国頭ラジオ中継局
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国頭ラジオ中継局(くにがみらじおちゅうけいきょく)は沖縄県国頭郡国頭村字安田(あだ)にある琉球放送(RBCiラジオ)とラジオ沖縄(ROK)の中継局である。本来、両局ともAMラジオ局だが、外国からの電波による混信を防ぐためFMに変換したうえで放送を行っている。2001年4月1日開局。
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[編集] 概要
沖縄本島北部では夜間になると県外のAMラジオ局が入りやすい環境にあった一方、県内の民放AMラジオ局は外国(特に中国や朝鮮半島)からの電波に遮られ、受信が困難とされていた。このためRBCは1995年、ROKは1998年にそれぞれ親局である那覇本局の出力を5kWから現在の10kWに引き上げ(ROKは同時に送信所と周波数も変更)、難聴改善をはかったものの、送信所がいずれも沖縄本島南部(RBCiは豊見城市、ROKは南城市)にあるため遠く、遠ければ遠いほどまったく効果がないところもあるため、2001年に沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会(島田懇談会)による関連事業(北部地域難視聴解消事業)の一環として、RBCiラジオ・ROKについて名護市にある名護ラジオ中継局と同時に設置され(NHK沖縄放送局のラジオ第1は先行開局のAM中継局がカバーしていた)、同中継局からさらに遠く且つカバーしきれない国頭村東部(沖縄本島最北東部)をカバーするようになった。本来はAMラジオであるためAMでの中継局を設置すべきだが、前述のとおりAMでは難聴取解消につながらないため、混信の影響をまったく受けないFMでの中継局設置となった(当然モノラル放送だが、沖縄のAMは全局AMステレオ放送を実施していない)。
放送局名 | 周波数 | 空中線電力 | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 |
---|---|---|---|---|
ROKラジオ沖縄 | 86.3MHz | 100W | 沖縄県 | 約240世帯 |
RBCi琉球放送 | 88.8MHz |
[編集] 放送エリア
- 国頭村のうち、安田・安波・楚洲・奥の東海岸地域(主に沖縄県道70号国頭東線沿いの集落)で、これらの地域は西海岸(国道58号沿い)とは与那覇岳(沖縄本島最高峰・503m)などの山原の高い山があるため、西海岸をカバーする名護ラジオ中継局では受信が困難であるため同時に設置された。
- このほか隣村の東村や名護市久志地域の一部でも受信が可能であるほか、鹿児島県与論島でも受信できる場合がある(いずれも名護ラジオ中継局は受信可能)。
[編集] 当該エリアの他のラジオ・テレビの受信状況
- NHKはラジオ第1が名護市屋我地島の運天原にあるNHK名護ラジオ中継局(民放とは別場所)からAM波(531kHz)で送信しており、こちらは本島北部全域をカバーしており、国頭村東部でも十分に聴取できる。ラジオ第2放送は昼間は那覇本局(豊見城市・1125kHz)で受信可能、しかし夜間は外国からの混信で同局からの受信は困難であるものの、番組内容が全国一律であるため、他県の放送局のラジオ第2放送を受信している。
- FM放送は今帰仁村にある今帰仁テレビ・FM中継局を受信しているほか、那覇本局からも受信可能であるものの、いずれも先述のとおり地理的上聴取できないところもある(カーラジオでも多少の雑音が入る)。
- テレビ放送もFM同様今帰仁テレビ・FM中継局から受信しているが、地理的上直接の受信は困難で大半が同中継局から共同受信施設(共同アンテナ)を介して受信している。しかし中には鹿児島県の与論中継局から同県のテレビを受信しているところもあるが、地形上受信は容易ではない。