犬養道子
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犬養 道子(いぬかい みちこ、1921年4月20日 - )は、日本の評論家。元首相・犬養毅の孫。
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[編集] 来歴・人物
現在の東京都新宿区四谷に犬養健・仲子夫妻の長女として生まれた。父・健は犬養毅の嗣子で親子2代の政治家であり、母方の曾祖父が長与専斎と後藤象二郎である。母方の祖父は男爵長与称吉。また異母妹にエッセイスト、テレビキャスターの安藤和津(俳優・奥田瑛二夫人)、従姉の娘に緒方貞子がいる。
女子学習院、津田英学塾に学んだ後留学。1970年代以降、ヨーロッパに在住し、1979年から世界の飢餓、難民問題に深くかかわっていることでも知られている。
欧州滞在中は、ジュネーブ空港に近いフランスの街フェルネ・ヴォルテールに住み、ライフワークの聖書の研究のかたわら、難民支援活動を積極的に展開した。1990年代後半、日本国内での活動強化のため、帰国した。麗澤大学など多数の大学で教壇にたち、講演も多くこなしている。
著書には「聖書を旅する」(全10巻)などがあり、最近、婦人之友社から「こころの座標軸」という本を出して注目されている。80歳代後半に入ったが、若者たちへの語りかける情熱あふれる内容となっている。「犬養道子基金」はイエズス会の難民支援組織「JRS」と連携しながら、過去25年間息の長い、難民支援事業をインドシナ、アフリカ、ボスニア、クロアチア、中東などの世界各地で展開している。
[編集] 略歴
- 1948年:渡米。その後ボストン、パリで哲学、聖書学を学ぶ。
- 1952年:ネーデルランド放送局客員。
- 1957年:帰国しNHKのニュース解説員となる。
- 1959年:「婦人公論」誌の特派員として渡欧。
- 1964年:ハーバード大学ラドクリフ研究室の研究員となる。
- 1986年:犬養基金を設立。
[編集] 主な著書
- 「お嬢さん放浪記」(1958年、評論家としてのデビュー作)
- 「女が外に出るとき」(1964年)
- 「私のアメリカ」(1966年)
- 「花々と星々と」(1970年)
- 「新約聖書物語」(1976年)
- 「旧約聖書物語」(1977年)
- 「ある歴史の娘」 (1995年)
- 「聖書を旅する」(1996年)
- 「女性への十七の手紙」(1998年)
- 「あなたに今できることー犬養道子,若き女性に語る」(2001年)
- 「未来からの過去」(2001年)
- 「本ー期限と役割をさぐる」(2004年)
- 「心の座標軸」(2006年)