」は急行列車に昇格。
- 1970年(昭和45年)10月1日 「犬吠」は7往復体制となり、車両もキハ58系に揃えられる。
- 1972年(昭和47年)7月15日 総武本線が東京駅への乗り入れを果たす(総武快速線の項目参照)が、「犬吠」は気動車という事もあって新宿駅・両国駅発着を継続。
- 1975年(昭和50年)3月10日 総武本線の直流電化完成(1974年10月26日)に伴い、エル特急「しおさい」5往復を東京駅~銚子駅間で「犬吠」格上げの形により運行開始。車両は183系であったが、速度が急行「犬吠」よりさして向上した訳でないのに料金値上げの形になった事から、当初評判はあまり良くなかった。また、残った「犬吠」2往復も153系・165系に置き換えられる。
- 1982年(昭和57年)11月15日 急行「犬吠」廃止。千葉鉄道管理局管轄各線から急行列車消滅。代替として「しおさい」を増発。「しおさい」の新宿駅発着列車を設定。
- 1998年(平成10年)12月8日 成東駅~銚子駅間を普通列車に格下げする列車を設定。
- 2002年(平成14年)12月1日 通勤時間帯に「おはようしおさい」「ホームタウンしおさい」を設定。またJR東日本はこの改正でエル特急の呼称をすべて廃止、「しおさい」も対象に。
- 2004年(平成16年)10月16日 「おはようしおさい」「ホームタウンしおさい」の名称を廃止し、「しおさい」に統合。
- 2005年(平成17年)12月10日 すべての「しおさい」を255系"Boso View Express"とE257系500番台に変更(255系5往復・E257系3往復)。全車禁煙化。午前中の東京行2本を統合し、上り1本を削減。
[編集] 最近の出来事
- 2006年12月13日の「しおさい13号」と翌14日の「しおさい6号」は、従来255系で運転しているが、車両故障があったため、両日は183系C2編成で代走した。なお、愛称表示幕には「しおさい」ではなく「特急」が使用された。183系による「しおさい」の運転は1年ぶりだった。
[編集] 列車名の由来
(五十音順)
- 「犬吠」(いぬぼう) 千葉県銚子市の「犬吠埼」に因む。
- 「おはようしおさい」 朝の通勤時間帯を走る「しおさい」であるから。
- 「京葉」(けいよう) 東京都と千葉県各地を結ぶ列車であるから。
- 「しおさい」 潮が満ちる時の波の音を表す「潮騒」から。
- 「総武」(そうぶ) 武蔵国と下総国を結ぶ事から。
- 「房総」(ぼうそう) 房総半島各地へ向かう事から。
- 「ホームタウンしおさい」 夕方の帰宅時間帯を走る「しおさい」であるから。
[編集] 関連項目
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