大井川鐵道E10形電気機関車
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大井川鐵道E10形電気機関車(おおいがわてつどうE10がたでんききかんしゃ)は大井川鐵道が所有する電気機関車で、3両が在籍している。
[編集] 概要
大井川鐵道大井川本線の電化に際して三菱重工(1号機、2号機)と日立製作所(3号機)で1949年(昭和24年)に製造した電気機関車で、小型のデッキを持つ45tB-B箱型電気機関車と当時の私鉄では大型に属している。外見は当時量産されていた国鉄のEF58(旧車体)・EF15と良く似ていて、同型には神戸電鉄701形や小田急電鉄デキ1041形(1号機、2号機)、秩父鉄道デキ100形(3号機)などが挙げられる。
大井川鉄道の貨物廃止は1983年(昭和58年)で、それ以降はSLの補機やイベント列車に使用されてきた。製造所が異なるE103は貨物の減少により1970年(昭和45年)9月に岳南鉄道に譲渡されたが、岳南鉄道の貨物減少と大井川鐵道のSL列車増発による補機仕業増加と、両社の機関車需要が変化したことから1984年(昭和59年)4月に帰ってきた。
E103は本来いぶき500形の入線で引退の予定だったが、中部国際空港埋立土砂輸送のためいぶき500形が三岐鉄道に貸し出されたため延命した。2003年(平成15年)3月18日で中部国際空港埋立土砂輸送が終了すると同時にいぶき501が大井川鐵道に返却されたので、現在は千頭駅の留置線に留置されている。
[編集] 主要諸元
- 全長:12,800mm
- 全幅:2,708mm:(E101~E102) :2,700mm(E103)
- 全高:4,135mm(E101) :4,200mm(E102) :4,040mm(E103)
- 運転整備重量:45.0t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 台車形式:形鋼組立
- 主電動機:MB-266-A(E101~E102)×4基 :HS-267A(E103)×4基
- 歯車比:18:80=1:4.44
- 1時間定格出力:600kW
- 1時間定格引張力:7,000kg
- 1時間定格速度:
- 動力伝達方式:歯車1段減速、吊り掛け式
- 制御方式:重連総括制御、抵抗制御、2段組み合わせ制御
- 制御装置:電磁空気単位スイッチ式
- ブレーキ方式:EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ、発電ブレーキ