山口厚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
記事の正確さ:この記事の正確さについては疑問が提出されているか、あるいは議論中です。詳しくは、この記事のノートを参照してください。 |
山口 厚(やまぐち あつし、1953年11月 - )は日本の法学者。専門は刑法。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。指導教官は平野龍一。東京大学法学部を全優の成績で首席卒業し、大学3年次に司法試験に全国2位の成績で合格した。
基本的な立場は、師匠である平野龍一による結果無価値論の流れをくむものであるが、山口刑法学はこれを徹底したものといえる。理論的に精密である。その特色として、以下のようなものが挙げられる。
- 構成要件論では: 実行行為概念の排除、客観的相当因果関係説、正犯性論における遡及禁止論の採用(客観的帰属論への接近)。
- 違法論では: 主観的違法要素の原則的否定(法益侵害の危険を基礎づける限りで承認)。
- 責任論では: 事実の錯誤論における具体的法定符合説、制限責任説の採用。
- 共犯論では: 因果共犯論および制限従属性説(混合惹起説)の採用。
さらに山口は、未遂犯と不能犯の区別についての修正された客観説、中止犯における新たな政策説(意識的危険消滅説)などを提唱している。
目次 |
[編集] 略歴
[編集] 業績
- 『刑法』(有斐閣、2005)
- 『刑法総論(補訂版)』(有斐閣、2005)
- 『刑法各論(補訂版)』(有斐閣、2005)
- 『理論刑法学の最前線』(共著)(岩波書店、2001)
- 『クローズアップ刑法総論』
- 『ケース&プロブレム刑法総論』(弘文堂、2004)
- 『問題探究刑法総論』(有斐閣、1998)
- 『問題探究刑法各論』(有斐閣、1999)
- 『危険犯の研究』(東京大学出版会、1982)
- 『考える刑法』(共著)(弘文堂、1986)