士別軌道

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士別軌道の路線バス（1994年頃）

士別軌道株式会社（しべつきどう）は、北海道士別市に本社を置くバス会社。

[編集] 概要

1919年設立。当初は士別（士別市）と旧上士別村字奥士別（旧朝日町）を結ぶ軽便鉄道（1959年廃止）を運行していた。一時は貨物運送事業も行っていたが、現在はバス事業専業となっている。乗合は士別市内線と士別～風連を結ぶ路線を運行しているほか、観光貸切や旧朝日町の福祉バスの運行委託を行っている。路線バスには主に日野車を使用し、貸切バスには主に三菱車を使用している。新車の導入も一部なされるが、中古車の割合が高い。路線バスの輸送人員は1日平均740人（2005年）。

同社はもともと国有林の林業輸送のために設立され、奥士別で営林署の森林鉄道（奥士別～天塩岳御料地内間30.5km、辺渓線10.2km、似峡線7.0km、咲留線3.7kmなど）に接続していた。奥士別には皇室の御料林があり、1939年に当時の帝室林野局が木材の円滑な搬出、運送を目的として同社の株を取得し皇室財産に編入された。戦後、皇室財産は国庫に編入されることとなったため、同社の株式は1949年国有林野事業特別会計に引き継がれ、永らく発行済株式の約95%を国が保有していた。そのため地方のローカルバス会社にも関わらず会計検査院法が定める「国が資本金の2分の1以上を出資している法人」に該当し、政府関係機関として会計検査院の検査対象となっていた。しかし、その後林業をめぐる情勢の変化により、1988年頃にはほとんど運材料がなくなり、トラックによる運材部門が廃止となり、国が株を保有している必要がなくなった。そのため地元の士別市及び朝日町に対し株式の買い取りを求め、買取価格が折り合わず難航した。その後2001年 9月26日に国が保有する株式の一部を売却したため、2001年度を最後に会計検査の対象から外れることとなった。

[編集] 沿革

1919年（大正8年）　会社設立
1920年（大正9年）6月1日　士別～上士別間10.8kmで軌間762mmの馬車鉄道が開通
1925年（大正14年）6月6日　士別～奥士別間21.4kmが全通
1928年（昭和3年）8月　動力を馬から蒸気機関車へ変更
1930年（昭和5年）5月　士別駅前～温根別間で路線バスの運行を開始
1932年（昭和7年）4月　士別駅前～奥士別間で路線バスを運行
1939年（昭和14年）　帝室林野局が株式取得
1942年（昭和17年）4月　燃料事情の悪化により路線バスを運行休止
1944年（昭和19年）11月　戦時統合により、休止中のバス事業（3台）を道北乗合自動車へ譲渡
1948年（昭和23年）9月　士別駅前～奥士別（朝日）間で路線バス運行を再開
1949年（昭和24年）　国有林野事業会計で株式保有を継承
1959年（昭和34年）10月1日　軌道線全線廃止。バス専業となる
1959年（昭和34年）12月　冬季除雪の向上により、市内循環線の一部を除いてバス路線が通年運行となる
1988年（昭和63年）　貨物運送事業を廃止

[編集] 路線（軌道）

[編集] 路線データ

路線距離（営業キロ）：21.4km（一部併用軌道）
軌間：762mm
駅数：11駅（起終点駅含む）
複線区間：なし（全線単線）
電化区間：なし（全線非電化）
動力：馬力→蒸気→蒸気・内燃併用

[編集] 駅一覧

1940年当時

士別駅 - 兵村駅 - 九十九駅 - 中士別駅 - 学前駅 - 奥野駅 - 鳴門駅 - 上士別駅 - 二十二線駅 - 二十七線駅 - 奥士別駅

[編集] 路線（バス）

路線名	運行区間
市内循環線	士別駅→北6丁目→つくも団地→市役所前→市立病院前→士別駅
朝日線	士別駅－上士別－朝日（旧奥士別駅）
温根別線	士別駅－西士別－温根別－南15線・北16線
川南線	士別駅－上士別－成美5号－大和
武徳線	士別駅－つくも－武徳12号
中多寄線	士別駅－多寄－日向温泉－30線西3号－風連駅

市内循環線は、外回り（通年運行）と内回り（冬季運行）、西回り（冬季運行）がある。
登和里線（士別駅－朝日－登和里）と三栄線（士別駅－朝日－ペンケ）は2004年3月に廃止され、朝日以遠は旧朝日町（現士別市）の無償コミュニティバスとして、士別軌道が委託運行。
川西・南沢線（士別駅－川西13線－南沢11号）は2005年8月に運行休止となり、試験的に「丘のランランバス」という士別市のデマンドバスを士別軌道が委託運行。