山本學
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山本 學(やまもと がく、1937年〈昭和12年〉1月3日 - )は、日本の俳優。大阪府茨木市生まれ。東京育ち。成蹊中学校・高等学校卒。弟は俳優の山本圭、山本亘。叔父は映画監督の山本薩夫。
戸籍上は「山本學」であるが略字の「山本学」表記での出演作も数多く、クレジットが「山本學」に統一されたのは、1990年代半ば以降のようである。
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[編集] 来歴・人物
1955年、俳優座養成所第7期生となる。1957年、映画『裸の町』に丁稚役で出演。養成所修了後の1958年劇団新人会へ入団。同年、テレビドラマ『少年航路』に出演。以降はドラマ、舞台、映画と幅広く活動。手堅いバイプレーヤーとしての評価を確固たるものにし、多くのヒット作に出演。
1980年には演劇プロデュースを目的とした「五五の会」を設立(三三五五集まって良い舞台をつくり三三五五散る、との趣旨の名)。『時代屋の女房』『馬車道の女』『罠』などを上演。中でもロベール・トマ作の『罠』は20余年かけて全国津々浦々の劇場をまわり、その鮮やかなサスペンス性とスピード感あふれる舞台は各地で評判となった。
実直で落ち着いた風貌や語り口から、テレビドラマでは医師の配役が非常に多い。中でも1978年の『白い巨塔』で演じた内科医・里見脩二役は秀逸であり、彼の名を不朽のものとした。医師役を演じるたびに実際に医者の元へ足を運び、セリフ回しや診察の所作などについて教えを請うという。「勉強せずには演じることはできない」という信条は養成所時代から修練されたもの。内科医と外科医の雰囲気の違いさえも意識して演じ分けるという。ある医者の元へ通いつめるうち半ばあきれられて貰った「マイ聴診器」があるとインタビューで語っている。
[編集] 略歴
- 養成所時代の1957年、『裸の町』で映画デビュー
- 1958年、KRテレビ(現TBS)のドラマ『少年航路』でテレビデビュー
- 1959年、『月明らかに星まれに』で舞台デビュー
- 1993年、第18回(1992年度)菊田一夫演劇賞受賞(『雁金屋草紙』、『晩菊』の演技に対して)
[編集] 出演作品
[編集] テレビドラマ
- 巣立ち (1962年、NHK) - 小坂勉役
- 愛と死をみつめて (1964年、TBS「東芝日曜劇場」) - 河野実役
- 源氏物語 (1965年-1966年、毎日放送) - 頭中将役 〈1966年度 アメリカ・エミー賞受賞作品〉
- 東芝日曜劇場 亜紀子 前・後編 (1971年、TBS) - 主治医・仁部孝役
- 東芝日曜劇場 カミさんと私 シリーズ (1963年-1972年、TBS) - 次男・清水健二役
- 東芝日曜劇場 その他出演作多数
- 新・平家物語 (1972年、NHK大河ドラマ) - 平頼盛役
- ありがとう2 (1973年、TBS) - 内科医・千葉広道役
- お姉ちゃん (1973年-1974年、TBS) - 山賀進役
- ガラスの絆 (1975年、日本テレビ) - 彩場弘之役
- 白い巨塔 (1978年-1979年、フジテレビ) - 内科医・里見脩二役
- 裸の大将放浪記 第1話 (1980年、関西テレビ) - 馬宮先生役
- 化粧台の美女~江戸川乱歩の「蜘蛛男」 (1982年、テレビ朝日) - 黒柳肇役
- 不良少女と呼ばれて (1984年、TBS) - 笙子の父役
- 時にはいっしょに (1986年、フジテレビ) - 佐伯恭治役
- 必殺仕事人ワイド・大老殺し (1987年、朝日放送) - 勝麟太郎役
- 八代将軍 吉宗 (1995年、NHK大河ドラマ)
- 沙粧妙子 最後の事件 (1995年、フジテレビ) - 卯木俊光役
- 白愁のとき 精神余命一年 (1996年、TBS) - 医師・八木智之役
- 沙粧妙子 -帰還の挨拶- (1997年、フジテレビ) - 卯木俊光役
- 元禄繚乱 (1999年、NHK大河ドラマ) - 吉田忠左衛門役
- いのちの現場から7 (2001年、毎日放送) - 患者・梶本健介役
- 白い影 (2001年、TBS) 第5話 - 外科医・七瀬隆弘役
- 水戸黄門第29部 (2001年、TBS) - 井上玄桐役
- 白い影 その物語のはじまりと命の記憶 (2003年1月2日、TBS) - 外科医・七瀬隆弘役
- ちゅらさん2 (2003年、NHK総合) - 紺野渉役
- スタジオ演劇 そのまま! (2005年5月、NHK教育「芸術劇場」内)
- 父に奏でるメロディー (2005年11月、NHK BShi)(2006年5月、NHK総合) - チェロ奏者・山際恭三役
[編集] その他テレビ
- 情報プレゼンター とくダネ! (2001年4月~2004年3月、フジテレビ系) コメンテーター
- ぶらり途中下車の旅 (2001年6月、2002年7月、2004年7月、2006年7月15日、日本テレビ系)
- 笑っていいとも! (2005年2月2日、フジテレビ系) テレフォンショッキング初出演
- 旅の香り (2006年2月、テレビ朝日系)
[編集] テレビCM
[編集] 映画
- 刺青 (1966年)
- 戦争と人間 第1部・第2部 (1970年-1971年)
- 金環蝕 (1975年)
- 虹の橋 (1993年)
- 四十七人の刺客 (1994年) - 吉田忠左衛門役
- 梟の城 (1999年) - 下柘植次郎兵衛役
[編集] 舞台
- 菊枕 (1974年 芸術座)
- 嫁しゅうとめ (1983年 芸術座)
- 新 となりの芝生 (1986年 芸術座)
- お嫁に行きたい!! (1987年 芸術座)
- 晩菊 (1993年 芸術座)
- 新・恋山彦 (2001年1月 新橋演舞場)
- 春が来た (2002年8月 ル・テアトル銀座)
- ビギン・ザ・ビギン (2002年11月 帝国劇場)
- 罠 (「五五の会プロデュース」全国公演 ~2004年9月九州公演で打ち終わり)
- マリー・アントワネット (2004年11月 新橋演舞場)(2006年4月~5月 大阪松竹座)
- おんなたちの同窓会 (2005年1月 名鉄ホール)
- 放浪記 (1987年~ 芸術座他) - 安岡信雄役
- ツキコの月 そして、タンゴ (2005年10月 帝国劇場、11月 中日劇場)
- 流星に捧げる (2006年3月 紀伊國屋サザンシアター)