東京都副知事
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東京都副知事(とうきょうとふくちじ)は、東京都知事を補佐し、その補助機関たる職員の担任する事務を監督する、地方自治法に定められた特別職の東京都職員である。定数は4人。
副知事相互には上下関係はないが、知事に事故があるとき、又は知事が欠けたときの知事の職務代理順序が規則で決められており、これが実質的な序列となっている。順位は俗に、第一位ならば「V1」(第二位以下も同様・「V」は副知事の英訳である Vice governor の略)とも呼ばれている。また、各副知事には担当する局や特命事項が割り当てられている。
副知事人事は通常、知事選と同時の4年に一度であり、都の局長級職員や出納長・教育長から抜擢される。中央省庁からの出向はほとんどなく、外部からの起用も近年は見られない。都職員出身の副知事は辞職後、東京地下鉄や首都高速などに天下る。
[編集] 浜渦副知事問題
2005年6月、石原慎太郎都知事の国会議員時代からの秘書である浜渦武生の副知事在任中、都議会において、東京都福祉総合学院の運営に違法な点があるとして浜渦に民主党の議員が質問を行ったことにより百条委員会が開かれた。しかし、この質問は浜渦が民主党議員に依頼したやらせ質問であり違法な運営はなかったとし、百条委員会での浜渦の証言は偽証罪に当たるとして、刑事告発が適当であると結論付けた。
都議会の浜渦への厳しい追及には、他の副知事をも配下におさめ、浜渦を通さなければ政策が決定できないという、権力が浜渦に集中した状態が続いていたことへの反発が大きな背景にあった。またこの原因の一つとなった、石原知事が週数日しか登庁していないことも大きな問題となった。石原は浜渦を更迭することで解決を図り、その他の副知事も総辞職した。しかし新しい副知事には浜渦に近いとされる職員が起用され、さらに浜渦は2006年7月に東京都参与に就任しており、浜渦の影響力は払拭されていないとする見方もある。