機能主義 (心の哲学)
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機能主義(きのうしゅぎ、Functionalism)とは、心の哲学の分野において、意識やクオリアといった主観的体験が生まれる条件を述べた立場の一つ。物質がある機能を果たしているなら、それがどんな物質の組み合わせあっても、その機能に相当する意識体験が伴うはずだ、というもの。
すなわち、「痛み」を感じている人間の脳の機能を忠実に再現しさえすれば、それが神経細胞でなく、シリコンチップや、バネと歯車で構成された機械であっても、「痛み」の体験は生まれるはずだ、というもの。代表的な論者にデイヴィッド・チャーマーズがいる。
[編集] 反論
機能主義に対する代表的な反論に中国語の部屋という思考実験がある。
[編集] 参考文献
- デイヴィッド・チャーマーズ著, 林 一訳 「意識する心」 36-38頁 白揚社 2001年 ISBN 4-8269-0106-2
- ダニエル・デネット著 「解明される意識」 47-48頁 青土社 1998年 ISBN 4-7917-5596-0
心の哲学のトピックス | |
概念 | 意識 - クオリア - 心身問題 - ハード・プロブレム - スーパーヴィニエンス - 自由意志 - 素朴心理学 - 消去主義 |
現行モデル | 同一説- 機能主義 - 相互作用説 - 随伴現象説 - 並行説 |
古典的モデル | 唯物論 - 唯心論 - 機械論 - 生気論 - 一元論 - 二元論 - 多元論 - モナドロジー |
思考実験 | チューリング・テスト - 中国語の部屋 - 哲学的ゾンビ - スワンプマン - 水槽の脳 |
人物(日本国外) | デイヴィッド・チャーマーズ - ジョン・サール - ダニエル・デネット - フランシス・クリック&クリストフ・コッホ -ジェラルド・イーデルマン&ジュリオ・トノーニ |
人物(日本) | 茂木健一郎 - 前野隆司 |
関連項目 | 理論物理学 - 脳 - 神経科学 - 認知科学 - 心理学 - 進化心理学 - 現象学 |
[編集] 外部リンク
- Functionalism - スタンフォード大学哲学百科事典の中の一項目。機能主義について。