大屋晋三
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大屋 晋三(おおや しんぞう、1884年7月5日-1980年3月9日)は、日本の政治家、実業家。帝人社長。「テトロン」を導入し、経営危機に陥っていた帝人を瀬戸際で救ったカリスマ経営者として高い評価を受けている。政界でも活躍し、第二次吉田茂内閣の商工大臣・第三次吉田茂内閣の運輸大臣を務めた。妻は大屋政子。1980年に死去するまで社長の座にとどまったが、政権末期には高齢からくる経営能力の低下に加え、夫人も人事に意見するなど、ワンマン経営により、大きく停滞することになる。これを教訓として、現在の帝人には定款で社長の任期制限が設けられている。
[編集] 経歴
- 1884年、群馬県出身
- 苦学して東京商大(現・一橋大学)に進学。しかし、下宿先の未亡人との間に子供ができたため学生結婚。
- 1918年、鈴木商店に入社
- 1925年、帝国人造絹絲株式会社に派遣
- 1945年、帝国人造絹絲株式会社社長に就任
- 1947年、民主自由党から参議院議員選挙に立候補し当選
- 1948年、第2次吉田内閣で商工大臣に就任
- 1949年、第3次吉田内閣で運輸大臣に就任
- 1950年、鳩山一郎の引き合わせで出会った歌手の大屋政子と不倫の末結婚
- 合成樹脂の台頭により帝人の業績が悪化。1956年に呼び戻され社長に就任
- 1958年、ポリエステル繊維に注目し、導入。「テトロン」という名で発売し大ヒット。ぎりぎりのところで帝人を救った。
- 1971年、勲一等瑞宝章受章
- 1980年、死去。死ぬまで社長を務めていた。