神戸ルミナリエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

神戸ルミナリエ（仲町通）2002年12月撮影

神戸ルミナリエ（こうべ -）は、1995年から毎年12月に兵庫県神戸市で行われている祭典である。

[編集] 経緯

1995年夏に和歌山マリーナシティ(和歌山市)で日本初の和歌山ルミナリエが開催される。

現在は拠点を神戸に移し、イタリア人のヴァレリオ・フェスティ (Valerio Festi) と神戸市在住の今岡寛和との共同作品となっている。日本語ではルミナリエとは専らこの祭典の事を指すが、語源はイタリア語のluminariaの複数形luminarieであり、一般的に小電球などによる光の装飾（イルミネーション）の事を言う。

当初は東京で開催するイベントとして企画されたものであったが、阪神・淡路大震災の発生をきっかけに開催地を神戸へと変更し、鎮魂と追悼、そして復興を目的として毎年開催されている。また、当初は震災で激減した神戸の観光客を呼び戻す目的もあった。（東京では丸の内で1999年から「東京ミレナリオ」として光の祭典をおこなっている。ただし目的は追悼ではなく年末年始のイベント）

[編集] 概要

神戸ルミナリエ（東遊園地）

メイン会場である旧居留地と、サテライト会場（主にJR 新神戸駅前会場。過去には神戸ハーバーランドと異人館にもサテライト会場が設けられたこともある）で行われていたが、2005年からはサテライト会場がなくなった。メイン会場では仲町通が電飾で彩られ、終着地の東遊園地には敷地を取り囲むように光の壁が立てられる。また、会場ではテーマ音楽が流れる。

現在ではクリスマス時期のイベントとして定着していて、全国各地からルミナリエの観覧目的の観光バスが出るなど、約2週間の期間中に毎年約500万人が訪れる。

メイン会場は年々混雑の度合いを増し、1998年頃からは会場周辺に多くの警備員が配置される形となった。これにより、現在では会場内と周辺道路で歩行者を含めて通行制限が徹底されている（この厳格な警備体制は、2001年に隣接する明石市において発生したJR朝霧駅前の明石花火大会歩道橋事故の影響もあるとされる）。順路は元町駅から三ノ宮駅への一方通行となっており、逆行はできない。特に入場前の迂回ルートが長く、2005年度以降のルートは、鯉川筋の神戸大丸正面の交差点から花時計線を東進し、京町筋を南進し、三宮中央通りを西に右折し再び大丸まで戻る。トアロードを南進し仲町通に達したら左折しようやく電飾が見える。また、この混雑と迂回ルートの長さによってお年寄りや身体障害者らの鑑賞が困難となり、1999年からは開催の約1週間前に実施される試験点灯日を「ハートフルデー」として割り当てている。

毎年クリスマス当日まで実施していたが、2005年は12月9日～12月22日、翌2006年は12月8日～21日の開催と、時期が繰り上がった。これは、クリスマスイブや当日に来場者が集中して危険な状況に陥ることを回避するため、また、歳末商戦時に周辺商業施設（商店街や百貨店など）がルミナリエによって商機を逸していたことに配慮したためとされる。