燃料ペレット
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燃料ペレット(ねんりょうペレット、燃料心材)とは、原子炉で使用する核燃料を、磁器のように成形し焼き固めたもので、原子炉の5重の壁の一つ目の要素である。
最も一般的な形状は、高さ1 cm、直径1 cm弱の黒色の円柱型のもので、原子炉によっては、中央が中空になっているペレットもある。使用されるウランは、天然ウランか低濃縮ウランのいずれかで、日本では低濃縮ウランが使用されている。
ウラン金属は、融点が1,132 ℃であるため高温を伴う原子炉では容易に溶けてしまうばかりでなく、およそ670 ℃で結晶構造が変化し膨張してしまうなどの欠点を有する。そこで、ウランの化合物を粉末状にした上で成形し、磁器のように焼き固めることで、融点を2,700~2,800 ℃程度まで高めている。
燃料ペレットには、核分裂によって生成した放射性同位体(核分裂生成物)を内部に保持する能力がある。核分裂生成物の蓄積により燃料ペレットの体積は増加する。この体積増加をスエリングという。特にキセノンやクリプトンなどの気体核分裂生成物によるスエリングをガススエリングという。気体核分裂生成物は結晶粒内を拡散し、結晶粒界で気泡となる。この気泡がガススエリングの原因である。結晶粒が大きいほど、気体核分裂生成物が結晶粒界に到達するまでに時間がかかり、その結果、ガススエリングは軽減される。
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[編集] 種類
使用されるウラン化合物には、次の2種類がある。
[編集] 炭化ウラン
炭化ウラン(UC)は核燃料であるウランを多く含み、熱伝導率も良い為、燃料ペレットとしては優秀である。しかし、活性であるため化学反応を起こしやすく、取り扱いには注意が必要となる。また、水と触れても化学反応を起こしてしまう為、安全上の配慮から軽水炉では使用されていない。
[編集] 二酸化ウラン
二酸化ウラン(UO2)は炭化ウランよりもウランの含有量が少なく熱伝導率も劣るが、不活性であるため化学反応を起こしにくく、軽水炉を含む多くの原子炉で使用されている。