合身戦隊メカンダーロボ
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『合身戦隊メカンダーロボ』(がっしんせんたいメカンダーロボ)は、1977年(昭和52年)3月3日から同年12月29日まで東京12チャンネル系で毎週木曜日19:00 - 19:30(5話まで)、毎週木曜日19:30 - 20:00(6話から)に全35話が放送された、和光プロ製作のロボットアニメ。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] ストーリー
ガニメデ星の支配者へドロン皇帝の指揮するコンギスター軍団は地球に侵攻、95%を占領。地球の主要エネルギー源である原子力を封じるために、原子炉を破壊するオメガミサイルを装備した監視・ミサイル衛星を衛星軌道上に配置した。コンギスター軍団の占領から唯一逃れた日本で、敷島博士は地球を取り戻すために空母キングダイヤモンドと超性能戦闘ロボット『メカンダーロボ』を建造し、コンギスター軍団に立ち向かう。
[編集] 概要
メカンダーロボの基地は、キングダイヤモンドと呼ばれる陸上空母。通常時は野球場にカモフラージュしており、戦闘時には変形して移動する。メカンダー1、2、3と呼ばれる3機の戦闘機と、メカンダーロボを格納、有事には発進させることができる。メカンダーロボの操縦者のジミー・オリオン、八島小次郎、敷島竜介の3名はそれぞれメカンダー1、2、3に乗り込み出動する。その後、3機を合体させメカンダーマックスとなり、キングダイヤモンドから射出されたメカンダーロボの背中と合体する。それによりメカンダーロボの超性能原子炉が起動して戦闘準備が完了する。(のちにトライカー(F1、GT2、B(バギー)3)という地上走行型メカも登場した)
ただし、コンギスター軍団の策略により、原子炉が作動すると同時に敵の監視衛星が検知して、その原子炉反応をもつ物体めがけてオメガミサイルが発射されるようになっているため、メカンダーロボはオメガミサイルに撃墜される前に敵を粉砕し原子炉を停止させなければならず、戦闘時間に制限を設けられたスリルのある展開となっていた。
オメガミサイルはコンギスター軍団が衛星軌道上に設置した合計7つの監視・ミサイル衛星より発射される通常弾頭のミサイル。誘導装置は原子炉の核分裂又は核融合反応をセンサーで探知して、飛来・爆発する為に、事実上核を使った軍事兵器は使用不可能となってしまう。メカンダーロボもその例外ではなく、原子炉をONにしておおよそ3分から5分でこのミサイルが飛来するため、この時間内に地上の敵となる目標を排除し、停止しないと、戦闘に勝ってもこのミサイルに撃破されてしまう。
メカンダー・ロボの射撃部門を担当する主人公のジミー・オリオンはコンギスター軍団に侵略されたマゼラン星のガニメデ出身という悲惨な過去をもち、さらに、ジミーの母親が改造されて敵司令のメデューサ将軍となり、地球侵略をすすめている(しかもジミーは敵将が母である事を知らない)という、重厚な設定が異色だった。今でも傑作の呼び声が高い。
なお、メデューサは戦闘が終わり、月の周期(満月)の夜間になると一時的に元の自我を取り戻す為、昼間の冷酷な自我との落差に苦しむという流転のドラマが展開された。
[編集] スポンサーの倒産
本作品のスポンサーはブルマァクであったが、放送中に倒産。引き継ぐスポンサーも現れず、製作資金が提供されなくなった。
このような場合、『手塚治虫のドン・ドラキュラ』のように番組自体が打ち切りになるのが通例と言えるが、本作においては、製作済のフィルムや素材を使い回し、総集編のような内容となりながらも製作、放映が続けられ、一応の完結を迎えることになった。
[編集] 主要登場メカ
メカンダーロボ
- 敷島博士が地球の奪回を目指して開発したスーパーロボット。全長120メートル、重量32トン、原子力を動力に用い出力は80万馬力である。超鋼軽合金KS鋼に身を包みコンギスター軍団と戦った。23話でメカタイガーシャークに破壊される。合身戦隊の名前はコクピットとなるメカンダーマックスが3機合体の飛行メカであったことによる。
- 武装
- メカンダーUFO・・・両腕に装備されたスパイク付きバックラー。メカンダーロボの外観の特徴にもなっている。
