ブルマァク
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ブルマァク(ぶるまぁく、1969-1977)は、かつて日本に実在した玩具メーカーである。
[編集] 概略
プラモデル黎明期に国産プラモデルの流通に多大に貢献し、ブリキ玩具での業界のトップであった玩具メーカー、マルザンの元社員らが中心となって1969年に設立された。当初はマルザンの看板商品であったウルトラ怪獣のソフトビニール人形や同じ円谷作品の『快獣ブースカ』のキャラクター商品を発売して人気を集めた。特にウルトラシリーズの怪獣人形には円谷プロオフィシャルの証とも言うべき怪獣の足型がパッケージにプリントされており、コレクターの興味をそそった。また各怪獣人形の足裏にはかならずブルマァクの刻印がなされており、真贋の目安になった。しかし人気シリーズの版権を抱えていた反面、無版権の類似商品の大量流出の影響で怪獣玩具の売れ行きが目減りしたことや、『ミラーマン』の関連商品の売り上げ難など、業績は頭打ちとなっていった。これはソフトビニール人形の金型が比較的安価に出来てしまう弊害であり、また生産が手作業に頼らざるを得ないために、番組人気と生産管理がうまく合わないというジレンマを抱えている業種であったことも一因とされている。『ミラーマン』では番組の人気が途中から低迷したため過剰に在庫を抱えたという。業績回復のために『トリプルファイター』の単独スポンサーとなるが、この作品は週5回放送で1回10分のため制作費が30分番組よりもかさみ、業績はさらに悪化した。
その後1973年ころから始まったポピー(現・バンダイナムコグループ傘下)の超合金のヒットに対抗して、自社オリジナルの合金玩具シリーズ「ジンクロン」を発売、『UFO戦士ダイアポロン』などの合金玩具を発売した。合金玩具の売れ行きは各社とも良かったが、亜鉛合金を用いるダイキャスト生産は多額の設備投資を必要としたため、経営悪化の状態は変わらず、1977年に倒産した。この為、『小さなスーパーマン ガンバロン』、『合身戦隊メカンダーロボ』(いずれも筆頭提供者だった)の番組放送が途中で打ち切られることとなった。
この時期はオイルショックを背景とする第2期怪獣ブームの終焉にあたり、株主や債権者が経営悪化を理由に債権を引き上げたための倒産とも言われる。
その後、ウルトラ怪獣ソフトビニール人形は1990年代のレトロブームを背景にバンダイからブルマァクブランドで発売され、2006年現在は2001年に社名変更した新ポピーに引き継がれている。現在のブランド名はブルマァク魂。また、ゴジラ及び東宝怪獣系はM1号より、ウルトラシリーズ、ミラーマンは有限会社やまなやがそれぞれ精力的に復刻発売している。
なおこのブルマァクのブランド名は創業者だった鐏(いしずき・金偏に尊)三郎が現在も所有している。
[編集] 参考文献
- マルサン‐ブルマァクの仕事 鐏三郎おもちゃ道 くらじたかし著、文春文庫
[編集] 関連項目
- マルサン商店:ブルマァクの母体となった玩具メーカー。