東方紅
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東方紅(とうほうこう・簡体字:东方红;ピン音: Dōngfāng Hóng)は、
- 中華人民共和国の毛沢東や中国共産党を讃える歌曲。1960年台のプロレタリア文化大革命時の事実上の国歌。本項で解説する。
- 中華人民共和国の文化大革命時の毛沢東や中国共産党を讃えるミュージカル。
- 中華人民共和国の人工衛星や機関車等に好んで命名された名称。
- 黒龍江省虎林市にある「鎮」の名。鉄道の終点であり、ロシア国境のウスリー川まで20キロあまりのところにある。
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[編集] 作者
作詞者は李有源。彼は山西省(陝北地方)の農民出身で、抗日戦争時に昇る朝日を見て歌詞を思いつき、出身地の民謡「騎白馬」のメロディーに歌詞をつけたのがこの曲と言われている。そのため中華人民共和国では、この曲の副題を「陝北民歌・革命歌曲」とする例が多い。1944年に共産党解放区の新聞「延安日報」上で発表された。もともとの民謡の旋律に現在演奏される伴奏をつけたのは李煥之。
[編集] 文革時の臨時国歌
中華人民共和国の国歌は義勇軍進行曲(簡体字:义勇军进行曲;ピン音: Yìyǒngjūn Jìnxíngqū)であるが、文化大革命中に作詞者の田漢が批判されたこともあって、歌詞は歌われなくなり、演奏だけにとどまっていた。そして、東方紅が事実上、国歌として扱われた。学校や職場では朝一番に必ず斉唱した。ラジオ放送は国内向け、海外向けとも、東方紅の演奏で始まって、インターナショナルで終わるのが普通だった。その名残で、1990年代半頃まで中華人民共和国の海外向けラジオ放送である中国国際放送(北京放送)のインターバル・シグナルは東方紅のメロディだった。(現在は義勇軍進行曲をアレンジしたメロディ)
[編集] 歌詞
[編集] 簡体字
- 东方红,太阳升,
中国出了个毛泽东。
他为人民谋幸福,
呼儿咳呀,他是人民大救星。 - 毛主席,爱人民,
他是我们的带路人。
为了建设新中国,
呼儿咳呀,领导我们向前进。 - 共产党,像太阳,
照到哪里哪里亮。
哪里有了共产党,
呼儿咳呀,哪里人民得解放。
[編集] 繁体字
- 東方紅,太陽升,
中國出了個毛澤東。
他為人民謀幸福,
呼兒咳呀,他是人民的大救星。 - 毛主席,愛人民,
他是我們的帶路人。
為了建設新中國,
呼兒咳呀,領導我們向前進。 - 共產黨,像太陽,
照到哪裡哪裡亮。
哪裡有了共產黨,
呼兒咳呀,哪裡人民得解放。
[編集] 拼音
- Dōngfāng hóng,tàiyáng shēng,
Zhōngguó chū liǎo ge Máo Zédōng,
Tā wèi rénmín móu xìngfú,
Hū ěr hei yo, tā shì rénmín dà jiù xīng! - Máo zhǔxí ài rénmín,
Tā shì wǒmén de dài lù rén
Wèi liǎo jiànshè xīn Zhōngguó,
Hū ěr hei yo, lǐngdǎo wǒmén xiàng qiánjìn! - Gòngchǎndǎng xiàng tàiyáng,
Zhào dào nǎlǐ nǎlǐ liàng,
Nǎlǐ yǒu liao Gòngchǎndǎng,
Hū ěr hei yo, nǎlǐ rénmín dé jiěfàng!
[編集] 日本で用いられる字形に変換した表記
- 東方紅,太陽昇,
中国出了個毛沢東。
他為人民謀幸福,
呼児咳呀,他是人民大救星。 - 毛主席,愛人民,
他是我們的帯路人。
為了建設新中国,
呼児咳呀,領導我們向前進。 - 共産党,像太陽,
照到哪里哪里亮。
哪里有了共産党,
呼児咳呀,哪里人民得解放。
[編集] 大意
- 東方は紅、太陽が昇った、
中国には毛沢東が現れた。
彼は人民の幸福を謀った。
(掛け声・呼児咳呀≒フーアルハイヨー)、
彼は人民の大いなる救いの星! - 毛主席は人民を愛する。
彼は私たちの進路を示す人。
新中国を建設するために、
(掛け声・呼児咳呀)、
私たちに前進を指導する! - 共産党は太陽、
どこの地でもどこの地でも照らす。
どこの地にでも共産党はある、
(掛け声・呼児咳呀)、
どこの地の人民も解放された!
- (「呼児咳呀」は特に意味のない掛け声、あるいは感嘆詞である。そのため発音が同一の「呼爾嗨哟」「呼爾咳呀」「呼児海約」等、別の字で表記されることも多い。)
[編集] 関連項目
- 文化大革命
- 中華人民共和国の国歌
- 毛沢東
- 中国共産党
- 天安門 (小説)(『東方紅』が描かれた作品)
[編集] 外部リンク
- 民族魂・毛沢東紀念館(中国語・東方紅のメロディが流れる)