摩周湖
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摩周湖と摩周岳,カムイシュ島 |
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所在地 | 北海道(釧路支庁) | |||
面積 | 19.1 km² | |||
周囲長 | 19.8 km | |||
最大水深 | 211.5 m | |||
平均水深 | 137.5 m | |||
貯水量 | - km³ | |||
水面の標高 | 355 m | |||
成因 | カルデラ湖 | |||
淡水・汽水 | 淡水 | |||
湖沼型 | 貧栄養湖 | |||
透明度 | 19.0 m |
摩周湖(ましゅうこ)は北海道川上郡弟子屈町にある湖。日本でもっとも透明度の高い湖のひとつでもある。2001年には北海道遺産に選定された。
目次 |
[編集] 地理
北海道東部、阿寒国立公園内に位置する。約7000年前の巨大噴火によって生成された窪地に水がたまったカルデラ湖であり、アイヌ語では「カムイトー(神の湖)」という。中央に断崖の小島カムイシュ島がある。周囲は海抜600m前後の切り立ったカルデラ壁となっており、南東端に「カムイヌプリ(神の山)」(摩周岳・標高858m)がそびえている。(画像参照)
流入・流出河川が無く、大気汚染の影響を忠実に反映するため、地球環境変化を知るモニタリング調査の対象となっている。
なお、湖内は阿寒国立公園の特別保護地域に指定されているため、通常は人の立入はできない。
[編集] 歴史
摩周湖一帯の火山活動は約3万年前から始まった。当時の安山岩質溶岩流が外輪山を形成している。摩周湖に相当するカルデラは約7000年前の大噴火で形成された。巨大カルデラ噴火としては九州南沖の喜界カルデラとほぼ同じ時期で、日本国内では最も新しい。その後約4000年前からカルデラ東部で噴火が始まりカムイヌプリ火山が成長した。同じ頃カルデラ中央でも溶岩ドームが形成されカムイシュ島ができ現在の地形ができた。
[編集] 透明度
かつて1931年の透明度調査で、バイカル湖をしのぐ41.6mの透明度を記録している。これは当時確認された世界最高記録である。しかしながら、後にヒメマスやニジマスの養殖を試みたこともあって透明度は年々低下傾向にあり、今後倶多楽湖などと順位が逆転する可能性がある。2004年8月の北見工業大学による検査では、透明度19.0mであった(2003年度は20.4m、2002年度は18.0m、2001年度は23.7m)。
なお、数回にわたって放流されたヒメマスやニジマスは、その後、自然繁殖を繰り返していることが確認されている。
[編集] 霧の摩周湖
摩周湖は、景勝地としては古くから知られていたが、交通不便なため長らくマイナーな存在だった。
1966年に布施明が悲壮な絶叫調で歌った歌謡曲「霧の摩周湖」(作詞:水島哲、作曲:平尾昌晃)がヒットしたことで摩周湖の知名度は一気に高まったが、「摩周湖 = 霧、神秘の湖」のイメージが、過度に定着してしまったきらいはある。作曲者の平尾昌晃は結核により歌手の道を断念して療養中で、訪れたことのない摩周湖を想像でイメージして、この曲を作り上げた。彼は2003年にNHKラジオの放送で、後日訪れた際の摩周湖は「イメージ通りの湖だった」と語っている。
一方、旅行者の間で「(霧の出ていない)晴れた摩周湖を見ると出世できない、結婚できない」といったジンクスが語られることがあるが、これも「摩周湖=滅多に晴れない霧」というイメージが先行した結果であると考えられている。
実際、濃霧の際にはほとんど湖面を見ることはできないが、頻度としては摩周湖よりも釧路市周辺の海岸部や釧路湿原の方が霧が出やすいとも言われている
摩周湖で販売されている「霧の缶詰め」は屋内で作られており実際には霧が入っていない。
[編集] 交通
弟子屈町側は湖岸西側から南側にかけてのカルデラ上に観光道路が走り、第一展望台と第三展望台が設置されている。第一展望台は土産物店も併設されており有名だが、第三展望台からは間近に摩周岳を望め雄大である。JR釧網本線摩周駅、または川湯温泉駅からバスあり。冬季は川湯温泉側からのルートは閉鎖される。
ほかに斜里郡清里町などから入る北側の裏摩周展望台もある。こちらはバス便はなく、冬季は閉鎖となる。標高が3展望台の中で一番低いところにあり、他の展望台が霧に包まれている時も湖面が眺められる場合も多い。弟子屈側とは道は通じていない。
[編集] 関連記事
[編集] 外部リンク
- 摩周湖公式ホームページ((社)摩周湖観光協会並びに川湯温泉観光協会)
- GEMS/Water摩周湖モニタリングデータブック(独立行政法人国立環境研究所)