信長の野望覇王伝
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『信長の野望覇王伝』(のぶながのやぼうはおうでん)は1992年、光栄(現コーエー)から発売された歴史シミュレーションゲーム・信長の野望シリーズの第5作である。最初はパソコン版として発売され、後にスーパーファミコン、メガドライブ、3DO、プレイステーション、DOCOMO携帯電話のiアプリに移植された。
[編集] ゲームの特徴
ゲームの内容はこれ以前の国取りから城取りに変更。そしてひとつの国に城が2,3城(機種によっては最大で5城)存在し、本城と支城に分けられる。本城では支城にたいして評定を開き命令を下すことが出来る。
このゲームの最大の山場は部下のパラメーターに忠誠度がない(正確には見ることが出来ない)ためいつ裏切るか分からない点にあるという評価もある。忠誠度がわからなくなった代わりに気合が登場し、気合の回復が忠誠度の目安になった。そして内政をしていく上では非常に関係することとなり最大値に達しないとたいした働きを見せなくなるというものであった。これらをしていく上(戦争や外交などを行っても)で勲功がたまり、論功行賞を開き、忠誠度を上げていくというものである。
主人公は当然織田信長だが、約60の国に多くの大名がひしめき合っているため選択肢は高い。
このシリーズから家宝のバリエーションが増え、複数の能力を高められるものも存在する。また前作では軍師の資格を持つ者のうち、最も能力の高いものが自動的に軍師となっていたが、軍師の能力に達する者が2名以上いても自分で選べることが出来る。ただ直接的の役割が論功行賞の際の助言ぐらいしかなく飾りに過ぎないというユーザーもいる。
従来作で家臣への褒美は金が中心であり、『武将風雲録』で茶器が加わったが、本作では知行(領地)の加増が中心となった。地方知行制(現地領主として土地支配させる)をシミュレートしている。また、アイテムも茶器に加え、武器防具や舶来品など、飛躍的に種類が増えている。さらに、効果は小さいが、無料で発行できる感状もある。いずれも、勲功に応じて必要量(またはアイテムの等級)は増え、勲功に引き合わない行賞を行うと忠誠度が下がってしまう。
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- 金銭はもっとも手軽だが、忠誠度は上がりにくい。
- 知行加増は忠誠度も上がるが、加増した分大名の米収入が減ってしまう。忠誠度を犠牲に、減封することもできる。
- 知行の転封は、京都に近い土地に移すと忠誠度が上がるが、逆は下がってしまう。ただし加増することで低下を避けることはできる。
- アイテムは忠誠度が大きく上がり、多大な勲功にも報いることができる。
- 拝領は大名の名前を一字与えるもので効果も高いが一度しか使えない。(家臣の仕官先が変わっても)
- 感状は大名の政治が高いほど効果が高く、多く発行できるが、それでも他に比べると低い勲功にしか使えない。
- 家臣に官位叙任を斡旋することができる(下記参照)。これも効果は高い。
- 家臣の追放も論功行賞で行う。さらに、家臣に切腹を命じることも可能になった。しかし、全ての家臣の忠誠度が下がってしまう。また、家臣が切腹に応じず逃亡することもある。
また、官位が初めて本格的に登場し、朝廷に献金を重ねることで叙任を受けられるようになった。叙任されるのは大名だが、複数の官位を持っていれば、論功行賞で最高位以外の官位に家臣を叙任させることもできた。この影響で、官職を通称に使った(官途名)名で登場していた武将が、実名に変えられたり、官途名で登場し、実名の不明な武将が削除されたりしている。初期の作品では、実名よりも知名度の高い通称が優先されていたが、本作は実名表記への転換点となった。
上杉謙信の戦闘力の高さはパッとしなくなったが、それでも驚異的なのは変わりがないし、松永久秀の義理の低さには変わりない。
合戦時には部隊の方向の概念が加わり、多少の兵力差も戦術でカバーできるようになった。 が、篭城戦はただひたすら城を攻撃するだけの単調な出来となっており、篭城戦は「委任」してしまうプレイヤーもいた。
本作の家庭用移植版はパソコン版よりも縮小する動きが見られた。というのもデータをセーブするのに必要な容量が膨大だったためにパソコン版より少ない状態にしなくてはならなかったためである。城の数を約170から約110に縮小され、戦場での部隊のボリュームを減らされた例が見られる。