述語
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この項目では言語学における述語について述べる。論理学における述語は述語理論を参照のこと。
述語(じゅつご)とは、言語学において文や節の中心をになう成分のこと。他の名詞句に関する何かを表わす部分である。
述語が1つである文のことを単文(たんぶん)といい、述語が2以上存在する文を複文(ふくぶん)という。複文においてそれぞれの述語を中心としたまとまりが節である。
[編集] 主語・主題
述語に対して、述語が表す動作や状態の主体といった文法的意味を表す格を主格と呼ぶが、印欧語などにおいて主格の名詞句は文の先頭に置かれるともに、「I love him」と「Mary loves him」のように主格の名詞の変化に合わせて述語動詞の語形も変化させる。このように先頭に置かれ、述語と文法関係が一致する主格名詞句を主語(subject)と呼ぶ。印欧語などの文構造は主語と述語の主述関係によって形成されている。ちなみに対格の名詞句は文法関係上、目的語と呼ばれ、英語などは主語・述語・目的語の語順になっている。
日本語などの言語では格を助詞によって表す。日本語において主格は「が」という格助詞によって導かれるが、「が」による名詞句は必ず先頭に来るとは限らず、先頭に置かれるのは「は」という助詞によって導かれる名詞句である。この名詞句はその文で(あるいはそれ以降の文も含めて)主題(topic/theme)として取りあげられるものを表す。主題は主格とは限らず、例えば「私はご飯を食べた」では主格であるが、「ご飯は私が食べた」では対格である。このように日本語の基本的な文構造は主題と述語による題述関係によって形成されている。
学校文法では「が」で表される語も「は」で表される語も主語と呼ばれるが、このような西洋言語学由来の「主語」という語や主述関係を日本語文法に適応すべきでないとする主語廃止論を唱えたのはのは三上章である。この主張はその生前に受け入れられることはなかったが、その後、高く評価され、現在は日本語学の中核をなす理論となっている。
[編集] 日本語の述語文
日本語において述語に使われるのは、主として動詞、形容詞、形容動詞、名詞+断定助動詞(コピュラ)である。これらを動詞文・形容詞文・形容動詞文・名詞文(コピュラ文)などと称する。日本語では述語は最後に置かれるが、その語形には普通体(常体)と丁寧体(敬体)がある。普通体は、動詞の終止形が「-u」(「う段」音)、形容詞が「い」、形容動詞・断定助動詞が「だ」で終わるものをいう。丁寧体は動詞は「ます」、その他は「です」で終わるものをいう。