亀岡慎一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
亀岡 慎一（かめおか しんいち）は、ゲームソフトメーカーブラウニーブラウン取締役社長であり、キャラクターデザイナーである。男性。スクウェア2Dゲーム時代の生き残り世代の原画家である。漫画家時代には『かめおか慎太』というPNを使っていた。現在も、広告用イラストのサインなどにこのPNを使っている。
ゲームソフト「聖剣伝説2」「聖剣伝説3」（イラストは結城信輝）「聖剣伝説LOM」、「新約 聖剣伝説」（スクウェア・エニックス）「マジカルバケーション」「マジカルバケーション 5つの星がならぶとき」（任天堂）などのキャラクターデザイナーを手がけた。
またデザイン以外でも「MOTHER3」や「聖剣伝説 HEROES of MANA」にも参加している。
その画風は、わかりやすく言えば、クレヨンと水彩絵具で描いたような少年漫画キャラクターである。もう少し説明すると、等身が低い割には、手足の比率が太く（女性，大人でも例外ではない）、極端気味にデフォルメしてある。目や眉毛などの顔のパーツが糊で貼り付けたような感じになっているので、ポーズをとった感じもリアルな感じよりはコミカルな感じに仕上がっている。かつて小学館の新人漫画家のコンテストで入選したこともあり、このあと、スクウェア入社までのアシスタント経験が今の画風の元になっていると思われる。
逆に言えば、過激な表現でも、露骨さがない限りは感じにくくなっているうえに、2Dゲームにおいては、ドット絵との相性がすごくよい画風になっている。良い意味でも悪い意味でも、聖剣伝説LOMの発売時に、前作の結城信輝イラストを超えたインパクトが感じられた。心無いファンからは独特な画風を「ヤキソバ」等と非難されていたが、現在はやや一般アニメ的な美男美女の要素を取り入れ、頭身のバランスも安定しキャッチーな絵に変化した。
しかし、聖剣伝説LOM発売時代、当時のスクウェアは、ファイナルファンタジーVIIIの記録的売り上げのため、3Dリアル系グラフィックへ路線を転向した。その影響で、当時のポリゴン絵との相性の悪い彼の画風はあまり内部受けが良くなかったらしく、方針の反発で、のちの会社立ち上げメンバーになる井上信行、津田幸治などとともに退社をしたのである。
スクウェアとの対立、会社が任天堂の子会社になるなど、苦難の時期はあったようだ。マジカルバケーションにおける、キード・モンガのドワーフの会話に、彼らの苦難をあらわしている話もある。
