目的語
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目的語(もくてきご)は、日本語では主に格助詞「に」や「を」で示される語。
行為の直接的な対象を表す直接目的語(主として対格、日本語では「を」で示される)と、その行為によって間接的に影響を受ける対象を表す間接目的語(主として与格、日本語では「に」で示される)に分類される。ロマンス語では目的補語と呼ぶことが多い。
[編集] 英語
英語では、"I love you." の"you"や、"He gave you much money" の与格(dative case)の"you"、対格(accusative case)の"much money"および "This news made me sad" の"me"で、いわゆる学校文法の第3~5文型に現れる。目的語は名詞(句、節含む)のみがなれる。
[編集] ドイツ語
ドイツ語では、与格(Dativ)、間接目的語(Dativobjekt)を3格、3格目的語と呼び、対格(Akkusativ)、直接目的語(Akkusativobjekt)を4格、4格目的語と呼ぶ。冠詞、形容詞、代名詞等の格変化において3格と4格を区別する。
他動詞とは4格の目的語(直接目的語)をとる動詞のことをいい、それ以外の動詞は自動詞と呼ぶ。例えば、"Ich liebe dich."(I love you.)におけるdichは4格(なので"liebe" 不定形liebenは他動詞)だが、"Er half dir."(He helped you.)におけるdirは3格(なので"half" (helfen)は自動詞)である。
また、目的語を文頭に持ってくることができ、その時倒置(動詞と主語の位置が入れ替わること)が起こる。
例)
- Ich liebe dich. → Dich liebe ich.
- Er half dir. → Dir half er.
通常、目的語と副詞が動詞の後ろに並ぶ時は副詞、目的語の順に並ぶ。
例) Ich lese nachts das Buch. (I read the book at night.)