GUNDAM EVOLVE
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GUNDAM EVOLVE(ガンダムイボルヴ)は、主に2001年-2003年にかけてガンダムシリーズをモチーフに制作・発売された、一連の短編OVA作品の総称。
個々の作品は大きく分けて、当初から作品自体の販売を想定して制作した作品と、ガンダムのプラモデル(いわゆる“ガンプラ”)のプロモーションを主眼として制作された作品の2種類に区分される(詳細は“シリーズ作品解説”の項の個々の記述を参照)。
現在は第二期『GUNDAM EVOLVE../』(-ダブルドットスラッシュ)へ発展的に移行し、不定期に制作・公開中。2006年10月27日には既存の数作品(EV../6~8、EV../10)に加えて完全新作である「EV../9」を収録したOVA『GUNDAM EVOLVE../Ω』(-ダブルドットスラッシュ オメガ)が発売され、2007年01月26日には「EV../11~14」と完全新作の「EV../15」を収録したOVA『GUNDAM EVOLVE../Α』(-ダブルドットスラッシュ アルファ)が発売される。
目次 |
[編集] 概要
本作品は様々な理由で2Dアニメーションとして制作される事が多いガンダムシリーズを「新たな映像表現」で描く事を主旨としており、既存のガンダムシリーズの様々な1シチュエーションを、その時々の最新映像技術を用いて描いている。殆どの作品群が3DCGで制作されているのはこの主旨に沿った結果だが、“まず3DCGありき”で制作されている訳ではない。
本作品制作後、その映像表現はガンダムシリーズ等、様々なサンライズ作品にフィードバックされた。主な影響下にある作品としては同スタジオ製作のSDガンダムフォース、今西隆志監督の『機動戦士ガンダム MS IGLOO』、富野由悠季監督の『リーンの翼』など。
また、劇場版『機動戦士Ζガンダム』のコロニーなどのCD映像には本作品のスタッフを経験したクリエイターが関わっている。
本作の1~5と6以降は基本となるコンセプト(ガンダムシリーズにおける新たな映像表現を模索する)こそ同じではあるが、別のものであるともいえる。6以降は比較的上記のように、質の高いクリエイターを輩出するという意味合いも込められているという。
[編集] シリーズ作品解説
[編集] GUNDAM EVOLVE
- GUNDAM EVOLVE 1 RX-78-2 GUNDAM
- 『機動戦士ガンダム(1st)』より。一年戦争最終決戦地・ア・バオア・クーへ出撃する直前のアムロ・レイが過去を回想する。
- 回想シーンはTV版の映像を使っており、最後のハイパーバズーカを持ってホワイトベースから出撃しているシーンのみ新規に描く。
- 現状ではシリーズ唯一の非3D作品である。
- GUNDAM EVOLVE 2 RX-178 GUNDAM Mk-II
- 『機動戦士Ζガンダム』より。ガンダムMk-IIとリック・ディアスによる宇宙空間での演習をメインに描く。
- ガンダムMk-IIのムーバブルフレーム の設定画はTV版ではなくPG(パーフェクトグレード)の設定画をベースにされている。またAMBAC(MSの四肢動作による姿勢制御)の描写が試みられている。
- 本作より以後の数作品は特定品種のガンプラへ“付録”として同梱された。本作はPGガンダムMk-II(白)に同梱。(現在販売されている製品には未同梱。以降も同様)
- GUNDAM EVOLVE 3 GF13-017 JII GOD GUNDAM
- 『機動武闘伝Gガンダム』より。ゴッドガンダムの演舞後ライジングガンダムとの格闘シーンを描く。
- 作中のMFの動きは原作『Gガンダム』の設定に基づき、実際に人の演舞をトレース(本作ではトロスコーピングと呼称)したデータが用いられている。
- MG(マスターグレード)プラモデル購入者への特典として「EVOLVE 1」と同時収録された映像ソフトが製作・配布された。
- GUNDAM EVOLVE 4 RX-78 GP03 DENDROBIUM
- 『機動戦士ガンダム0083』より。シーマ艦隊に襲撃されたラビアンローズの防衛戦をメインに、原作でコウ・ウラキ が搭乗する以前のガンダム試作3号機(デンドロビウム)の活躍を描く。
- 本作のステイメンはコアブロックシステムを有するPスペックである。
- 本作に登場するデンドロビウムは原作のメカニックデザイナー・カトキハジメによって新たにリファインされている。
