森光子
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森 光子(もり みつこ、本名・村上 美津 むらかみ みつ、1920年5月9日 - )は、日本の女優。京都府京都市出身。
言わずと知れたベテラン女優で、京都府立第一高等女学校(現京都府立鴨沂高等学校)中退。紫綬褒章、文化勲章受章。日本俳優連合副理事長。称号は東京都名誉都民。
『国の家』の居候の叔父高橋国太郎の息子が高橋照一、俳優の嵐寛寿郎となるため従兄弟同士である。長らく嵐寛寿郎の姪であり1923年生まれと発表していた。
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[編集] 経歴
実家は京都・三条木屋町で割烹旅館『国の家』を経営していた(後に倒産)。戦前より従兄弟の嵐寛寿郎のプロダクション(第二次寛プロ)に所属し、寛プロが閉鎖すると新興キネマ(後の大映)所属の娘役として多くの映画に出演するが多くは「たぬき物」であり溝口健二の「祇園の姉妹」のような映画を、と夢見ていた森は失望も多かった。
戦前から戦後間もなくにかけては大阪を拠点に芸能活動を行っていたが、1950年前後の約3年間は、肺結核の闘病生活のため芸能活動を休止。この頃、“森光子は死んだ”という噂がまことしやかに流れ、復帰作となった「エンタツちょびひげ漫遊記」で共演した赤木春恵らもそう信じていたらしい。
1956年には朝日放送と専属契約を結び、ラジオでは「東西お笑い他流試合」の大阪方の司会、テレビでは中田ダイマル・ラケットと組んだコメディ「びっくり捕物帳」などで人気を博するが、1958年に菊田一夫に誘われ芸術座の舞台を踏んだのがきっかけで、翌1959年には東京に活動拠点を移す。同年ラジオ東京のプロデューサーで演出家の岡本愛彦と結婚(のちに離婚)。
1961年、恩師である菊田の脚本による芸術座公演「放浪記」にて主役の林芙美子役を好演。以後、現在まで公演回数1800回以上を数える森の代表作となると同時に、それまでは脇役女優であった森が主役女優へとステップアップするきっかけとなった。但し、近年においては森の年齢を考慮してか出番を減らしナレーションで説明や場面転換をする構成となり「顔見せしかしないのは観客を馬鹿にしている」との批判も大きい。
以降は「東芝日曜劇場・天国の父ちゃんこんにちは」(TBS、1966~1974)、「時間ですよ」(TBS、1970~1973、以後シリーズ化)、「グランド劇場・2丁目3番地」(日本テレビ、1971)、「銀座わが町」(NHK、1973)、「かくれんぼ」(日本テレビ、1981)等数多くのテレビドラマにも出演。山岡久乃、京塚昌子等とともに日本を代表する「お母さん」女優としてその人気を不動のものとする。また、1974年~1988年までの14年間にわたり、フジテレビの看板ワイドショー番組「3時のあなた」のホステス(メイン司会)も担当し、これもまた森の代表的な仕事の一つに数えられている。更には大阪でのコメディ経験を生かしドリフターズとのコント番組にも長年出演する等、芸域の広さを視聴者に知らしめた。
かつて「花吹雪はしご一家」(TBS、1975~1976)で母子役として共演した西城秀樹から「東京のお母さん」と呼ばれて親しまれていた。またジャニーズの大ファンでもあり、特に東山紀之とは、仲がとてもいい。さらには、「絶叫コースターにも挑戦したい」といったこともある。1日に150回もスクワットをする等、80歳を越えていることを感じさせぬ容貌とバイタリティから“妖怪”と一部で揶揄される。
1984年、紫綬褒章を授与される。このとき、3歳の年齢サバ読みがはからずも発覚するが、当時のマスコミの論調は「あの歳になっても、女だな」という好意的なものだった。
2005年、文化勲章を授与される。女優からの勲章受章者は山田五十鈴以来2人目(尚、杉村春子は辞退。ちなみに、近年は親授式に備えるため、毎年文化の日に予定を入れなかったという)。
幼少から若手女優だった頃は、「黒みっちゃん」と呼ばれるほど肌が黒っぽかったが、年齢を重ねるにつれ、白くなったという。今なお、その美しさを保っているのは驚嘆に値するほどである。
[編集] 主な出演作品
[編集] 映画
[編集] テレビ
- 「3時のあなた」(CX)
- 「NHK紅白歌合戦」:紅組司会(NHK、1962年、1978年、1984年の3回担当)
- 「輝く日本レコード大賞」:司会(TBS、1972~1976年)
- 「森田一義アワー笑っていいとも!」(フジテレビ系)
- 時間ですよシリーズ
- 時間ですよ(1970 - 1973年 TBS)
- 時間ですよ昭和元年(1974 - 1975年 TBS)
- 時間ですよふたたび(1987年 TBS)
- 時間ですよたびたび(1988年 TBS)
- 時間ですよ平成元年(1989年 TBS)
- 花吹雪はしご一家(1975 - 1976年 TBS)
- 渡る世間は鬼ばかり(TBS)
- 2丁目3番地(NTV)
- かくれんぼ(NTV)
- せい子宙太郎(TBS、1978年)
- 日曜劇場・女たちの忠臣蔵(TBS、1979年)
- 日曜劇場・遠く離れて子守唄(TBS、1980年)
- 日曜劇場・天国の父ちゃんこんばんは(TBS、1966~1974年)
- ドリフと女優の爆笑劇場(テレビ朝日)
- 銀座わが町(NHK)
- なんだらまんだら(CX、1991年)
- D坂殺人事件 名探偵明智小五郎誕生 名探偵明智が挑む猟奇殺人の謎!!闇に浮かぶ白い肌…(CX、1992年)
- 「春よ、来い(NTV、1982年)、など多数。
- 必要のない人(NHK、1998年)
- 【放送80周年記念ドラマ】橋田寿賀子ドラマ ハルとナツ 届かなかった手紙(2005年)
[編集] 舞台
- 放浪記
- 出演回数1800回、主役を演じた年数45年は日本記録。
- おもろい女
- 芦屋雁之助とのコンビで、戦前活躍した漫才コンビであるミスワカナ・玉松一郎のワカナ役を好演。1979年には芸術祭大賞を受賞し、「放浪記」と並ぶ森の舞台での代表作となる。雁之助死去後は段田安則が新パートナーに。