- UFOグラインダー・・・腕に装着したまま回転させ敵を攻撃する。
- UFOフレイザー・・・盾として用いる場合の呼称。
- UFOダブル・・・2枚同時に投げ、合体して攻撃する。
- UFOブーメラン・・・単独で投げる。
- メカンダーフェンサー・・・右腕に収納されている両刃の剣。
- メカンダーフレイム・・・胸から出す火炎。しかしその火炎は、メカンダーロボの動力となっている原子炉の炎であるので、現在の観点から見ればあまりにも危険極まりない武器である(放射能を撒き散らしているため)。
- メカンダーライチャック・・・アンテナから放つ光線。企画書ではライチャックと記載され、光線と両耳部を取り外して作り出すヌンチャク風武器の両方の名前となっていた。
- ライチャック・ボーラー・・・両耳が分離し電波誘導で攻撃する。または合体してできるアメリカン・クラッカー風の武器。本編ではこれもメカンダーライチャックと呼ばれていた。
- メカンダースペンサー・・・足の装甲が形成する刃。
- メカンダーリファイド・・・機体からの放電攻撃。自身にもダメージの及ぶ自傷武器。
- メカンダーロケットガン(メカンダーガン)・・・拳が回転して消失、手首の部分から出る5連装砲。
- ジョーズ・・・サメ型内蔵地上魚雷(正式名称は『空中大型魚雷ジョーズ』)。
- コバンザム・・・ジョーズの強化カートリッジ。ジョーズに貼り付いて威力を増す。単体でも使用可能。後に新コバンザムとなった。
- シェパード・・・イヌ型内蔵地上魚雷。ジョーズに変わる新兵器、のはずだったが1話かぎりの登場だった。
- メカンダープレーン1(メカンダー1)
- 全長20メートル、重量2.8トン。最高速度マッハ5で最大航続距離7000キロメートル。ハイパワーロケットエンジン2基を装備する。ジュラルミンより軽いカーボンファイバーで作られている。メカンダーマックスの機体前半となる。
- メカンダープレーン2(メカンダー2)
- 全長9メートル、重量1.8トン。最高速度マッハ3、最大航続距離7000キロメートル。ハイパワーロケットエンジン3基を装備。メカンダーマックスの後部となる。
- メカンダープレーン3(メカンダー3)
- 全長10メートル、重量1.5トン。最高速度マッハ3。最大航続距離7000キロメートル。ハイパワーロケットエンジン2基を装備。メカンダーマックスの底部となる。24話以降登場しない。
- ※武装は3機同じでジャイロン機関砲2門、ミサイル「スカイドンキー」7発。
- メカンダーマックス
- メカンダープレーン1、2、3が合体した機体。全長30m、重量6100kg。最高時速マッハ5で最大航続距離5000km。この機体が合体しないとメカンダーロボ(動力源の原子炉)は起動できない。
- 武装
- ブルサンダー・・・バッファロー型の合体ミサイル。メカンダープレーン1、2、3がそれぞれ同時に発射する3つの部品が空中で合体し強力な追尾ミサイルとなる。
- トライカー1(トライカーF1)
- 15話から登場した地上用メカ。合体しトライカーマックスとなってメカンダーロボに合体する。メカンダープレーンの地上版。ガスタービンエンジン2基を搭載し時速350キロを超えるスピードを誇る。トライカーマックスの前部となる。
- トライカー2(トライカーGT2)
- 同じくレーシング用ターボマシン2基搭載の地上用メカ。時速300キロを超えるスピードを出すことができる。トライカーマックスの後部中央となる。
- トライカー3(トライカーB3)
- ロケットエンジンを搭載し常に時速300キロを維持できる。コクピットがリアウィングとなり胴体が左右に広がりトライカーマックスの左右後部とリアウィングになる。
- トライカーマックス
- トライカー1、2、3が合体したビークル。メカンダーマックスと同じくメカンダーロボの起動に欠かせないメカ。余談だがメカンダーマックスが破壊されて登場したわけではなく、コクピットになるメカが同時に2つ存在している。
新メカンダーロボ
- 24話から登場したメカンダーロボのニューバージョン。武装やデザイン、機体色などはまったく変わらないが、装甲がポリマースチール製となりマイクロコンピューターで伸縮自在となる。この改造に合わせてメカンダープレーンとトライカーにロボ本体が4分割されて縮小のうえ搭載され、名実ともに合身ロボとなった。しかしもともと単体ロボを合体ロボにしたため、まさにアオシマの合体プラモデルそのままの分割となっている。パーツごとが分離合体後、巨大化してメカンダーマックスとトライカーマックスが合体する。機体の組み合わせは以下のとおり。31話でドラゴンドリラーに倒される。
