断種
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断種 (だんしゅ) は 不妊手術(sterilization)のことであるが、優生学により、ある集団あるいは個人の血統すなわち種を断つという側面に重点が置かれた用語である。そのため「本人の意思を伴わない不妊手術」を指すことがある。優生手術とも呼ばれる。
断種は優生学によるため世界的に行なわれ、北欧における断種の強制が1997年にニュースで知られた。
[編集] 日本
日本では遺伝性疾患をもつ患者に対する断種が1940年の国民優生法で規定され、1941年から1945年の間に435件の断種が行われた。1948年に制定された優生保護法では遺伝性疾患だけでなく、ハンセン氏病や「遺伝性以外の精神病、精神薄弱」を持つ患者に対する断種が定められた。優生保護法に基づく強制的な優生手術は、1949年から1994年の間に1万6千件に及んだ。断種は男性にも女性にも行われたが、このうち7割は女性の断種であった。同意に基づく優生手術は80万件以上であった。
優生保護法第三条では、以下の場合本人及び配偶者の同意を得て医師が優生手術を行えるとしていた
- 本人又は配偶者が精神病、精神薄弱、遺伝性精神病質、遺伝性疾患又は遺伝性奇形を有する場合
- 本人又は配偶者の4親等以内の血族関係にある者が、精神病、精神薄弱、遺伝性精神病質、遺伝性疾患又は遺伝性奇形を有する場合
- 本人又は配偶者がらい疾患 (ハンセン氏病) に罹っているもの
- 妊娠又は分娩が母体の生命に危険を及ぼすおそれのあるもの
- 数人の子を有し、分娩ごとに母体の健康度を著しく低下するおそれのあるもの
ハンセン氏病患者に対する優生手術は1915年に始まり、後に優生保護法で法律的背景を得た。ハンセン氏病患者はらい予防法で強制隔離され、療養所では妊娠した女性の妊娠中絶を実施し、また断種を結婚の条件としていた。中には医師の手によらず、看護師の手で手術されたこともあった。公表されただけでも男性2300人以上、女性1252人が断種をうけた。これらは「本人及び配偶者の同意」を得ていることにはなっているが、強制隔離された環境での同意がどれほど有効なものか問題になった。