名鉄モ700形電車
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モ700形電車（も700がたでんしゃ）とは、名古屋鉄道の前身の一つである（旧）名古屋鉄道（→名岐鉄道）が1927年に製造した電車である。
本稿では、類似車両であるモ750形についても記述する。
[編集] モ700形
デセホ700形として、1927年に日本車輌製造が10両を製造した。同社初の半鋼製車両で、リベットを多くつけた丸屋根を持つ両運転台の3扉を備えた小型車両である。連結器は当初密着連結器であったが、すぐ他系列との連結を行えるよう自動連結器に交換された。なお後に片側の運転台が取り外されたが、貫通扉と幌は取り付けられなかった。
現・名古屋鉄道の前身の一つとなる名古屋電気鉄道は、元々名古屋市における路面電車を運営していた会社であり、それが「郊外線」として現在の名古屋本線の一部や津島線・犬山線などを建設した。その後、郊外線部門は新設会社「名古屋鉄道」へ、市内線部門は名古屋市電に譲渡し解散した。
その名残で、名古屋鉄道は名古屋市北外れの押切町駅の他に、名鉄が市電に乗り入れる形で名古屋駅から少し離れた位置にあった柳橋駅もターミナル駅にしていた。そのため、デセホ700形の集電装置は郊外線用のパンタグラフと、市電区間用のポールを両方備えることになった。
製造まもない11月には、昭和天皇の犬山への陸軍特別大演習視察に伴うお召し列車用として、2両が抜擢された。
名古屋鉄道は1930年に名岐鉄道と改称するが、1935年の愛知電気鉄道との合併で再び名古屋鉄道となった。その際、形式番号はモ700形に改められる。その後、旧名岐鉄道と旧愛知電気鉄道の路線が1944年に接続され、旧名岐鉄道の架線電圧が1948年に600Vから1500Vに昇圧されると、モ700形は各務原線へ転じた。ポールはこの時撤去されている。
しかし同線も1964年に1500Vへ昇圧され、その際4両(707~710)が北陸鉄道へ、2両(701・705)が福井鉄道へ売却されて、更に1両(706)が火災で焼失したため、3両(702~704)が広見線・小牧線へ転属し、1966年には瀬戸線へ転じた。
1978年には瀬戸線の1500V昇圧により、揖斐線・谷汲線へと又しても転属する。その際、制御器・電動機・台車が交換された。この頃、北陸鉄道・福井鉄道へ転じた車両は廃車になっている。また揖斐線・谷汲線への転属後、モ750形と共に窓のアルミサッシ化など延命工事が施された。
同線ではク2320形と組み合わされて使用されるなど、長らく主力車両であったが、1998年に後継車両モ780形が製造されたことで、片運転台で使用しにくかったこともあって廃車された。
[編集] モ750形
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1928年にデセホ750形として、デセホ700形の増備のため8両が製造され、1929年にはさらに2両が増備された。
1932年に鉄道省高山本線との直通運転列車（→名鉄キハ8000系気動車・「たかやま」・「北アルプス」の記事も参照）が柳橋駅－下呂駅間で運転開始されると、モ750形2両(755・756)はお座敷車両に改造され、高山本線内では蒸気機関車に牽引されて運用についた。
モ700形同様の流れで、各務原線、広見線・小牧線、瀬戸線、揖斐線・谷汲線と場を転々としながら使用されてきた。この間、モ756が両運転台のまま電装解除されク2150形2151となったが、1978年に廃車されている。また、一部の車輛は片運転台化されたが、揖斐線・谷汲線のワンマン運転開始時に両運転台に戻されている。モ700形と違い単行で使用できることから、モ780形投入後も揖斐線の黒野駅－本揖斐駅間と谷汲線が廃止される2001年までモ751・754・755の3両が使用され、廃車後はモ751が同県北方町のパン屋へ売却され、モ754はカットされ愛知県瀬戸市の瀬戸蔵に、モ755が谷汲線の終着駅であった谷汲駅跡で保存されている。
 運転台 |
 室内 |
