第36回NHK紅白歌合戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

第36回NHK紅白歌合戦は、1985年 12月31日にNHKホールで行われた、通算36回目のNHK紅白歌合戦。21時から23時45分にNHKで生放送された。

[編集] 概要

森昌子が初めて紅組の司会と、「愛傷歌」で大トリを務めた（白組のトリは森進一の「女もよう」）。昌子は事前に司会の辞退を申し入れたが、NHK側が懇請したため、結局承諾したという。「紅白はこの回が最後」と決意していた昌子は、その大トリで大粒の涙が流れて止まらず、特に1番目の歌詞が殆ど歌えなくなるという事態になった。紅組メンバーや白組司会の鈴木健二などに励まされつつ歌い終え、最後には当時はまだ夫婦ではなかった森進一に抱き抱えられて話題をさらった（進一・昌子は翌年の10月1日に結婚し、昌子は歌手業を引退した。その16年後の2001年、進一の勧めもあって昌子は16年ぶりに紅白歌合戦へ復帰。その4年後の2005年4月、2人は離婚に至った）。
白組のトップバッターだった吉川晃司は、「にくまれそうなNEWフェイス」の歌が終わってもステージに残り演奏を続け、ギターを燃やすなどした。そのため、次の紅組の河合奈保子は登場を遮られ、「デビュー」の冒頭部分が歌えなくなった。吉川はその後、河合に直接謝罪し、河合は「もう過ぎたこと」と受け入れた。ただし、吉川は、2000年に「ポップジャム」に出演するまではNHKから一切締め出されてしまった。
西城秀樹、新沼謙治らが落選、代わりにアイドル歌手の比重が例年になく高くなった。
第34回から設けられていた「金杯・銀杯」は、この回限りで廃止された（金杯＝森昌子、銀杯＝細川たかし）。この回の「金杯・銀杯」のデザインは福田繁雄が担当し、見る向きを変えると音符に見えたり、ト音記号に見えたりするユニークなものであった。

[編集] 司会者

紅組司会:森昌子
白組司会:鈴木健二アナウンサー
総合司会:千田正穂アナウンサー

[編集] 審査員

三田佳子（女優）
中村吉右衛門（歌舞伎俳優）
高野悦子（映画プロデューサー）
小池一夫（劇画作家）
武原はん（舞踊家）
ジェームス三木（脚本家）
山口洋子（作家・作詞家）
吉田義男（阪神タイガース監督）
大地真央（女優）
北尾光司（大相撲・大関）
遠藤利男･NHK番組制作局長

ほか地方審査員のみなさん16名と会場審査員（NHKホールの観客全員）

[編集] 出場歌手

紅組		白組
歌手	曲	歌手	曲
石川秀美(初)	愛の呪文	吉川晃司(初)	にくまれそうなNEWフェイス
河合奈保子(5)	デビュー	シブがき隊(4)	スシ食いねェ！
テレサ・テン(初)	愛人	千昌夫(13)	あんた
小泉今日子(2)	なんてったってアイドル	チェッカーズ(2)	ジュリアに傷心（ハートブレイク）
柏原芳恵(2)	し・の・び・愛	C-C-B(初)	Lucky Chanceをもう一度
岩崎宏美(11)	決心	山本譲二(5)	男詩
中森明菜(3)	ミ・アモーレ〔Meu amor e…〕	田原俊彦(6)	華麗なる賭け
小柳ルミ子(15)	乾杯！	郷ひろみ(13)	Cool
研ナオコ(9)	帰愁	三波春夫(28)	夫婦屋台
松原のぶえ(初)	おんなの出船	鳥羽一郎(初)	兄弟船
早見優(3)	PASSION	菅原洋一(19)	歓びの日に
松田聖子(6)	天使のウィンク	安全地帯(初)	悲しみにさよなら
原田知世(初)	早春物語	沢田研二(13)	灰とダイヤモンド
川中美幸(5)	男じゃないか	大川栄策(3)	男って辛いよな
水前寺清子(21)	人生夢三味線	細川たかし(11)	望郷じょんから
島倉千代子(29)	夢飾り	近藤真彦(5)	ヨイショッ！
八代亜紀(13)	命火	北島三郎(23)	十九のまつり
石川さゆり(8)	波止場しぐれ	村田英雄(24)	男の一生
小林幸子(7)	夫婦しぐれ	五木ひろし(15)	そして…めぐり逢い
森昌子(13)	愛傷歌	森進一(18)	女もよう