- 新メカンダープレーン1(メカンダー1)+ロボ頭部・・・メカンダーブレーン。ジミーが搭乗。
- 新メカンダープレーン2(メカンダー2)+ロボ腕・・・メカンダージャイロ。小次郎が搭乗。
- ※メカンダープレーン1と2でメカンダーマックスになるように改造されたので新メカンダープレーンと呼称。これまで同様に背中に合体する。
- 新トライカー1+ロボ胴体・・・メカンダーベース。竜介が搭乗。
- 新トライカー2+ロボ脚・・・メカンダージャック。ミカが搭乗。
- ※番組中ではあくまでトライカー1とトライカー2と呼ばれていたが、旧トライカー1、2、3が合体したトライカーマックスとほぼ同じデザインで、2機合体に変更されたため旧トライカー1と2を混ぜたような新しいトライカー1と旧トライカー2と3を混ぜたようなトライカー2となっているため便宜上新トライカーと呼称する。合体後はトライカーマックスとしてメカンダーロボの脚に収納される。
メカンダーロボ・パート2
- 新メカンダーのスペア機と思われる。32話から登場。ただし新メカンダーロボの、合体後の巨大化状態を指すこともある。武装やデザイン、機体色など変わり無し。
- 基地
- キングダイヤモンド
- メカンダーロボの基地。移動母艦であるが普段は球場に偽装されている。全長1200m、重量53000t。オメガミサイル対策の為、動力源は原子力ではなく石油(ディーゼルエンジン?)。14話の東京ブラックホール作戦によって小破。
- 新キングダイヤモンド
- 16話から登場。ジャンボジェットエンジンの10倍の推進力とされるウルトラエンジンを2基装備し移動能力がアップ。22話でスタジアム基地を失ったため球場への偽装はできなくなった。天然ルビーを用いたレーザー光線砲と特殊レーザー砲を装備し戦闘力もアップした。
[編集] スタッフ
- 原作:和光プロ
- 企画:和光プロ・東急エージェンシー
- 製作:高橋澄夫
- キャラクターデザイン:岡迫亘弘
- メカニックデザイン:メカマン(大河原邦男)
- 音楽:渡辺宙明
- 主題歌
- 「トライアタック! メカンダーロボ」(作詞:保富康午、作曲:渡辺宙明、歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会)
- 「さすらいの星 ジミーオリオン」(作詞:保富康午 作曲編曲:渡辺宙明 歌:水木一郎)
[編集] キャスト
[編集] 放送リスト
- コンギスター軍団日本大襲撃!
- 謎の戦士ジミー・オリオン
- ジミー決死のパワーイン
- 見よ! あれが空中要塞都市だ
- 大輸送船団を死守せよ!
- 出撃!! 空母キングダイヤモンド
- コンギスター軍団ハワイ全滅作戦
- 叩け! オメガミサイル
- 最後の戦線南シナ海
- 危うし! メカンダーマックス
- 必殺! メカンダーフェンサー
- 謎のビッグハリケーン
- 幻の大西洋艦隊を救出せよ!
- 東京ブラックホール作戦
- 出撃! 合身トライカー
- メカンダーロボ危機一髪
- オメガミサイルを撃滅せよ!
- 狙われた秘密基地
- 魔のペルシャ湾に突入せよ!
- 反撃シンガポール奪回作戦
- あの巨大ロボットを撃て!
- スタジアム基地の最後
- 母よ永遠に眠れ
- 4体合身メカンダーロボ
- 謎の謀略作戦をあばけ!
- 決死の宇宙戦争
- 潜入! 空中要塞都市
- 振りむくな!ジミー・オリオン
- 攻撃目標は敵機動部隊
- 謎のランドルート作戦
- 死闘! 静止衛星破壊作戦
- メデューサ南海に死す
- 進め! 地球軍大反撃
- 大将軍オズメルの最期
- メカンダーロボよ永遠(とわ)に
[編集] 関連項目
東京12チャンネル 木曜19時台前半(1977年3月) | ||
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東京12チャンネル 木曜19時台後半(1977年4月~1977年12月) | ||
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