五平餅

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団子状の五平餅（妻籠宿にて）

五平餅（ごへいもち）は木曽・伊那地方から岐阜、東海・三河・南信濃（いわゆる三遠南信地方）に伝わる郷土食。潰したご飯を串焼きにしたものである。

[編集] 一般的な作り方

餅米ではなく粳米を柔らかめに炊く。
1に塩少々を入れて潰し、幅1.5cm程の平たい竹串、あるいは割っていない割り箸に扁平な楕円形、地元で言う「ぞうり型」に練りつけ、型崩れしないように素焼きする。つなぎに小麦粉を入れる場合もある。
醤油、味噌、砂糖などでタレを作る。この時胡麻、胡桃、山椒、エゴマなどを入れ、かなり甘めの味に仕立てるのが特徴。
タレを2に塗り、香ばしく焼き上げる。

上記のような、一枚の「ぞうり型」または「小判型」といえる扁平な楕円形に、ご飯を平たい竹または木の串に練りつけたものが最も一般的だが、地域によってバリエーションが多くあり、円盤型のご飯を複数刺したもの、あるいは団子状で見た目がほとんど普通のみたらし団子と変わらないものなどがある。タレのバリエーションはそれこそ無数にある。

[編集] 由来

神道において神に捧げる「御幣」の形をしていることからこの名がついたとするのが一般的。事実、「御幣餅」と表記して販売しているところもある。また五平、あるいは五兵衛という人物（樵であったり猟師であったり、また大工とするものもある）が飯を潰して味噌をつけて焼いて食べたのが始まりとする伝承も各地に形を変えて存在する。いずれにせよ、江戸時代中期頃に木曽・伊那地方の山に暮らす人々によって作られていたものが起源であることは間違いない。米が貴重であった時代、ハレの食べ物として祭りや祝いの場で捧げられ、食べられていた。

[編集] 販売形態

中部地域のドライブインや道の駅、峠の茶屋などでよく販売されている。天竜川沿いには鮎などを焼いて食べさせる店が多く点在するが、たいてい五平餅も併せてメニューにのせている。インターネット上から通信販売で購入することも可能である。愛知県豊田市下山地区（旧下山村）では串の大きな五平餅が320円前後(2006年現在)で販売されている。