永仁の徳政令
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永仁の徳政令(えいにんのとくせいれい)は、1297年(永仁5)年に鎌倉幕府の9代執権北条貞時が発令した、日本で最初の徳政令。元寇での戦役や異国警護の負担から没落した無足御家人の借入地や沽却地を無償で取り戻すことを目的に発令。正確な条文は不明だが、現在では3か条が知られる。
永仁徳政令以前にも類似した政策は行われており、弘安7年(1284年)3月に幕府は越訴に関する訴訟を不受理とする法令を発令し、翌永仁6年には撤回している。
歴史的評価は低く、非御家人層の負担による御家人救済政策で、経済・社会的混乱を及ぼしたとする否定的評価がなされる傾向にある。
[編集] 徳政令の概要
主な内容として、
(1)越訴(裁判で敗訴した者の再審請求)の停止。
(2-a)御家人所領の売買及び質入れの禁止。
(2-b)既に売却・質流れした所領は元の領主が領有せよ。ただし幕府が正式に譲渡・売却を認めた土地や領有後20年を経過した土地は返却せずにそのまま領有を続けよ。
(2-c)非御家人・凡下(武士以外の庶民・農民や商工業者)の買得地は年限に関係なく元の領主が領有せよ。
(3)債権債務の争いに関する訴訟は受理しない。
と定めたが、(1)と(2-a)は翌年に廃止された。
結局これは完全に失敗に終わり、御家人の経済的窮乏が好転するどころか、かえって困窮を推し進め、武士の幕府への忠誠心を薄れさせる結果となった。
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