音羽ゆりかご会
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音羽ゆりかご会(おとわゆりかごかい)は日本で最も伝統のある児童合唱団。
戦後ウィーン少年合唱団の来日以来、国内の合唱団の多くが頭声発声に切り替え、常任指揮者を持つようになる等の影響を受けた中、現在でも指揮者を用いない演奏方法で民族音楽の伝承を実践し、世界的に評価も高い。
創設は1933年。名称にもなっている東京都文京区音羽の護国寺にて童謡作家の海沼實が創設し、戦後初期には川田三姉妹(正子、孝子、美智子)をはじめとした童謡歌手を多数輩出したことで知られる。
第二次世界大戦直後には、日本放送協会の嘱託となり「東京放送児童合唱団」として活動、4年間もの長期にわたって放送されたラジオドラマ鐘の鳴る丘の主題歌「とんがり帽子」などを歌った。
その後、日本コロムビア(現・コロムビアミュージックエンタテインメント)と提携して「コロムビアゆりかご会」として活動したこともある。この時期には、子ども向けアニメーション番組のテーマソング(アニメソング)を多数手がけ、常にアニメソング界をリードする存在とまで言われた。
1990年には、ニューヨーク・カーネギーホールで日本の児童合唱団としては初めての単独公演を実施した。
現在は、創設者の孫にあたる三代目海沼実による新作童謡のCD化などがおこなわれるとともに、国際的な児童音楽祭にアジア地区を代表して参加するなど、日本の児童音楽文化とも言える童謡を世界に広めようと取り組んでいる。