大連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大連(だいれん、たいれん。簡:大连、ピンイン:Dàlián)は中華人民共和国遼寧省の南部に位置する地級市(地区クラスの市)。経済的重要性から省クラスの自主権をもつ副省級市にも指定されている。総面積12,574平方キロ、旧市街地面積2,415平方キロ。人口は約650万人。
目次 |
[編集] 地理
遼東半島先端部に位置し、西は渤海湾、東は黄海である。海を隔てて山東半島を臨む。
[編集] 歴史
魏晋の時代には三山と呼ばれ、唐代には三山浦、明清時代には三山海口、青泥洼口と称した。1880年代に清朝が大連湾北岸に砲台を築き、ようやく都市が形成され始めた。日清戦争後、三国干渉の代償として、清から旅順と大連などの関東州を1898年に租借したロシアが、同地にハルピン(哈尔滨)から延伸した東清鉄道の終着駅を設け「ダーリニー」(Дальний; 「遠い」)と名づけ、旅順にある艦隊と要塞の物資をまとめる拠点とした。日露戦争後、ポーツマス条約により日本に租借権が譲渡された。日本は古地図に見られる中国語の地名「大連湾」からとった「大連」を都市名として採用した。これはロシア名のダーリニーと発音が似ていることにもよる。日本の植民地時代の大連に関しては清岡卓行の、『アカシヤの大連』をはじめとする一連の大連ものの小説において描かれていることで有名。
1951年に旅順市を合併し、旅大と改称したが、1981年に元の大連に名前を戻している。
[編集] 経済
1978年に始まった改革開放政策の一環として1984年に経済技術開発区に指定された。 日本企業、韓国企業の進出が著しい。
大連港は中国第3の港湾都市で、最大の石油輸入港である。2003年の輸出総額95.3億米ドル、輸入総額77.7億米ドルであった。2006年現在、新港の建設が進められている。
多くの世界的企業がコールセンターを置いている。
[編集] 行政区画
- 甘井子区 491平方キロ、 54万人
- 旅順口区 506平方キロ、 21万人
- 西岡区 26平方キロ、 33万人
- 中山区 43平方キロ、 37万人
- 沙河口区 49平方キロ、 60万人
- 金州区 1390平方キロ、 66万人
- 瓦房店市 3791平方キロ、 103万人
- 普蘭店市 2923平方キロ、 82万人
- 庄河市 3866平方キロ、 90万人
- 長海県 152平方キロ、 9万人
[編集] 教育
- 大連理工大学
- 大連海事大学
- 大連医科大学
- 大連交通大学
- 大連水産学院
- 大連民族学院
- 大連外国語学院
- 東北財経大学
- 遼寧師範大学
- 大連大学
- 大連軽工業学院
[編集] スポーツ
[編集] 交通
- 大連駅
- 日本統治時代に上野駅を模して作られた巨大ターミナル駅。目の前には広大な駐車場があり、2階が出発、1階が到着と空港のようなつくりになっている。
- 市街地の北に位置し、大連中心部からは車で20分ほどの距離。
- 大連港
- 日本統治時代からアジア有数の港。4つの埠頭を持つ不凍港である。
[編集] 観光地
- 中山広場
- 日本統治時代は大広場と呼ばれ、ここを取り囲むように旧大連市役所や旧ヤマトホテル(現大連賓館)、旧警察署や銀行などが当時のまま残っている。ここ以外にも市内にはたくさんのロータリーとなっている広場があるが、これはもともとパリを模して都市を設計したからである。
- 星海広場
- アジアで最大の都市広場。総面積は110万平方メートルにも及ぶ。オープンは香港が返還された1997年6月30日。その後も整備が進められている。中央にはシンボル塔「漢白玉華表」がそびえる。中央の散策路沿いには噴水が続き、水のカーテンを見ながら歩くのも楽しい。遊園地もある。広場内には馬車が走り、レンタル自転車も。東側に建つ高層リゾートマンション「星海国宝」とお城風の貝殻博物館が“夢の国”の雰囲気を演出している。夜のライトアップも美しい。広場中央から500メートルのところにイベント会場として有名な「会展中心」がある。
- 人民広場
- 大連を代表する広場。広さは12.5万平方メートルもあり、緑鮮やかな芝生は4万平方メートルにも及ぶ。北側の正面には市人民政府、東西には法務院、検察院、公安局が配置され、行政の中心部になっている。広場の南側には噴水が備え付けられ、毎日12、19、20、21時に30分間、見事な水の芸術を見せてくれる。名物になっているのが、中央を横切る中山路で交通整理をする婦人警察官。さっそうとした姿は、格好の被写体だ。
- 労働公園
- ロシア人が1898年に開設、当時は「西公園」と呼ばれた。その後の日本占領時代にゴルフ場、相撲場、プール、乗馬倶楽部がつくられ、「中央公園」に。現在は、大連市中心部で最大の公園となり、面積は102万平方メートル。一各種植物が植栽されているほか、ゴルフ場、テニス場、スケート場もある体育と娯楽施設もある。さらに小動物園、遊園地もある。
- 勝利広場
- 大連駅の正面一帯に広がるショッピングゾーン。勝利広場は2つの円形ビルの間にあるローマ式広場で、台湾と大連の合資でつくられた。さらに南側には大きな百貨店街が続く。日中合資のマイカルもその一つで、香港合資で建てられた「百年商城」とともに高級店となっている。平日でも買い物客でにぎわい、週末にはファッションショーやバンド演奏なども行われる。また地下にも巨大な地下街ショッピングモールがある。地下2階には「日本語コーナー」もある。
- 老虎灘
- テレビ塔
- 労働公園の南側の小高い山の上に立つ。東京タワーのように、上層部には展望台が設けられ、大連市街を一望できる。
[編集] 友好都市
[編集] 出身有名人
- 千田夏光(作家)
[編集] 外部リンク
- 大連情報サイトIDWEB(日本語)
- 大連市人民政府公式サイト(中国語、英語、日本語、韓国語)
- 大連IT-WebSite(中国語、英語、日本語、韓国語)
- China Door~大連タウン情報(日本語)
- 大連ローカル~中国・大連のお店探し、生活情報(日本語)
- 看看大連-旅行者のための大連情報(日本語)
カテゴリ: 中華人民共和国の都市 | 満州 | 遼寧省