熱伝導率
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熱伝導率(ねつでんどうりつ、Thermal conductivity)は、熱伝導度ともいい、熱伝導において、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度勾配で割った物理量。その逆数を熱抵抗率という。
熱流束密度をJ、温度をT、温度勾配を gradTとすると、熱伝導率λとの関係は次のように表される。
熱伝導率のSI単位はであり、も使われる。
熱伝導率は媒質中により温度勾配がある場合にその勾配に沿って運ばれる熱流束の大きさを規定する量であり,熱拡散率は温度勾配により運ばれる温度(熱エネルギー)の拡散係数を意味する。ここで,熱拡散係数と熱拡散率は物理的に異なった量を意味するので注意が必要である。 熱拡散係数は,混合物に温度勾配がある場合に,熱拡散により濃度勾配が生じる時の大きさを規定する物理量である。 熱伝導率=熱拡散率x定圧比熱容量x密度 である。(なお,比熱容量x密度は単位堆積当たりの熱容量で,体積熱容量と呼ぶ)
また、熱伝導率が一つの物質内での熱の伝わり易さを表す値に対し、物質間の熱の伝わり易さを表す値として熱伝達係数がある。
[編集] 一般的な材料の室温付近での熱伝導率
- 銀 420 W·m-1·K-1
- 銅 390
- 金 320
- アルミニウム 236
- 鉄 84
- 白金 70
- 水晶 8
- ガラス 1
- 水 0.6
- 羊毛 0.05
- 発泡ポリスチレン("Styrofoam") 0.03
- シリコン 168
[編集] 熱伝導率測定
- レーザーフラッシュ法
- 定常熱流法・平板熱流計法
- 熱線法
- 熱線(ヒーター線)の発熱量と温度上昇量から、熱伝導率を直接測定する。