- HGUC製品・ガンダム試作3号機デンドロビウムに同梱されていた。
- GUNDAM EVOLVE 5 RX-93 ν GUNDAM
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』より。νガンダムとα・アジールとの戦闘を描いた作品。それまでの3DCG作品と違いCGとセル画を合わせる手法で描かれた。(別作品で言うとゾイド -ZOIDS-やマクロス ゼロのようなイメージ)
- 本作は数多く製作された本シリーズ中において、唯一ガンダムの生みの親である富野由悠季がストーリーを書き下ろした“特別版”と言うべき作品である。“映画版にのっとる必要はない”とのコンセプトで作られた本作からは後年製作された『劇場版Ζガンダム』の萌芽を感じ取る事も出来る。
- 本作品はそれまでの作品と合わせた映像ソフト作品(DVD)としてコンビニエンスストア・ローソンにて『GUNDAM EVOLVE +』というタイトルで限定予約販売された(収録時間は約30分)。しかし購入できなかったdファンから要望が多かった事などから、2007年5月25日に音源を一部変更(5.1ch仕様に変更)した上で一般発売される事が決定した。
[編集] GUNDAM EVOLVE ../
バンダイホビー事業部の商品のプロモーションとしての側面のある『EVOLVE../』としては、後にDVDソフトで新規に製作されたタイトル以外には、その時々の重点商品がEVOLVE../のテーマとなっている。
- EVOLVE../6 YMF-X000A DREADNAUGHT GUNDAM
- 『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』より。ドレッドノートガンダムが謎のガンダムと交戦する。
- EVOLVE../7 XXXG-00W0 WING GUNDAM ZERO
- 『新機動戦記ガンダムW』より。ウイングガンダムゼロのパイロット、ヒイロ・ユイの新たなる任務を描く。
- EVOLVE../8 GAT-X105 STRIKE GUNDAM
- 『機動戦士ガンダムSEED』より。砂漠のザフト基地に現れたストライクガンダムの大立ち回り。
1/60PGストライクガンダムのプロモーションも兼ねていた。
- EVOLVE../9 MSZ-006 Z-GUNDAM
- EVOLVE../10 MSZ-010 ΖΖ-GUNDAM
- 『機動戦士ガンダムΖΖ』より。テレビシリーズ後、木星に旅立ったジュドー・アーシタが遭遇した事件を描く。
- EVOLVE../11 RB-79 BALL
- 『機動戦士ガンダム(1st)』より。ア・バオア・クーで一戦士が遭遇した、戦争の残酷な真実とは・・・
1/100MGボールVer.Kaのプロモーションも兼ねていた。
- EVOLVE../12 RMS-099 RICK-DIAS
- 『機動戦士Ζガンダム』より。クワトロ・バジーナが、かつての自分“赤い彗星”と対峙する事に・・・
- EVOLVE../13 RX-178 GUNDAM Mk-II
- 『機動戦士Ζガンダム』より。エゥーゴのジャブロー降下作戦を阻止する為に出撃したティターンズのMSパイロットの心中を描く。
- EVOLVE../14 武者頑駄無
- SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編に登場する烈火武者頑駄無の設定を大幅に変え、一式まさとによるある程度のリデザインを加えたうえで登場させたもの。武者頑駄無が旅先で出会った少年達と交流を深めることから始まるストーリー。その後に休憩していた茶屋において魔殺駆の軍団が現れ、そこから刀と巻物を巡る争いが始まる。映像を制作した鈴木健一が以前関わった「SDガンダムフォース」の教訓が数多く見られる作品。武者頑駄無は「頑駄無大将軍(頑駄無異歩流武版)」としてキット化もされた。
- EVOLVE../15
- 『機動戦士ガンダム(1st)』より。
[編集] 外部リンク
ガンダムシリーズ | |
シリーズ一覧: | ガンダムシリーズ一覧 - ゲーム作品一覧 - SDガンダム |
ガンダムシリーズの映像作品 | |
テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 |
その他: | GUNDAM EVOLVE |
ガンダムシリーズの劇中項目 | |
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